講座詳細情報
申し込み締切日:2022-04-27 / その他教養 / 学内講座コード:22A1601000
神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科主催講座 -日本ナショナリズムの解剖学11 日本ナショナリズムの現在【ハイフレックス(録画あり)】 ナショナリズムと民主主義は両立可能か
- 開催日
- 5月14日(土)、 5月21日(土)、 6月 4日(土)、 6月11日(土)、 6月18日(土)、 6月25日(土)
- 講座回数
- 6回
- 時間
- 13:00~14:30
- 講座区分
- 前期
- 入学金
- -
- 受講料
- 10,500円
- 定員
- 40
- その他
- 9500(※料金は、神奈川大学生・卒業生等および横浜市交流協議会加盟大学在学生に適用される料金です)
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
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講座詳細
【講座内容】
幕末・明治維新に勃興し、日本における近代国家の形成・展開の過程で中心的役割を果たした日本ナショナリズムの思想と運動は、第二次世界大戦時にウルトラ化し絶頂期を迎えたが、大日本帝国の敗北によって決定的な打撃を被った。しかし、日本が「国民国家」として存続し続ける限り、それを根拠とする、あるいはそれを正当化する思想はナショナリズムとして再生し、運動化する。戦敗国として、戦後の複雑な国際情勢の中で、それはいかなる性格のものとして再生したか。その後、社会主義の国際主義が、冷戦下での方向性を失い、ついに冷戦の終結とともに、その権威を決定的に失墜させてしまった現在、新自由主義的自国第一主義が世界に蔓延する中で、日本のナショナリズムはどこに向かおうとしているのか。本講座では、第二次世界大戦後の日本ナショナリズムの復活過程を総括するとともに、その今後を展望する。
なお、聴講に必要な資料等は当方で用意する。
【講座スケジュール】
第1回 5月14日(土) 戦後改革とウルトラ・ナショナリズムの解体
詳細:敗戦後、政治・経済・社会のあらゆる分野で戦争を支えた体制の解体・改革が進められた。その戦後改革と総称される変革の中で、思想としてのナショナリズムは、どのような変化を迫られたか、あるいは迫られなかったか。
第2回 5月21日(土) 反戦平和の論理とナショナリズム
詳細:冷戦の開始とともに復活した「日本国家」は、アメリカ合衆国への追従と反戦平和国家としての立場に引き裂かれ、ナショナリズムも二つの立場の間で、特有の「ねじれ」を抱え込むことになった。その「ねじれ」について分析する。
第3回 6月 4日(土) 戦後、なぜ日本単一民族が浸透したか
詳細:ナショナリズムの核心概念は、戦前は「皇国臣民」であり、「天皇の赤子」であった。戦後、それらの観念にかわって「日本国民」が核心に据えられたが、その内容はどのように充填されたのかを検討する。
第4回 6月11日(土) 戦前回帰型ナショナリズムの登場
詳細:六十年代以後、いわゆる保守論壇の中で戦前再評価・戦争肯定論が台頭してきた。その代表が林房雄『大東亜戦争肯定論』である。これは、その後の類似議論の原型となった。その論理を検証する。
第5回 6月18日(土) 歴史修正主義とポピュリズム的政治の蔓延
詳細:冷戦終結後、世界はグローバリゼーションの波におおわれ、新自由主義とポピュリズムが跋扈する状況になった。その状況において、自国第一主義と歴史修正主義が、ナショナリズムの装いをもって登場した。その現状を考える。
第6回 6月25日(土) ナショナリズムと民主主義の両立は可能か
詳細:日本ナショナリズムの過去現在の思想史を振り返って、その将来を考える。
幕末・明治維新に勃興し、日本における近代国家の形成・展開の過程で中心的役割を果たした日本ナショナリズムの思想と運動は、第二次世界大戦時にウルトラ化し絶頂期を迎えたが、大日本帝国の敗北によって決定的な打撃を被った。しかし、日本が「国民国家」として存続し続ける限り、それを根拠とする、あるいはそれを正当化する思想はナショナリズムとして再生し、運動化する。戦敗国として、戦後の複雑な国際情勢の中で、それはいかなる性格のものとして再生したか。その後、社会主義の国際主義が、冷戦下での方向性を失い、ついに冷戦の終結とともに、その権威を決定的に失墜させてしまった現在、新自由主義的自国第一主義が世界に蔓延する中で、日本のナショナリズムはどこに向かおうとしているのか。本講座では、第二次世界大戦後の日本ナショナリズムの復活過程を総括するとともに、その今後を展望する。
なお、聴講に必要な資料等は当方で用意する。
【講座スケジュール】
第1回 5月14日(土) 戦後改革とウルトラ・ナショナリズムの解体
詳細:敗戦後、政治・経済・社会のあらゆる分野で戦争を支えた体制の解体・改革が進められた。その戦後改革と総称される変革の中で、思想としてのナショナリズムは、どのような変化を迫られたか、あるいは迫られなかったか。
第2回 5月21日(土) 反戦平和の論理とナショナリズム
詳細:冷戦の開始とともに復活した「日本国家」は、アメリカ合衆国への追従と反戦平和国家としての立場に引き裂かれ、ナショナリズムも二つの立場の間で、特有の「ねじれ」を抱え込むことになった。その「ねじれ」について分析する。
第3回 6月 4日(土) 戦後、なぜ日本単一民族が浸透したか
詳細:ナショナリズムの核心概念は、戦前は「皇国臣民」であり、「天皇の赤子」であった。戦後、それらの観念にかわって「日本国民」が核心に据えられたが、その内容はどのように充填されたのかを検討する。
第4回 6月11日(土) 戦前回帰型ナショナリズムの登場
詳細:六十年代以後、いわゆる保守論壇の中で戦前再評価・戦争肯定論が台頭してきた。その代表が林房雄『大東亜戦争肯定論』である。これは、その後の類似議論の原型となった。その論理を検証する。
第5回 6月18日(土) 歴史修正主義とポピュリズム的政治の蔓延
詳細:冷戦終結後、世界はグローバリゼーションの波におおわれ、新自由主義とポピュリズムが跋扈する状況になった。その状況において、自国第一主義と歴史修正主義が、ナショナリズムの装いをもって登場した。その現状を考える。
第6回 6月25日(土) ナショナリズムと民主主義の両立は可能か
詳細:日本ナショナリズムの過去現在の思想史を振り返って、その将来を考える。
備考
【備考】
◆ハイフレックス講座とは、対面による講座を、オンライン(Zoomによるライブ)により同じ時間に受講参加できる形態です。受講生の皆様はライフスタイルにあわせて対面、またはオンライン(ライブ)で講座に参加する事が出来ます。
例えば初回は対面で参加して、2回目の講義は自宅からライブで参加する事も可能です。また語学講座や一部講座を除き、講座は収録し、終了後に動画配信します。
※動画配信期間は、最終講座日から1週間です。
◆コロナウイルス感染症の状況により講座内容を変更する場合がございます。
◆ハイフレックス講座とは、対面による講座を、オンライン(Zoomによるライブ)により同じ時間に受講参加できる形態です。受講生の皆様はライフスタイルにあわせて対面、またはオンライン(ライブ)で講座に参加する事が出来ます。
例えば初回は対面で参加して、2回目の講義は自宅からライブで参加する事も可能です。また語学講座や一部講座を除き、講座は収録し、終了後に動画配信します。
※動画配信期間は、最終講座日から1週間です。
◆コロナウイルス感染症の状況により講座内容を変更する場合がございます。
講師陣
名前 | 橘川 俊忠 |
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肩書き | 神奈川大学名誉教授 |
プロフィール | 1945年生まれ。東京大学法学部卒業。専門は日本政治思想史。著書に『近代批判の思想』(論創社)、『歴史解読の視座』『日本の民俗学者 ― 人と学問』(以上、共著、御茶の水書房)、『奥能登と時国家研究編2』(平凡社)、『終わりなき戦後を問う』(明石書店)、『丸山眞男「日本政治思想史研究」を読む』(日本評論)などがある。 |