講座詳細情報
申し込み締切日:2013-10-22 / 芸術・文化:その他教養 / 学内講座コード:13B1611301
世界の女王たちの肖像画
- 開催日
- 11月 5日(火)、11月12日(火)、11月19日(火)、
11月26日(火)、12月 3日(火)
- 講座回数
- 5回
- 時間
- 13:00~14:30
- 講座区分
- 後期
- 入学金
- -
- 受講料
- 8,000円
- 定員
- 50
- その他
- 7200(※料金は、神奈川大学生・卒業生等および横浜市交流協議会加盟大学在学生に適用される料金です)
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
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講座詳細
【講座内容】
写真技術のなかった時代、肖像画は時代を写した唯一のブロマイド。王侯貴族たちは優れた画家を雇い、自分たちや家族の姿を描かせた。画布に写し出されたのは、単に彼らのうつせみの姿だけではない。衣装や小物や背景に、その人物の個性や教養・地位・運命までが写し取られている。肖像画は時代を象徴的に表した生き証人といえる。著名な女王たちの肖像画を鑑賞しながら、実像に迫り、女王たちが生きた時代に迫りたい。
【講座スケジュール】
第1回 11月 5日(火) イサベル一世とファナ女王
コロンブスを支援して新大陸アメリカを発見させ、イベリア半島を統一したカスティリア女王イサベル一世。イサベルが王位に即くと予想していた者はいなかった。腹違いの兄の死により、王冠がイサベルのものになる。イサベルはイスラムとの争いで蹂躙された国土の立て直しをはかり、イベリア半島の統一に命をかける。イサベルの後継者ファナ女王はフランドルのフェリペ公爵と結婚したものの、精神に異常をきたし、王位は外国オーストリアのハプスブルク家のものとなる。
第2回 11月12日(火) エリザベス一世とメアリー・スチュアート
生涯のライバルであったイギリス女王エリザベス一世とスコットランド女王メアリー・スチュアート。二人の人生の軌跡が重なり、一人は大英国の基礎を築く女王に、もう一人はその女王に処刑される運命となる。何が二人の人生をこうも変えたのか。エリザベスは母を処刑され苦難の人生に踏み出すが、メアリーは繭に包まれた蚕のように安穏とした少女時代を過ごす。人生の導き手は経験だけでは完璧とはいえない。人間を理解する深い知性が要求される。
第3回 11月19日(火) マリア・テレジアとマリー・アントワネット
フランスの革命の種は、ルイ16世の妃マリー・アントワネットの浪費癖にあるかのように語られてきた。だが、革命の火種は母マリア・テレジアによって蒔かれた。マリア・テレジアがおこしたオーストリア継承戦争と続く七年戦争が、二つの戦争に巻き込まれたフランスに経済的疲弊として重くのしかかる。これが革命を招いた。マリア・テレジアとマリー・アントワネットは10年にわたり書簡を交わしたが、オーストリアに有利に働くよう促す母の手紙がマリー・アントワネットの運命を決めた。
第4回 11月26日(火) エカテリーナ二世
1762年、近衛部隊が一斉に蜂起し、ロシア皇帝ピョートル三世を廃位した。この宮廷クーデターを組織・指揮したのは、ピョートル三世の妻エカテリーナだった。エカテリーナはドイツの小貴族の娘。ロマノフ王朝の君主となる資格はまったく持っていなかった。しかし、夫を逮捕させて暗殺し、力で皇位に即いた。民意を得るためにエカテリーナがめざしたのは啓蒙君主である。どのような王朝が誕生したのか。
第5回 12月 3日(火) ヴィクトリア女王
産業革命をいちはやく成し遂げ、「世界の工場」となるイギリス。そこに君臨したヴィクトリア女王。女王は大英帝国の象徴となる。肖像画は国母としてのイメージを高揚するが、その背後には、帝国主義政策の追求が隠されている。世界にはりめぐらされた大帝国の植民地、植民地を守るために本国から大量に送り出される若い兵士たち。栄光に満ちた女王の肖像画は大英帝国の陰の部分を神秘のヴェールで覆っている。
写真技術のなかった時代、肖像画は時代を写した唯一のブロマイド。王侯貴族たちは優れた画家を雇い、自分たちや家族の姿を描かせた。画布に写し出されたのは、単に彼らのうつせみの姿だけではない。衣装や小物や背景に、その人物の個性や教養・地位・運命までが写し取られている。肖像画は時代を象徴的に表した生き証人といえる。著名な女王たちの肖像画を鑑賞しながら、実像に迫り、女王たちが生きた時代に迫りたい。
【講座スケジュール】
第1回 11月 5日(火) イサベル一世とファナ女王
コロンブスを支援して新大陸アメリカを発見させ、イベリア半島を統一したカスティリア女王イサベル一世。イサベルが王位に即くと予想していた者はいなかった。腹違いの兄の死により、王冠がイサベルのものになる。イサベルはイスラムとの争いで蹂躙された国土の立て直しをはかり、イベリア半島の統一に命をかける。イサベルの後継者ファナ女王はフランドルのフェリペ公爵と結婚したものの、精神に異常をきたし、王位は外国オーストリアのハプスブルク家のものとなる。
第2回 11月12日(火) エリザベス一世とメアリー・スチュアート
生涯のライバルであったイギリス女王エリザベス一世とスコットランド女王メアリー・スチュアート。二人の人生の軌跡が重なり、一人は大英国の基礎を築く女王に、もう一人はその女王に処刑される運命となる。何が二人の人生をこうも変えたのか。エリザベスは母を処刑され苦難の人生に踏み出すが、メアリーは繭に包まれた蚕のように安穏とした少女時代を過ごす。人生の導き手は経験だけでは完璧とはいえない。人間を理解する深い知性が要求される。
第3回 11月19日(火) マリア・テレジアとマリー・アントワネット
フランスの革命の種は、ルイ16世の妃マリー・アントワネットの浪費癖にあるかのように語られてきた。だが、革命の火種は母マリア・テレジアによって蒔かれた。マリア・テレジアがおこしたオーストリア継承戦争と続く七年戦争が、二つの戦争に巻き込まれたフランスに経済的疲弊として重くのしかかる。これが革命を招いた。マリア・テレジアとマリー・アントワネットは10年にわたり書簡を交わしたが、オーストリアに有利に働くよう促す母の手紙がマリー・アントワネットの運命を決めた。
第4回 11月26日(火) エカテリーナ二世
1762年、近衛部隊が一斉に蜂起し、ロシア皇帝ピョートル三世を廃位した。この宮廷クーデターを組織・指揮したのは、ピョートル三世の妻エカテリーナだった。エカテリーナはドイツの小貴族の娘。ロマノフ王朝の君主となる資格はまったく持っていなかった。しかし、夫を逮捕させて暗殺し、力で皇位に即いた。民意を得るためにエカテリーナがめざしたのは啓蒙君主である。どのような王朝が誕生したのか。
第5回 12月 3日(火) ヴィクトリア女王
産業革命をいちはやく成し遂げ、「世界の工場」となるイギリス。そこに君臨したヴィクトリア女王。女王は大英帝国の象徴となる。肖像画は国母としてのイメージを高揚するが、その背後には、帝国主義政策の追求が隠されている。世界にはりめぐらされた大帝国の植民地、植民地を守るために本国から大量に送り出される若い兵士たち。栄光に満ちた女王の肖像画は大英帝国の陰の部分を神秘のヴェールで覆っている。
講師陣
名前 | 石井 美樹子 |
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肩書き | 神奈川大学名誉教授 |
プロフィール | 1974~78年英国ケンブリッジ大学大学院にて中世英文学を専攻。文学博士。その後ケンブリッジ大学東洋学部専任講師、静岡大学教授を経て2013年3月まで神奈川大学外国語学部教授。専門は中世・ルネサンスのイギリス文学・歴史。主要著書に『聖母のルネサンス』(岩波書店)、『エリザベス―華麗なる孤独』(中央公論新社)、『ヨーロッパの王妃』『ヨーロッパ 宮廷の愛人たち』『マリー・アントワネットの宮廷画家―ルイーズ・ヴィジェ・ルブランの生涯』(以上、河出書房新社)ほか多数。 |