大学公開講座のセカンドアカデミー

【目標】
2011年から始めた『イーリアス』全書精読講座の続きです。人類最古最大の叙事詩に描かれた無限なる神々と有限なる人間が宇宙内存在として共栄共存する様。不完全で小さき人間が、遍在する大いなる神々を認識しながらも、「人間らしく」雄々しく、誇り高く、ときに愚かに生きる様。そうした不変的、普遍的な人間群像を見つめます。

【講義概要】
『イーリアス』に描かれている究極のテーマは「人間とは何か」です。それを知るには、人間を超える力=「神々の存在」を見極めなくてはなりません。「見えない神々」を「見える神々」として描かんとしたのが『イーリアス』の真骨頂。神々は人間世界に内在遍在し「人間よりも人間らしい存在」として描かれていますが、死すべき人間とは全く異なる存在。そうした認識に基づき、物語は雄渾、荘厳、詩的に展開していきます。今期は全書の後半部。いよいよ佳境に入ります。古代ギリシアの「人間主義」から、現代人が忘れてしまった「真の人間であること」の意味を想起しながら精読します。テキストは呉茂一先生の詩情あふれる典雅な翻訳を使用しますが、残念ながら絶版のため、該当部分をコピー、配付します。

【各回の講義予定】
第1回 2014/ 4/ 8(火) 前半の10回で、第16書・第17書を読んでいきます。
第11回 2014/ 9/30(火) 後半の10回で、第18書・第19書を読んでいきます。

【ご受講に際して】
・『イーリアス』に関するものであればどの翻訳本でも結構ですので、第15書まで熟読しておいてください。

【テキスト・参考図書】
テキスト
『ギリシア神話 知れば知るほど」』（実業之日本社）（1，500円）（ISBN:9784408323114）丹羽隆子著，第2版

名前	丹羽 隆子
肩書き	東京海洋大学名誉教授
プロフィール	－