講座詳細情報
申し込み締切日:2015-10-29 / 文学:その他教養 / 学内講座コード:15B1611701
本居宣長の神道論を読む 論争する宣長の実像(神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科主催講座2)
- 開催日
- 10月30日(金)、11月 6日(金)、11月13日(金)、11月20日(金)、11月27日(金)、12月 4日(金)
- 講座回数
- 6回
- 時間
- 19:00~20:30
- 講座区分
- 後期
- 入学金
- -
- 受講料
- 9,500円
- 定員
- 30
- その他
- 8500(※料金は、神奈川大学生・卒業生等および横浜市交流協議会加盟大学在学生に適用される料金です)
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
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講座詳細
【講座内容】
「もののあはれ」概念を中心とした文学観、『古事記』の文献学的考証を積み上げた厖大な『古事記伝』の業績など、宣長のイメージは、篤実・温厚な学者とされることが少なくなかった。しかし、宣長は、激しい論争の人でもあった。それは、自らが実証的に明らかにした「神道」の正しさを信ずるがゆえであったし、近世思想界の主流であった儒学との思想的闘いに勝利しなければならないという強い信念があったからである。そして、その信念は、強烈なナショナリスティックな感情にも支えられていた。したがって、そのナショナリズム的感情と論理は、近代日本の過剰化した民族主義の温床ともなった。しかし、宣長の思想には、必ずしも対外的膨張主義の論理は含まれていなかった。今日、日本の民族主義を過剰に高揚させないためにも、その思想的原型ともいうべき宣長の神道論を再検討する必要があるだろう。なお、必要な資料は当方で用意する。
【講座スケジュール】
第1回10月30日(金) 宣長とその時代
詳細:宣長が生きた近世中期の思想界の状況と宣長によって大成されたとされる国学思想の意義について概説する。また、日本儒学における日本中心主義の論理について検討する。
第2回11月 6日(金) 「直毘霊」を読む
詳細:『古事記伝』冒頭に付けられた「直毘霊」は、宣長の神道論の精髄をまとめたものである。まず、これを読んで、宣長の神道論の骨格を確認する。
第3回11月13日(金) 儒学者との論争(1)
詳細:市川匡麻呂が著した『末賀乃比礼』に対する批判の書である『くず花』の内容を検討する。この回は、上巻をとりあげる。
第4回11月20日(金) 儒学者との論争(2)
詳細:前回に引き続き『くず花』下巻の内容を検討する。
第5回11月27日(金) 考証学者との論争
詳細:京都の考証学者藤貞幹が著した『衝口発』にたいして、宣長は『鉗狂人』を書いて論駁した。これは、さらに上田秋成も含めた論争に発展する。この秋成との論争は『呵刈葭』としてまとめられるが、それも含めて検討する。
第6回12月 4日(金) 宣長神道論のまとめ
詳細:これまで検討してきた内容をまとめると同時に、宣長の神道論を考察することの現代的意義について論じる。
「もののあはれ」概念を中心とした文学観、『古事記』の文献学的考証を積み上げた厖大な『古事記伝』の業績など、宣長のイメージは、篤実・温厚な学者とされることが少なくなかった。しかし、宣長は、激しい論争の人でもあった。それは、自らが実証的に明らかにした「神道」の正しさを信ずるがゆえであったし、近世思想界の主流であった儒学との思想的闘いに勝利しなければならないという強い信念があったからである。そして、その信念は、強烈なナショナリスティックな感情にも支えられていた。したがって、そのナショナリズム的感情と論理は、近代日本の過剰化した民族主義の温床ともなった。しかし、宣長の思想には、必ずしも対外的膨張主義の論理は含まれていなかった。今日、日本の民族主義を過剰に高揚させないためにも、その思想的原型ともいうべき宣長の神道論を再検討する必要があるだろう。なお、必要な資料は当方で用意する。
【講座スケジュール】
第1回10月30日(金) 宣長とその時代
詳細:宣長が生きた近世中期の思想界の状況と宣長によって大成されたとされる国学思想の意義について概説する。また、日本儒学における日本中心主義の論理について検討する。
第2回11月 6日(金) 「直毘霊」を読む
詳細:『古事記伝』冒頭に付けられた「直毘霊」は、宣長の神道論の精髄をまとめたものである。まず、これを読んで、宣長の神道論の骨格を確認する。
第3回11月13日(金) 儒学者との論争(1)
詳細:市川匡麻呂が著した『末賀乃比礼』に対する批判の書である『くず花』の内容を検討する。この回は、上巻をとりあげる。
第4回11月20日(金) 儒学者との論争(2)
詳細:前回に引き続き『くず花』下巻の内容を検討する。
第5回11月27日(金) 考証学者との論争
詳細:京都の考証学者藤貞幹が著した『衝口発』にたいして、宣長は『鉗狂人』を書いて論駁した。これは、さらに上田秋成も含めた論争に発展する。この秋成との論争は『呵刈葭』としてまとめられるが、それも含めて検討する。
第6回12月 4日(金) 宣長神道論のまとめ
詳細:これまで検討してきた内容をまとめると同時に、宣長の神道論を考察することの現代的意義について論じる。
講師陣
名前 | 橘川 俊忠 |
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肩書き | 神奈川大学名誉教授 |
プロフィール | 1945 年生まれ。東京大学法学部卒業。専門は日本政治思想史。著書に『近代批判の思想』(論創社)、『歴史解読の視座』『日本の民俗学者――人と学問』(以上、共著、御茶の水書房)、『奥能登と時国家研究編2』(平凡社)、『終わりなき戦後を問う』(明石書店)などがある。 |