大学公開講座のセカンドアカデミー

【講座内容】
巻第六は治承四（1181）年正月新院崩御、二月遠近国の反平家勢の蜂起、清盛・邦綱の死去、寿永元（1182）年九月横田河原合戦の城氏敗北さらに翌寿永二（1183）年二月の宗盛内大臣辞任までを語り、巻第七は同年三月頼朝義仲の不和、四・五月北陸下向平家勢十万の緒戦の勝利と倶梨迦羅峠、篠原合戦の壊滅的敗北敗走をつづり、七月山門を味方につけた義仲上洛に平家は全軍を京に撤収、主上を擁して七千余騎六波羅・福原に火を放ち西国に向う都落ちを語る。
福原遷都を断行した清盛、和歌の忠度、琵琶の経正、抗戦を主張した「平家の侍」・知盛、白髪を染め戦い、また子の討死に嘆死した平家武者、西下を決断した宗盛、家族の悲嘆。
治承・養和・寿永の三年間、過酷な境遇試練の日々を己れの存在をかけて生きた平家、京内外の人々の姿と「心ばへ」を描き重ねて『平家』が問う人間として生きる意味を考えたい。

【講座スケジュール】
第1回　4月17日（水）　新院崩御・紅葉　巻第六
第2回　5月 8日（水）　小督　巻第六
第3回　5月22日（水）　飛脚到来・入道死去・築島　巻第六
第4回　6月 5日（水）　嗄声・横田河原合戦　巻第六
第5回　6月19日（水）　北国下向・火打合戦・木曽願書　巻第七
第6回　7月 3日（水）　倶梨迦羅落・篠原合戦・実盛　巻第七
第7回　7月17日（水）　木曽山門牒状・返牒・平家山門連署　巻第七
第8回　8月 7日（水）　主上都落・維盛都落　巻第七
第9回　8月21日（水）　忠度都落・経正都落　巻第七
第10回　9月 4日（水）　一門之都落・福原落　巻第七

【教材】
新日本古典文学大系『平家物語上・下』 岩波書店 上 4，620円 下 4，830円
または、新編日本古典文学全集『平家物語一・二』 小学館 一 4，480円 二 4，680円
または、『平家物語二・三』 ワイド版岩波文庫 二 1，260円 三 1，365円
※各自いずれかをご用意ください
※上記のうち『下』・『二』・『三』は講座第5回(6月19日)までにご用意ください。

名前	深澤 邦弘
肩書き	元本学教授
プロフィール	早稲田大学大学院文学研究科日本文学専攻修士課程修了、文学修士。 都立三鷹高等学校、立川高等学校、昭和高等学校教諭 2006年3月武蔵野大学文学部教授退職。 専攻は中世文学・国語教育。著書に『平家物語における「生」』新典社研究叢書170など。