講座詳細情報
申し込み締切日:2018-01-31 / 文学:その他教養 / 学内講座コード:17B1613301
淫祠邪教の王朝時代 怪しげな呪術者たち・危うい宗教者たち
- 開催日
- 2月 1日(木)、 2月 8日(木)、 2月15日(木)、 2月22日(木)、 3月 1日(木)、 3月 8日(木)、 3月15日(木)、 3月22日(木)
- 講座回数
- 8回
- 時間
- 15:00~16:30
- 講座区分
- 後期
- 入学金
- -
- 受講料
- 12,500円
- 定員
- 50
- その他
- 11200(※料金は、神奈川大学生・卒業生等および横浜市交流協議会加盟大学在学生に適用される料金です)
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
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講座詳細
【講座内容】
王朝時代の呪術者あるいは宗教者としては、験者(げんじゃ)(密教僧(みっきょうそう))や陰陽師(おんみょうじ)がよく知られています。藤原道長(みちなが)の『御堂関白記(みどうかんぱくき)』をはじめとする王朝貴族たちの日記からも、『今昔物語集(こんじゃくものがたりしゅう)』のような説話集(せつわしゅう)からも、比叡山(ひえいざん)や東寺(とうじ)といった官寺の験者たちの活躍や安倍晴明のような朝廷の陰陽師たちの活躍を、数多く知ることができます。
しかし、王朝時代には、もっと多様な呪術者たちや宗教者たちが活動していたのです。例えば、当時の貴族社会には、しばしば女性の巫(かんなぎ)である巫女(みこ)が出入りしていましたし、ときには、男性の巫である男巫(おとこみこ)も出入りしていました。また、同じく「陰陽師」と呼ばれてはいても、安倍晴明などとは別系統の、かなり胡散臭(うさんくさ)い陰陽師もいました。さらに、死霊を祀(まつ)る者・天狗(てんぐ)を祀る者・鬼と交信する者・狐(きつね)を祀る者・自在に空を飛ぶ仙人(せんにん)など、王朝時代には、まさに多種多様な呪術者たち・宗教者たちが活動していたのです。
この講座では、そんな、怪(あや)しげで危(あや)うい呪術者たちや宗教者たちについて、彼らが王朝時代にどのような活動をしていたのかを、さまざまな史料を手がかりに明らかにしていきたいと思います。
【講座スケジュール】
第1回 2月 1日(木) 朝廷が警戒(けいかい)する怪しい祭(まつり)の数々
詳細:志多羅の神の上京/平安京のあちこちで祀られる卑猥(ひわい)な神々/異国の神の託宣
第2回 2月 8日(木) 「御霊(ごりょう)」と呼ばれる謎(なぞ)の神々
詳細:神泉苑(しんせんえん)の御霊会/御霊会のはじまりとしての庶民たちの猥雑(わいざつ)な祭/怨霊(おんりょう)ではない御霊/庶民たちを熱狂させる御霊会
第3回 2月15日(木) 律令(りつりょう)国家の宗教統制策
詳細:卜占(ぼくせん)・予言(よげん)の禁止/婬祠邪教(いんしじゃきょう)の排除/常世神(とこよのかみ)事件/朝廷が行基(ぎょうき)を弾圧した理由
第4回 2月22日(木) 仙人を目指す僧侶たち
詳細:日本の仙人/空を飛ぶ僧侶たち/仙人の術/異類(いるい)を使役(しえき)する修行者たち/役小角(えんのおづの)の後継者たち
第5回 3月 1日(木) 鬼・天狗と関わる人々
詳細:鬼の姿を見る優婆塞(うばそく)/天狗を祀る僧侶/天狗に憑(つ)かれた女性/鬼・天狗と化(か)す高僧(こうそう)
第6回 3月 8日(木) 狐を祀る人々
詳細:伊勢神宮の神を怒らせた斎宮頭(さいぐうのかみ)夫妻の狐信仰/王朝時代の日本人にとっての狐/恋愛の成就(じょうじゅ)を野干坂(やかんざか)の老狐(おいぎつね)に祈る巫女
第7回 3月15日(木) 犯罪者集団としての「陰陽師・巫・博打(ばくうち)・京童部(きょうわらんべ)」その1
詳細:悪だくみのために集められた「陰陽師・巫・博打・京童部」/男の巫/女陰陽師のような巫女/詐欺師(さぎし)として扱われる巫女
第8回 3月22日(木) 犯罪者集団としての「陰陽師・巫・博打・京童部」その2
詳細:悪事に関わる陰陽師としての法師陰陽師(ほうしおんみょうじ)/陰陽の術を使う悪人たち/法師陰陽師を詐欺師と見做(みな)す風潮(ふうちょう)
王朝時代の呪術者あるいは宗教者としては、験者(げんじゃ)(密教僧(みっきょうそう))や陰陽師(おんみょうじ)がよく知られています。藤原道長(みちなが)の『御堂関白記(みどうかんぱくき)』をはじめとする王朝貴族たちの日記からも、『今昔物語集(こんじゃくものがたりしゅう)』のような説話集(せつわしゅう)からも、比叡山(ひえいざん)や東寺(とうじ)といった官寺の験者たちの活躍や安倍晴明のような朝廷の陰陽師たちの活躍を、数多く知ることができます。
しかし、王朝時代には、もっと多様な呪術者たちや宗教者たちが活動していたのです。例えば、当時の貴族社会には、しばしば女性の巫(かんなぎ)である巫女(みこ)が出入りしていましたし、ときには、男性の巫である男巫(おとこみこ)も出入りしていました。また、同じく「陰陽師」と呼ばれてはいても、安倍晴明などとは別系統の、かなり胡散臭(うさんくさ)い陰陽師もいました。さらに、死霊を祀(まつ)る者・天狗(てんぐ)を祀る者・鬼と交信する者・狐(きつね)を祀る者・自在に空を飛ぶ仙人(せんにん)など、王朝時代には、まさに多種多様な呪術者たち・宗教者たちが活動していたのです。
この講座では、そんな、怪(あや)しげで危(あや)うい呪術者たちや宗教者たちについて、彼らが王朝時代にどのような活動をしていたのかを、さまざまな史料を手がかりに明らかにしていきたいと思います。
【講座スケジュール】
第1回 2月 1日(木) 朝廷が警戒(けいかい)する怪しい祭(まつり)の数々
詳細:志多羅の神の上京/平安京のあちこちで祀られる卑猥(ひわい)な神々/異国の神の託宣
第2回 2月 8日(木) 「御霊(ごりょう)」と呼ばれる謎(なぞ)の神々
詳細:神泉苑(しんせんえん)の御霊会/御霊会のはじまりとしての庶民たちの猥雑(わいざつ)な祭/怨霊(おんりょう)ではない御霊/庶民たちを熱狂させる御霊会
第3回 2月15日(木) 律令(りつりょう)国家の宗教統制策
詳細:卜占(ぼくせん)・予言(よげん)の禁止/婬祠邪教(いんしじゃきょう)の排除/常世神(とこよのかみ)事件/朝廷が行基(ぎょうき)を弾圧した理由
第4回 2月22日(木) 仙人を目指す僧侶たち
詳細:日本の仙人/空を飛ぶ僧侶たち/仙人の術/異類(いるい)を使役(しえき)する修行者たち/役小角(えんのおづの)の後継者たち
第5回 3月 1日(木) 鬼・天狗と関わる人々
詳細:鬼の姿を見る優婆塞(うばそく)/天狗を祀る僧侶/天狗に憑(つ)かれた女性/鬼・天狗と化(か)す高僧(こうそう)
第6回 3月 8日(木) 狐を祀る人々
詳細:伊勢神宮の神を怒らせた斎宮頭(さいぐうのかみ)夫妻の狐信仰/王朝時代の日本人にとっての狐/恋愛の成就(じょうじゅ)を野干坂(やかんざか)の老狐(おいぎつね)に祈る巫女
第7回 3月15日(木) 犯罪者集団としての「陰陽師・巫・博打(ばくうち)・京童部(きょうわらんべ)」その1
詳細:悪だくみのために集められた「陰陽師・巫・博打・京童部」/男の巫/女陰陽師のような巫女/詐欺師(さぎし)として扱われる巫女
第8回 3月22日(木) 犯罪者集団としての「陰陽師・巫・博打・京童部」その2
詳細:悪事に関わる陰陽師としての法師陰陽師(ほうしおんみょうじ)/陰陽の術を使う悪人たち/法師陰陽師を詐欺師と見做(みな)す風潮(ふうちょう)
講師陣
名前 | 繁田 信一 |
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肩書き | 神奈川大学日本常民文化研究所特別研究員、神奈川大学外国語学部講師 |
プロフィール | 1968 年東京都生まれ。1991 年東北大学卒業。1993 年東北大学大学院修了。修士(文学)。2003 年神奈川大学大学院修了。博士(歴史民俗資料学)。著書に『天皇たちの孤独』『殴り合う貴族たち』『御堂関白記藤原道長の日記』『御曹司たちの王朝時代』『庶民たちの平安京』(以上、角川学芸出版)、『王朝貴族の悪だくみ』(柏書房)、『かぐや姫の結婚』(PHP 研究所)、『紫式部の父親たち』(笠間書院)、『王朝貴族のおまじない』(ビイング・ネット・プレス)、『陰陽師』(中央公論新社)、『陰陽師と貴族社会』『平安貴族と陰陽師』『呪いの都 平安京』『安倍晴明』(以上、吉川弘文館)など。 |