講座詳細情報
申し込み締切日:2019-02-02 / 文学:日本史:その他教養 / 学内講座コード:18B1613201
右大臣藤原実資の王朝時代(2月開講) 狂乱の帝=花山天皇の時代を『小右記』に見る
- 開催日
- 2月 3日(日)、 2月10日(日)、 2月17日(日)、 3月 3日(日)、 3月10日(日)、 3月17日(日)、 3月24日(日)
- 講座回数
- 7回
- 時間
- 15:00~16:30
- 講座区分
- 後期
- 入学金
- -
- 受講料
- 11,000円
- 定員
- 30
- その他
- 9900(※料金は、神奈川大学生・卒業生等および横浜市交流協議会加盟大学在学生に適用される料金です)
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
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講座詳細
【講座内容】
「花山(かざん)天皇の狂乱(きょうらん)は、全く手に負(お)えない(「花山院(かざんいん)の狂(くる)ひこそ、術(ずち)なきものなれ」)」というのは、『大鏡(おおかがみ)』に見える花山天皇の人物評です。繊細(せんさい)な和歌を詠(よ)む歌人(かじん)としても知られる花山天皇が、精神に大きな問題を抱かかえる人物だったというのです。
この花山天皇の狂乱=精神異常については、『大鏡』にのみならず、『栄花物語(えいがものがたり)』にも、具体的な逸話(いつわ)が残されています。また、『今昔物語集(こんじゃくものがたりしゅう)』をはじめとする幾(いく)つかの説話集(せつわしゅう)も、花山天皇にしばしば異常な言動があったことを伝えています。
しかし、花山天皇の精神に問題があったというのは、本当のことなのでしょうか。また、もし仮に花山天皇に精神異常が見られたとして、その「狂乱(「狂ひ」)」は、本当に「全く手に負(お)えない(「術(ずち)なきものなれ」)」と評(ひょう)されるほどに酷(ひど)いものだったのでしょうか。
この講座では、蔵人頭(くろうどのとう)として花山天皇の秘書(ひしょ)のような立場にあった藤原実資(さねすけ)の日記から、花山天皇の実像および花山天皇の時代の貴族社会の実像を見ていきたいと思います。『小右記(しょうゆうき)』の名称で知られる日記を残した小野宮右大臣(おののみやうだいじん)藤原実資は、若い頃、蔵人頭として朝に夕にせっせと花山天皇の世話を焼いていたのです。
果たして、若き藤原実資が仕(つか)えた花山天皇は、本当に精神を病(や)んだ狂乱の帝だったのでしょうか。
【講座スケジュール】
第1回 2月 3日(日) 花山天皇の奇行(きこう)の記録 永観(えいかん)二年冬
詳細:即位式(そくいしき)の日の奇行/覗(のぞ)き見(み)を楽しむ天皇/再び覗き見を楽しむ天皇
第2回 2月10日(日) 三人の妃(きさき)たちと過ごす一夜(いちや) 永観二年冬
詳細:十月に娶(めと)った妃/十二月上旬に娶った妃/十二月中旬に娶った妃/三人の妃たちとの一夜/大晦日(おおみそか) の覗き見
第3回 2月17日(日) 浮かれ騒ぐ宮廷 寛和(かんな) 元年春
詳細:うち続く派手な遊興(ゆうきょう)/またも覗き見を楽しむ天皇/連続傷害事件の発生/蔵人頭(くろうどのとう)の私宅の宴(うたげ)
第4回 3月 3日(日) 浮き立つ貴族社会 寛和元年春
詳細:天皇の継母(ままはは)(皇太后昌子(こうたいごうまさこ) 内親王)/円融(えんゆう)上皇の優雅(ゆうが)な日々/凶悪犯の捜索(そうさく)
第5回 3月10日(日) 朝廷の混乱 寛和元年夏
詳細:賀茂祭(かものまつり)/改元(かいげん)/待望(たいぼう)の姫君(ひめぎみ)を授(さず)かった蔵人頭
第6回 3月17日(日) 薄暗い運命 寛和元年夏
詳細:白い雉(きじ)/天皇の妹宮(尊子(たかこ)内親王)の死/「連々(つぎつぎ)と死去す」の家系]/子育てに忙しい蔵人頭
第7回 3月24日(日) 悲嘆の日々のはじまり 寛和元年秋・冬
詳細:最愛の妃の死/ 紫式部(むらさきしきぶ)の未来の夫の受難(じゅなん)/円融上皇の出家/天皇の外伯父(そとおじ)の破格の昇進/大嘗会(だいじょうえ)
「花山(かざん)天皇の狂乱(きょうらん)は、全く手に負(お)えない(「花山院(かざんいん)の狂(くる)ひこそ、術(ずち)なきものなれ」)」というのは、『大鏡(おおかがみ)』に見える花山天皇の人物評です。繊細(せんさい)な和歌を詠(よ)む歌人(かじん)としても知られる花山天皇が、精神に大きな問題を抱かかえる人物だったというのです。
この花山天皇の狂乱=精神異常については、『大鏡』にのみならず、『栄花物語(えいがものがたり)』にも、具体的な逸話(いつわ)が残されています。また、『今昔物語集(こんじゃくものがたりしゅう)』をはじめとする幾(いく)つかの説話集(せつわしゅう)も、花山天皇にしばしば異常な言動があったことを伝えています。
しかし、花山天皇の精神に問題があったというのは、本当のことなのでしょうか。また、もし仮に花山天皇に精神異常が見られたとして、その「狂乱(「狂ひ」)」は、本当に「全く手に負(お)えない(「術(ずち)なきものなれ」)」と評(ひょう)されるほどに酷(ひど)いものだったのでしょうか。
この講座では、蔵人頭(くろうどのとう)として花山天皇の秘書(ひしょ)のような立場にあった藤原実資(さねすけ)の日記から、花山天皇の実像および花山天皇の時代の貴族社会の実像を見ていきたいと思います。『小右記(しょうゆうき)』の名称で知られる日記を残した小野宮右大臣(おののみやうだいじん)藤原実資は、若い頃、蔵人頭として朝に夕にせっせと花山天皇の世話を焼いていたのです。
果たして、若き藤原実資が仕(つか)えた花山天皇は、本当に精神を病(や)んだ狂乱の帝だったのでしょうか。
【講座スケジュール】
第1回 2月 3日(日) 花山天皇の奇行(きこう)の記録 永観(えいかん)二年冬
詳細:即位式(そくいしき)の日の奇行/覗(のぞ)き見(み)を楽しむ天皇/再び覗き見を楽しむ天皇
第2回 2月10日(日) 三人の妃(きさき)たちと過ごす一夜(いちや) 永観二年冬
詳細:十月に娶(めと)った妃/十二月上旬に娶った妃/十二月中旬に娶った妃/三人の妃たちとの一夜/大晦日(おおみそか) の覗き見
第3回 2月17日(日) 浮かれ騒ぐ宮廷 寛和(かんな) 元年春
詳細:うち続く派手な遊興(ゆうきょう)/またも覗き見を楽しむ天皇/連続傷害事件の発生/蔵人頭(くろうどのとう)の私宅の宴(うたげ)
第4回 3月 3日(日) 浮き立つ貴族社会 寛和元年春
詳細:天皇の継母(ままはは)(皇太后昌子(こうたいごうまさこ) 内親王)/円融(えんゆう)上皇の優雅(ゆうが)な日々/凶悪犯の捜索(そうさく)
第5回 3月10日(日) 朝廷の混乱 寛和元年夏
詳細:賀茂祭(かものまつり)/改元(かいげん)/待望(たいぼう)の姫君(ひめぎみ)を授(さず)かった蔵人頭
第6回 3月17日(日) 薄暗い運命 寛和元年夏
詳細:白い雉(きじ)/天皇の妹宮(尊子(たかこ)内親王)の死/「連々(つぎつぎ)と死去す」の家系]/子育てに忙しい蔵人頭
第7回 3月24日(日) 悲嘆の日々のはじまり 寛和元年秋・冬
詳細:最愛の妃の死/ 紫式部(むらさきしきぶ)の未来の夫の受難(じゅなん)/円融上皇の出家/天皇の外伯父(そとおじ)の破格の昇進/大嘗会(だいじょうえ)
講師陣
名前 | 繁田 信一 |
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肩書き | 神奈川大学日本常民文化研究所特別研究員、神奈川大学外国語学部講師 |
プロフィール | 1968 年東京都生まれ。1991 年東北大学卒業。1993 年東北大学大学院修了。修士(文学)。2003 年神奈川大学大学院修了。博士(歴史民俗資料学)。著書に『天皇たちの孤独』『殴り合う貴族たち』『御堂関白記 藤原道長の日記』『御曹司たちの王朝時代』『庶民たちの平安京』(以上、角川学芸出版)、『王朝貴族の悪だくみ』(柏書房)、『かぐや姫の結婚』(PHP 研究所)、『紫式部の父親たち』(笠間書院)、『王朝貴族のおまじない』(ビイング・ネット・プレス)、『陰陽師』(中央公論新社)、『陰陽師と貴族社会』『平安貴族と陰陽師』『呪いの都 平安京』『安倍晴明』(以上、吉川弘文館)など。 |