講座詳細情報
申し込み締切日:2014-06-12 / 宗教・哲学:その他教養 / 学内講座コード:14A1612201
丸山真男の近代思想史を読む 変革期における視座の転換を考える(神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科主催講座3)
- 開催日
- 6月13日(金)、 6月20日(金)、 6月27日(金)、 7月 4日(金)、 7月11日(金)、 7月18日(金)
- 講座回数
- 6回
- 時間
- 19:00~20:30
- 講座区分
- 前期
- 入学金
- -
- 受講料
- 9,500円
- 定員
- 30
- その他
- 8500(※料金は、神奈川大学生・卒業生等および横浜市交流協議会加盟大学在学生に適用される料金です)
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
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講座詳細
【講座内容】
本講座では、『忠誠と反逆』(筑摩書房刊)に収録された丸山真男の「開国」、「幕末における視座の変革」および「忠誠と反逆」の3論文を中心に明治維新前後の思想的問題を検討する。明治維新は言うまでもなく日本近代の出発点となった変革であったが、それはその時期を生きた人々に深刻な思想問題を提起した。その思想問題を丸山がどうとらえたかを、テキストの厳密な読解によって明らかにすると同時に、歴史的に異なる状況ではあるが先の見えにくい転換期にある現在を生きる我々にとって学びうるものは何かについても考えたい。なお、テキストはちくま学芸文庫版『忠誠と反逆』を使用する。講座では上記3論文以外の関連論文(『忠誠と反逆』に収録されていないものも含む)も参照するが、それについては講座の中で適宜指示する。
【講座スケジュール】
第1回 6月13日(金) 「開国」とは何か
詳細:「開国」とは、鎖国を止め、諸外国と条約を結び、交易を開始することだけを意味するわけではない。国際社会を成り立たせている原理そのものを承認し、その一員として存立しうる「国家」として自らを変革することを余儀なくさせる過程を含む。その過程が要請した政治的、社会的変化の諸相をとらえると同時に、思想のレベルでの課題を浮き彫りにする。
第2回 6月20日(金) 「開国」はどのような視座の変革を要求したか
詳細:幕末の思想家佐久間象山の場合を例にしながら、「開国」前後において問われていた政治的・思想的問題はなんであったか、また、当時の思想家がどのように答えようとしたかについて検討する。また、その答え方の特質とその後への影響についても考える。
第3回 6月27日(金) 忠誠と反逆についての伝統的観念の検討
詳細:幕末維新期における忠誠観の転換を論じるにあたって、その歴史的所与としての忠誠観の問題を近世以前にさかのぼって明らかにする必要がある。特に、近世におけるそれは、「道」にまで高められたものとして人々の精神に根強く浸透しており、そこからの転換は極めて困難であったと思われる。その意味で、その理解は幕末維新期の問題を理解するために不可欠である。
第4回 7月 4日(金) 維新前後における忠誠の相尅
詳細:幕末維新期は、封建的身分制の解体期であり、「開国」という事態に対応するためには、身分制的制約から解放された新しい視座を確立する必要があった。しかし、それは新しい状況に対応しようとする人々に激しい精神的葛藤を引き起こさずにはいなかった。その葛藤の諸相を検討する。
第5回 7月11日(金) 明治国家の形成と忠誠と反逆
詳細:天皇とその国家へと忠誠を一元化しようとする明治政府の動きは、社会的・経済的変動と多様化する社会観・政治観とあいまって、様々な抵抗と反逆を生み出した。その抵抗と反逆の可能性と限界について考える。
第6回 7月18日(金) 現在における忠誠と反逆の問題
詳細:幕末維新期における忠誠と反逆の問題を、近世から近代への過渡期の政治思想史的問題として総括する。同時に、そうした問題を検討する事が、転換期にあると思われる現在を生きる我々にとってどのような意味があるのかを考える。
本講座では、『忠誠と反逆』(筑摩書房刊)に収録された丸山真男の「開国」、「幕末における視座の変革」および「忠誠と反逆」の3論文を中心に明治維新前後の思想的問題を検討する。明治維新は言うまでもなく日本近代の出発点となった変革であったが、それはその時期を生きた人々に深刻な思想問題を提起した。その思想問題を丸山がどうとらえたかを、テキストの厳密な読解によって明らかにすると同時に、歴史的に異なる状況ではあるが先の見えにくい転換期にある現在を生きる我々にとって学びうるものは何かについても考えたい。なお、テキストはちくま学芸文庫版『忠誠と反逆』を使用する。講座では上記3論文以外の関連論文(『忠誠と反逆』に収録されていないものも含む)も参照するが、それについては講座の中で適宜指示する。
【講座スケジュール】
第1回 6月13日(金) 「開国」とは何か
詳細:「開国」とは、鎖国を止め、諸外国と条約を結び、交易を開始することだけを意味するわけではない。国際社会を成り立たせている原理そのものを承認し、その一員として存立しうる「国家」として自らを変革することを余儀なくさせる過程を含む。その過程が要請した政治的、社会的変化の諸相をとらえると同時に、思想のレベルでの課題を浮き彫りにする。
第2回 6月20日(金) 「開国」はどのような視座の変革を要求したか
詳細:幕末の思想家佐久間象山の場合を例にしながら、「開国」前後において問われていた政治的・思想的問題はなんであったか、また、当時の思想家がどのように答えようとしたかについて検討する。また、その答え方の特質とその後への影響についても考える。
第3回 6月27日(金) 忠誠と反逆についての伝統的観念の検討
詳細:幕末維新期における忠誠観の転換を論じるにあたって、その歴史的所与としての忠誠観の問題を近世以前にさかのぼって明らかにする必要がある。特に、近世におけるそれは、「道」にまで高められたものとして人々の精神に根強く浸透しており、そこからの転換は極めて困難であったと思われる。その意味で、その理解は幕末維新期の問題を理解するために不可欠である。
第4回 7月 4日(金) 維新前後における忠誠の相尅
詳細:幕末維新期は、封建的身分制の解体期であり、「開国」という事態に対応するためには、身分制的制約から解放された新しい視座を確立する必要があった。しかし、それは新しい状況に対応しようとする人々に激しい精神的葛藤を引き起こさずにはいなかった。その葛藤の諸相を検討する。
第5回 7月11日(金) 明治国家の形成と忠誠と反逆
詳細:天皇とその国家へと忠誠を一元化しようとする明治政府の動きは、社会的・経済的変動と多様化する社会観・政治観とあいまって、様々な抵抗と反逆を生み出した。その抵抗と反逆の可能性と限界について考える。
第6回 7月18日(金) 現在における忠誠と反逆の問題
詳細:幕末維新期における忠誠と反逆の問題を、近世から近代への過渡期の政治思想史的問題として総括する。同時に、そうした問題を検討する事が、転換期にあると思われる現在を生きる我々にとってどのような意味があるのかを考える。
備考
【教材】
※テキスト『忠誠と反逆』(ちくま学芸文庫)の購入(受講料には含まれません)については講座開始前にご案内します。
※テキスト『忠誠と反逆』(ちくま学芸文庫)の購入(受講料には含まれません)については講座開始前にご案内します。
講師陣
名前 | 橘川 俊忠 |
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肩書き | 神奈川大学名誉教授 |
プロフィール | 1945年生まれ。東京大学法学部卒業。専門は日本政治思想史。著書に『近代批判の思想』(論創社)、『歴史解読の視座』『日本の民俗学者―人と学問』(以上、共著、御茶の水書房)、『奥能登と時国家研究編2』(平凡社)、『終わりなき戦後を問う』(明石書店)などがある。 |