講座詳細情報
申し込み締切日:2019-10-10 / 文学 / 学内講座コード:312028b
大宰治と『トカトントン』 【連続講座】太宰治 生誕110周年記念
- 開催日
- 10月11日(金)
- 講座回数
- 1回
- 時間
- 13:00~14:30
- 講座区分
- 1回もの
- 入学金
- -
- 受講料
- 1,500円
- 定員
- 20
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
関連講座
紫式部と源氏物語 (by 武蔵野大学 三鷹サテライト教室)
講座詳細
【講座内容】
大宰治が生きた時代状況について考えます。
大宰治の津軽の地主の三男に生まれました。当時は長男相続の時代ですから、地主の家に生まれて贅沢に慣れた暮らしを送っていても、次男、三男に相続権はありません。親に学資を出してもらって勉学し、あとは自分で生きていくことになります。それは恵まれた自由な生き方と見ることもできますが、当人にとっては、いかに生きるべきかという重い課題を負わされることになります。代表作の『人間失格』はその課題と正面から向き合った作品ですが、『トカトントン』の場合は、架空の人物の手記というかたちで、側面から、いかに生きるべきかという課題の困難さを描いています。ある時代状況の中で人が生きる場合に、何か目標をもって生きるというのが、生きていく上での必要なスタンスだと考えられますが、その目標のごときものは、多くの場合、幻想の産物です。トカトントンというのは、その幻想性を人につきつける象徴的な物音です。その幻想が失われるということを、当時の時代状況を振り返りながら、読者であるわたしたちが生きた時代状況との比較などもやってみたいと思います。
【講座スケジュール】
第1回10月11日(金)
大宰治が生きた時代状況について考えます。
大宰治の津軽の地主の三男に生まれました。当時は長男相続の時代ですから、地主の家に生まれて贅沢に慣れた暮らしを送っていても、次男、三男に相続権はありません。親に学資を出してもらって勉学し、あとは自分で生きていくことになります。それは恵まれた自由な生き方と見ることもできますが、当人にとっては、いかに生きるべきかという重い課題を負わされることになります。代表作の『人間失格』はその課題と正面から向き合った作品ですが、『トカトントン』の場合は、架空の人物の手記というかたちで、側面から、いかに生きるべきかという課題の困難さを描いています。ある時代状況の中で人が生きる場合に、何か目標をもって生きるというのが、生きていく上での必要なスタンスだと考えられますが、その目標のごときものは、多くの場合、幻想の産物です。トカトントンというのは、その幻想性を人につきつける象徴的な物音です。その幻想が失われるということを、当時の時代状況を振り返りながら、読者であるわたしたちが生きた時代状況との比較などもやってみたいと思います。
【講座スケジュール】
第1回10月11日(金)
講師陣
名前 | 三田 誠広 |
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肩書き | 本学名誉教授・芥川賞作家・日本文藝家協会副理事長 |
プロフィール | 1973年、早稲田大学文学部卒。 1977年、『僕って何』で芥川賞。 2019年3月まで武蔵野大学教授。 主な著書。『いちご同盟』『空海』『日蓮』『親鸞』『こころにとどく歎異抄』『源氏物語を反体制文学として読んでみる』 |
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