講座詳細情報
申し込み締切日:2020-04-24 / その他教養 / 学内講座コード:20A1601700
どうなる原発の将来 ― 福島原発の事故の真相
- 開催日
- 5月 8日(金)、 5月15日(金)、 5月22日(金)、 5月29日(金)
- 講座回数
- 4回
- 時間
- 10:30~12:30
- 講座区分
- 前期
- 入学金
- -
- 受講料
- 6,500円
- 定員
- 30
- その他
- 5800(※料金は、神奈川大学生・卒業生等および横浜市交流協議会加盟大学在学生に適用される料金です)
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
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講座詳細
【講座内容】
福島原発事故以来、日本の原発開発は大きく後退しているが、そもそも福島原発事故の真相は何であったのか。事故の深刻度は、チェルノブイリ事故と同じレベル7 に指定されたが、それは本当に正しい評価なのであろうか。この真相を知ることなくして、将来の原発政策を語ることはできないはずである。
本講座では、先ず技術とリスクの問題を、広い視野を持って考えることから始めたいと思う。よくキャッチ・ワードとして、安心安全とか100%の安全対策などと言われるが、本当に100% 安全な技術は先ず皆無であると言わなければならない。
技術は、その発達に伴い道具から機械となり、さらに一層複雑なシステム機器となっている。機械システムが複雑になればなるほど、部品レベルの故障の可能性は飛躍的に増大する。これに、人為的なミスや意図的な誤作動などを含めれば、リスクは格段に高くなる。このリスクを人類は、さらに新しい技術を生み出すことで克服しようとしてきた。しかし、その新しい技術には新たなリスクがつきまとっている。かくして、人類は終わりのない技術革新への取り組みに捕らわれたのである。
【講座スケジュール】
第1回 5月 8日(金) 技術とリスクの問題を考える
詳細:いかなる技術も、先ず出発点に何らかの科学的な知識がある。その知識を応用して、実生活に役立つものを作ってゆく。この実用化のプロセスを「技術の発展可能経路」もしくは「技術的ハイアラーキー」と名付け、新しい技術が生み出されてくるメカニズムを検討してみよう。例えば、自動車の発明などの事例を用いて、技術生成のメカニズムをわかりやすく解説する。
第2回 5月15日(金) 福島原発事故の真相を探る
詳細:様々なレベルの原発事故について、長年にわたって研究してきた専門家の分析を頼りに、福島原発事故の真相に迫ってみよう。事故の発生原因についても、その重大性においても、福島原発事故をチェルノブイリと同一視することについては、専門家の間で強い反論がある。マークI型と呼ばれるGE製の原発について、東電によって採用されなかった改善提案を含めて、事故の真因と解決策について考えてみよう。
第3回 5月22日(金) 原子力発電の実情を知る
詳細:福島原発事故以前、30%近くを占めていた日本の発電は、事故後は僅か1%にまで落ち込み、化石燃料の追加輸入額は毎年3兆円程度に上っている。この極端な反応の中に、合理的とは言いがたい根拠の曖昧な不安や恐れがあると、考えることはできないであろうか。ちょうど、根拠の曖昧な期待や希望がバブル経済を招いたように、全く逆向きの「マイナス・バブル」と呼ぶべき現象が、日本の原発産業に起きているのかもしれない。
第4回 5月29日(金) 将来の原発の姿を予測する
詳細:多少専門的になるかもしれないが、現在存在している原子力発電の主な技術体系について、検討してみたいと思う。この検討を通じて、原子力発電の産業には、未だ決定的に優位な形態( これをドミナント・デザインと呼ぶ) が、確立されていないとみることができる。すなわち、原発産業は未だそのライフサイクルの中間期にあると考えられる。自動車産業などの事例を参考にしながら、原発の将来像を探ってみることにしよう。
福島原発事故以来、日本の原発開発は大きく後退しているが、そもそも福島原発事故の真相は何であったのか。事故の深刻度は、チェルノブイリ事故と同じレベル7 に指定されたが、それは本当に正しい評価なのであろうか。この真相を知ることなくして、将来の原発政策を語ることはできないはずである。
本講座では、先ず技術とリスクの問題を、広い視野を持って考えることから始めたいと思う。よくキャッチ・ワードとして、安心安全とか100%の安全対策などと言われるが、本当に100% 安全な技術は先ず皆無であると言わなければならない。
技術は、その発達に伴い道具から機械となり、さらに一層複雑なシステム機器となっている。機械システムが複雑になればなるほど、部品レベルの故障の可能性は飛躍的に増大する。これに、人為的なミスや意図的な誤作動などを含めれば、リスクは格段に高くなる。このリスクを人類は、さらに新しい技術を生み出すことで克服しようとしてきた。しかし、その新しい技術には新たなリスクがつきまとっている。かくして、人類は終わりのない技術革新への取り組みに捕らわれたのである。
【講座スケジュール】
第1回 5月 8日(金) 技術とリスクの問題を考える
詳細:いかなる技術も、先ず出発点に何らかの科学的な知識がある。その知識を応用して、実生活に役立つものを作ってゆく。この実用化のプロセスを「技術の発展可能経路」もしくは「技術的ハイアラーキー」と名付け、新しい技術が生み出されてくるメカニズムを検討してみよう。例えば、自動車の発明などの事例を用いて、技術生成のメカニズムをわかりやすく解説する。
第2回 5月15日(金) 福島原発事故の真相を探る
詳細:様々なレベルの原発事故について、長年にわたって研究してきた専門家の分析を頼りに、福島原発事故の真相に迫ってみよう。事故の発生原因についても、その重大性においても、福島原発事故をチェルノブイリと同一視することについては、専門家の間で強い反論がある。マークI型と呼ばれるGE製の原発について、東電によって採用されなかった改善提案を含めて、事故の真因と解決策について考えてみよう。
第3回 5月22日(金) 原子力発電の実情を知る
詳細:福島原発事故以前、30%近くを占めていた日本の発電は、事故後は僅か1%にまで落ち込み、化石燃料の追加輸入額は毎年3兆円程度に上っている。この極端な反応の中に、合理的とは言いがたい根拠の曖昧な不安や恐れがあると、考えることはできないであろうか。ちょうど、根拠の曖昧な期待や希望がバブル経済を招いたように、全く逆向きの「マイナス・バブル」と呼ぶべき現象が、日本の原発産業に起きているのかもしれない。
第4回 5月29日(金) 将来の原発の姿を予測する
詳細:多少専門的になるかもしれないが、現在存在している原子力発電の主な技術体系について、検討してみたいと思う。この検討を通じて、原子力発電の産業には、未だ決定的に優位な形態( これをドミナント・デザインと呼ぶ) が、確立されていないとみることができる。すなわち、原発産業は未だそのライフサイクルの中間期にあると考えられる。自動車産業などの事例を参考にしながら、原発の将来像を探ってみることにしよう。
備考
※定員の充足状況の変化や、休講・補講等がある場合があります。
お申込の際は、リンク先の主催校のホームページをご確認下さい。
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講師陣
名前 | 小山 和伸 |
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肩書き | 神奈川大学経済学部教授 |
プロフィール | 東京大学経済学研究科博士課程修了。経済学博士(東京大学)。著書に『技術革新の戦略と組織行動』(白桃書房)、『救国の戦略』(展転社)、『リーダーシップの本質』(白桃書房)、『選択力』(主婦の友社)(日本図書館協会選定図書)などがある。講師は、大学で経済・経営の教育研究に当たる傍ら、スカパーTV(チャンネル桜)で、報道キャスターを務めるなど、幅広い活躍を見せている。 |