大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
江戸時代史のなかで、朝廷の存在は長らく注目されていませんでした。その奥向きである後宮については言わずもがなです。近年ようやく研究が進められてきていますが、史料的制約などもあって不明な点が多く、その解明には時間がかかりそうです。本講座では、今どこまで明らかになっているのかを確認し、後宮の存在意義や役割を学ぶことを目標といたします。

【講義概要】
この講座は2011年度に開講しました。本年度からは、過去4年間の講座の内容に新たな知見・視角を加え、再構成して行います。
今回は17世紀の後宮、なかでも天皇の妻と娘に絞って講義します。江戸時代を迎え、後宮も新たな歩みを始めました。天皇の正妻が復活したことはその最たるものですが、一方で17世紀は多くの皇女たちに恵まれ、その進路が悩みの種になります。前代とは異なる天皇家の女性たちの有り様を学んでいきましょう。

【各回の講義予定】
第1回 2015/ 4/10(金) 後陽成天皇の生母～織豊期から江戸時代へ～
第2回 2015/ 4/17(金) 後陽成天皇の後宮と官女密通事件
第3回 2015/ 4/24(金) 天皇の正妻～女御・中宮～
第4回 2015/ 5/ 1(金) 徳川和子の入内
第5回 2015/ 5/15(金) 後水尾天皇の皇女(1)庶長女に生まれて
第6回 2015/ 5/22(金) 後水尾天皇の皇女(2)天皇になる娘
第7回 2015/ 5/29(金) 後水尾天皇の皇女(3)尼になる娘たち
第8回 2015/ 6/ 5(金) 後水尾天皇の皇女(4)嫁ぐ娘たち
第9回 2015/ 6/12(金) 霊元天皇女御入内の裏側
第10回 2015/ 6/19(金) 後光明・後西・霊元天皇の皇女たち

名前	久保 貴子
肩書き	早稲田大学・昭和女子大学講師
プロフィール	早稲田大学大学院文学研究科史学(日本史)専攻博士後期課程満期退学。博士(文学、早稲田大学)。現在、早稲田大学・昭和女子大学講師。専門は日本近世史。著書に『近世の朝廷運営―朝幕関係の展開―』(岩田書院、1998年)、『徳川和子』(吉川弘文館、2008年)、『後水尾天皇』(ミネルヴァ書房、2008年)など。