大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
・歴史物語という文学ジャンルに親しむ。
・歴史の裏に隠されたさまざまなエピソードを楽しむ。
・歴史が文学に与えた影響を知る。

【講義概要】
歴史物語である『大鏡』は、さまざまな逸話を「語る」ことによって、正史の裏に隠された秘話を明らかにします。天皇たちの伝記である「帝紀」には、当代後一条天皇（母は藤原道長女彰子）に直接繋がらない、いわば皇統から逸脱してしまった天皇の逸話も語られているのですが、そこには親子関係にまつわる内容のものが多く含まれています。子に親としての愛情を示すこと、あるいは親に子としての愛情を示すことが、なぜ皇統を受け継ぐことのできなかった理由として語られているのでしょうか。母后はなぜ我が子の一方を選んだのでしょうか。親子関係という観点から、皇統における逸脱と排除のメカニズムについて解き明かしたいと思います。

【各回の講義予定】
第1回 2023/ 7/27(木) 当代に至る系譜
第2回 2023/ 8/ 3(木) 逸脱する文徳三代
第3回 2023/ 8/24(木) 母の同じ兄弟における排除
第4回 2023/ 8/31(木) 冷泉院の血統による排除

【ご受講に際して】
◆休講が発生した場合の補講日は9月7日を予定しております。

※定員の充足状況の変化や、休講・補講等がある場合があります。
お申込の際は、リンク先の主催校のホームページをご確認下さい。

名前	稲垣 智花
肩書き	武蔵野大学講師
プロフィール	神奈川県出身。早稲田大学第一文学部卒業後、同大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。元早稲田大学講師。専門分野は、中古中世の物語・歴史物語。共編著書に『常用 源氏物語要覧』(武蔵野書院)。論文に『歴史物語講座第三巻 大鏡』(風間書房)所収「大鏡の思想 ― 「道理」をめぐって ―」ほか。