講座詳細情報
申し込み締切日:2014-11-03 / 宗教・哲学:その他教養 / 学内講座コード:14B1612101
丸山真男の日本思想論を読む 原型・古層・執拗低音とは何か(神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科主催講座3)
- 開催日
- 11月 7日(金)、11月14日(金)、11月21日(金)、11月28日(金)、12月 5日(金)、12月12日(金)
- 講座回数
- 6回
- 時間
- 19:00~20:30
- 講座区分
- 後期
- 入学金
- -
- 受講料
- 9,500円
- 定員
- 30
- その他
- 8500(※料金は、神奈川大学生・卒業生等および横浜市交流協議会加盟大学在学生に適用される料金です)
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
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講座詳細
【講座内容】
日本の思想史を概観すると、外来思想の絶えざる流入による変遷を重ねてきたように見える。特に近代以降は、その流入の量と速度は圧倒的ですらある。にもかかわらず、良い意味でも悪い意味でも、何かしら日本的なものが外来の思想に刻印されているようにも思われる。それは、遅れているとか、理解力の不足というような問題ではない。また、それは外来思想の本来の意味を失わせるほど強力に作用する事もある。そうした事態を引き起こす「何ものか」を明らかにすること、丸山が晩年まで取り組んだのは、その問題であった。原型と言い、古層ととらえ、最後に執拗低音と名づけたその「何ものか」を正確に理解すること、それが今回の講座の目的である。なお、テキストは、『日本の思想』(岩波新書)が必須だが、それ以外はまとまった手頃な著作になっていないので、その分は適宜当方で用意する。
【講座スケジュール】
第1回11月 7日(金) 問題の出発点
詳細:丸山が、日本思想の特性について自覚的に取り組むようになった出発点を確認する。丸山は、戦後、「敗戦」を招いた原因の分析に取り組み、「超国家主義の論理と心理」を始めとするいくつかの政治的論文を残した。その論文の中で、日本思想の特性の問題がどのように発見されていったかを確認する。
第2回11月14日(金) 日本に思想史はあるか
詳細:『日本の思想』第一論文「日本の思想」をテキストに、丸山が政治問題を論じる中で摘出した日本思想の特性の問題が、思想史の問題としてどのように深められていったのかを検証する。
第3回11月21日(金) 日本思想の病理
詳細:『日本の思想』第二論文以下で論じられている日本思想の問題点を発想様式の観点から整理し、この段階での丸山の到達点を確かめる。
第4回11月28日(金) 古代文献の分析から
詳細:1960年代後半に入って、丸山は『古事記』を中心とするいわゆる記紀神話の分析を進め、日本の思想を基底の部分で規定する発想様式を「古層」として取り出した。『丸山真男講義録』第6巻、第7巻を素材として、その分析の過程を検討する。
第5回12月 5日(金) 原型・古層・執拗低音
詳細:「歴史意識の『古層』」(1972、丸山真男集第10巻所収)の発表から「原型・古層・執拗低音」(1984、同第12巻所収)の発表までに、丸山の日本思想論の方法的骨格が形成された。そこで丸山が、どのような問題提起を行おうとしたのかを考える。
第6回12月12日(金) 丸山思想史から何を学ぶか
詳細:丸山思想史全体を総括し、その現在的意味を考えたい。
日本の思想史を概観すると、外来思想の絶えざる流入による変遷を重ねてきたように見える。特に近代以降は、その流入の量と速度は圧倒的ですらある。にもかかわらず、良い意味でも悪い意味でも、何かしら日本的なものが外来の思想に刻印されているようにも思われる。それは、遅れているとか、理解力の不足というような問題ではない。また、それは外来思想の本来の意味を失わせるほど強力に作用する事もある。そうした事態を引き起こす「何ものか」を明らかにすること、丸山が晩年まで取り組んだのは、その問題であった。原型と言い、古層ととらえ、最後に執拗低音と名づけたその「何ものか」を正確に理解すること、それが今回の講座の目的である。なお、テキストは、『日本の思想』(岩波新書)が必須だが、それ以外はまとまった手頃な著作になっていないので、その分は適宜当方で用意する。
【講座スケジュール】
第1回11月 7日(金) 問題の出発点
詳細:丸山が、日本思想の特性について自覚的に取り組むようになった出発点を確認する。丸山は、戦後、「敗戦」を招いた原因の分析に取り組み、「超国家主義の論理と心理」を始めとするいくつかの政治的論文を残した。その論文の中で、日本思想の特性の問題がどのように発見されていったかを確認する。
第2回11月14日(金) 日本に思想史はあるか
詳細:『日本の思想』第一論文「日本の思想」をテキストに、丸山が政治問題を論じる中で摘出した日本思想の特性の問題が、思想史の問題としてどのように深められていったのかを検証する。
第3回11月21日(金) 日本思想の病理
詳細:『日本の思想』第二論文以下で論じられている日本思想の問題点を発想様式の観点から整理し、この段階での丸山の到達点を確かめる。
第4回11月28日(金) 古代文献の分析から
詳細:1960年代後半に入って、丸山は『古事記』を中心とするいわゆる記紀神話の分析を進め、日本の思想を基底の部分で規定する発想様式を「古層」として取り出した。『丸山真男講義録』第6巻、第7巻を素材として、その分析の過程を検討する。
第5回12月 5日(金) 原型・古層・執拗低音
詳細:「歴史意識の『古層』」(1972、丸山真男集第10巻所収)の発表から「原型・古層・執拗低音」(1984、同第12巻所収)の発表までに、丸山の日本思想論の方法的骨格が形成された。そこで丸山が、どのような問題提起を行おうとしたのかを考える。
第6回12月12日(金) 丸山思想史から何を学ぶか
詳細:丸山思想史全体を総括し、その現在的意味を考えたい。
備考
【教材】
※テキスト『日本の思想』(岩波新書)の購入(受講料には含まれません)については講座開始前にご案内します。
※テキスト『日本の思想』(岩波新書)の購入(受講料には含まれません)については講座開始前にご案内します。
講師陣
名前 | 橘川 俊忠 |
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肩書き | 神奈川大学名誉教授 |
プロフィール | 1945年生まれ。東京大学法学部卒業。専門は日本政治思想史。著書に『近代批判の思想』(論創社)、『歴史解読の視座』『日本の民俗学者―人と学問』(以上、共著、御茶の水書房)、『奥能登と時国家研究編2』(平凡社)、『終わりなき戦後を問う』(明石書店)などがある。 |