大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
春講座の「イエスという人」では、イエスに出会って生き方を変えられた人々がイエスに何を見たのか、それを新約聖書から探ろうと試みました。しかし、それは彼らの目に映ったイエスであって、イエスの実像とはずれがあるかもしれません。そこで、秋講座では、イエスに関する史実はどこまで明らかにされているのか、それを考えることにします。

【講義概要】
現在の日本に起こった出来事であっても、報道機関によって取り上げ方や記述がかなり異なることがあり、出来事に関する客観的な事実の把握は容易ではありません。まして、事実や史実に対して現代のような強い興味を持たない聖書の場合、それが描く記述から史実を抽出するのはきわめて困難です。ヨハネ福音書と共観福音書(マタイ・マルコ・ルカ福音書)とには大きな違いがあるし、同じ出来事を描く共観福音書においても無視できない相違があります。しかし、可能なかぎり史実を追求することも必要なことです。現代の聖書学は、例えば処女降誕物語や奇跡物語について史実性を認めているのかどうか、それを考えることにします。

【テキスト・参考図書】
テキスト
『聖書（新約・旧約）』※各自ご持参ください。

名前	雨宮 慧
肩書き	上智大学名誉教授
プロフィール	1943 年生まれ。出身地:東京都。出身校:上智大学大学院、教皇庁立聖書研究所。専攻分野:預言者の生き方。主な著訳書等:『正続・旧約聖書のこころ』(女子パウロ会)、『旧約聖書の預言者たち』(NHK出版)、『福音書のことば』(NHK出版)