大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
ヨーロッパ文化の形成にキリスト教は中心的な働きをはたしてきました。そうしたキリスト教信仰とはどんなメッセージを発信するものなのでしょうか。キリスト教の人間理解、世界理解、そして神理解を中世の思想家マイスター・エックハルトの思想を通して考えてみたいと思います。

【講義概要】
まずキリスト教は人間をどのような存在として理解しようとしたかを、旧約聖書の「創世記」にある「アダム創造」の記述をてがかりにして考えてみたいと思います。そのあとキリスト教信仰の三位一体論、あるいはキリスト論、受肉論といった基本的理解を見た上で、さらにそこから浮かび上がる初期キリスト教のテオーシス(人間神化)思想に触れ、その伝統を受け継ぐ中世のドミニコ会の思想家マイスター・エックハルトの思想を、民衆の言葉である母語のドイツ語で語った説教(日本語訳)を読んで考えてみたいと思います。なお理解を助けるために一、二度キリスト教美術の図像を用いることも考えています。

【各回の講義予定】
第1回 2015/ 4/ 7(火) 旧約聖書の記述に見る人間理解
第2回 2015/ 4/14(火) 三位一体論、キリスト論、受肉論
第3回 2015/ 4/21(火) マイスター・エックハルトの生涯
第4回 2015/ 4/28(火) マイスター・エックハルトのドイツ語説教講読
第5回 2015/ 5/12(火) マイスター・エックハルトのドイツ語説教講読
第6回 2015/ 5/19(火) マイスター・エックハルトのドイツ語説教講読
第7回 2015/ 5/26(火) マイスター・エックハルトのドイツ語説教講読
第8回 2015/ 6/ 2(火) マイスター・エックハルトのドイツ語説教講読
第9回 2015/ 6/ 9(火) マイスター・エックハルトのドイツ語説教講読
第10回 2015/ 6/16(火) マイスター・エックハルトのドイツ語説教講読
第11回 2015/ 9/29(火) マイスター・エックハルトのドイツ語説教講読
第12回 2015/10/ 6(火) マイスター・エックハルトのドイツ語説教講読
第13回 2015/10/13(火) マイスター・エックハルトのドイツ語説教講読
第14回 2015/10/20(火) マイスター・エックハルトのドイツ語説教講読
第15回 2015/10/27(火) マイスター・エックハルトのドイツ語説教講読
第16回 2015/11/10(火) マイスター・エックハルトのドイツ語説教講読
第17回 2015/11/17(火) マイスター・エックハルトのドイツ語説教講読
第18回 2015/11/24(火) マイスター・エックハルトのドイツ語説教講読
第19回 2015/12/ 1(火) マイスター・エックハルトのドイツ語説教講読
第20回 2015/12/ 8(火) マイスター・エックハルトのドイツ語説教講読

【ご受講に際して】
◆できれば参考図書の解説を事前にご一読ください。

【テキスト・参考図書】
参考図書
『岩波文庫 エックハルト説教集』（岩波書店）（800円）（ISBN:4-00-338161-0 C0116）

名前	田島 照久
肩書き	早稲田大学教授
プロフィール	1947年東京生まれ。早稲田大学第一文学部哲学科卒業後、ドイツ・フライブルク大学卒業(マギスター学位取得)。博士(文学・早稲田大学)。専門分野は宗教哲学、宗教学。著書に『マイスター・エックハルト研究』(創文社)、岩波文庫『エックハルト説教集』、『タウラー説教集』(創文社)などがある。