大学公開講座のセカンドアカデミー

【講座内容】
「花の宴」から二年、世は桐壺帝譲位朱雀帝即位と新しい時代となった。源氏二十二才。「葵」一巻は賀茂御禊当日の葵の上一行と六修御息所方との険しい車争いの場面から、したたかなものの怪、生霊に出産時苛まれた末の葵の上の死、源氏と少女との結婚、さらに朝顔の姫君へも迫る源氏の多感な青春彷徨の姿を四季の移ろいにそって語る。仮説である。当時世の人が心寄せて噂していた出来事、一つは高家女性同士の晴れの場での車争いの顛末、もう一つは生霊のために出産直後死去した女性の哀話である。近しく聴いた語り手(作者)はこの二つの話を世によくあることと聞き流さず、この出来事から、この内に潜む人間の普遍的な本性を剔出して問い続ける。即ち人間の権力、権威に驕る心、親と子の情愛、心の奥底に滾る怨念の情を、特に権力・心の闇・心の鬼の意を検証しながら読解を深めたい。

【講座スケジュール】
第1回 4月24日(水) 葵　1　
第2回 5月 8日(水) 葵　2
第3回 5月22日(水) 葵　3
第4回 6月 5日(水) 葵　4
第5回 6月19日(水) 葵　5
第6回 7月10日(水) 葵　6
第7回 7月24日(水) 葵　7
第8回 8月 7日(水) 葵　8
第9回 8月21日(水) 葵　9
第10回 9月 4日(水) 葵　10　　（読了）

【教材】
『新潮日本古典集成〈新装版〉 源氏物語(二)』 新潮社 2，484円
※上記教材をお持ちでない方は、
詳細ページよりご購入ください。

※日程、講座内容の変更、休講・補講等がある場合があります。
お申込の際は、リンク先の主催校のホームページをご確認下さい。

名前	深澤 邦弘
肩書き	元本学教授
プロフィール	早稲田大学大学院文学研究科日本文学専攻修士課程修了、文学修士。 都立三鷹高等学校、立川高等学校、昭和高等学校教諭 2006年3月武蔵野大学文学部教授退職。 専攻は中世文学・国語教育。著書に『平家物語における「生」』新典社研究叢書170、 『青桐─もの一詞いはん─』編著 新典社(2014年4月)など。