講座詳細情報
申し込み締切日:2019-09-27 / その他教養 / 学内講座コード:19B1611701
天皇代替わりの儀礼について考える
- 開催日
- 9月28日(土)、10月 5日(土)、10月26日(土)、11月 9日(土)
- 講座回数
- 4回
- 時間
- 13:00~14:30
- 講座区分
- 後期
- 入学金
- -
- 受講料
- 6,500円
- 定員
- 30
- その他
- 5800(※料金は、神奈川大学生・卒業生等および横浜市交流協議会加盟大学在学生に適用される料金です)
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
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講座詳細
【講座内容】
本年は天皇代替わりの年である。新元号の発表から始まり、皇位継承に関わる一連の儀礼や行事が続き、この秋にはそのクライマックスである即位式正殿儀と大嘗祭が控えている。今回は202年ぶりの生前退位(譲位)による皇位継承であり、かつ近年の皇室人気と相俟って、一連の儀礼や行事が各種マスコミで大きく報道され、かつてないほどの盛り上がりをみせている。そして、この一連の儀礼や行事をマスコミも国民も伝統的なものと考えがちである。しかし、今回の儀礼や行事は皇室典範特例法に基づく新儀である。その基礎は明治42 年(1909)制定の登極令という法律によって創設され、真に伝統的な前近代の儀礼とはほど遠い。そうしたなかで、本講座では、前近代に行われた本来の皇位継承儀礼とはどういう内容であったかを考える。
【講座スケジュール】
第1回 9月28日(土) 譲国儀について
詳細:前近代の皇位継承儀礼はそれぞれ別日程で行われる譲国儀・即位式・大嘗祭の三本柱からなる。このうち譲国儀は、三種の神器などの皇位を象徴する器物(レガリアという)の新天皇へ移譲を中心とする儀礼であり、この儀礼で皇位の継承が完了する。一方、即位式は、譲国儀によって皇位を継承した新天皇がそれを万民に告知するための儀礼である。そしてこのふたつの儀礼は平安時代に入って成立した。まずは譲国儀について講義する。
第2回10月 5日(土) 即位式について
詳細:平安時代に入って成立した即位式の式次第(進行手順)は、毎年元日に律令官人が天皇に年頭の拝賀をする朝賀という儀礼の方法を踏襲した。その式次第は、そこで天皇が着用する冕服という装束をはじめ、儒教の礼の思想に基づく極めて中国的な内容であった。また、鎌倉時代からは、天皇に密教の秘宝を授ける即位灌頂という仏教的な要素が新たに加わった。それが大きく変わったのは明治天皇の即位式からであり、それが登極令によって変更が加えられ、大正天皇の即位式を経て現在につながる。ここでは、明治以降の即位式との比較を交え、前近代の即位式について講義する。
第3回10月26日(土) 三種の神器の歴史と実態
詳細:皇位継承儀礼を考えるためには、皇位を象徴する三種の神器についても考える必要がある。これは、神話の時代から継承されてきたと伝える宝剣(天叢雲剣、草薙剣とも)、神鏡(八咫鏡)、神璽(八尺瓊勾玉)の三種をいう。しかし、その実態はベールに包まれており、また、実際には神話の時代から継承されてきたものでもない。特に神璽は本来から神器であったかどうかは意見が分かれ、神璽が神器として確定したのは平安時代に入ってからである。ここでは、三種の神器をめぐる歴史とその実態について講義する。
第4回11月 9日(土) 大嘗祭について
詳細:天皇がその年に収穫された新穀を天照大神に捧げる神事儀礼を新嘗祭という。大嘗祭は、新天皇の即位後最初に行われる新嘗祭のことであり、大嘗祭をもって、天皇自身が行う皇位継承儀礼は一通り完了する。大嘗祭の起源は奈良時代以前に遡るが、儀礼としての様式や式次第が整うのはやはり平安時代に入ってからである。また、大嘗祭の前後にはそれに付随する様々な儀礼が行われたが、それらの儀礼が整備されるのも平安時代に入ってからである。ここでは、前近代の大嘗祭について講義する。
本年は天皇代替わりの年である。新元号の発表から始まり、皇位継承に関わる一連の儀礼や行事が続き、この秋にはそのクライマックスである即位式正殿儀と大嘗祭が控えている。今回は202年ぶりの生前退位(譲位)による皇位継承であり、かつ近年の皇室人気と相俟って、一連の儀礼や行事が各種マスコミで大きく報道され、かつてないほどの盛り上がりをみせている。そして、この一連の儀礼や行事をマスコミも国民も伝統的なものと考えがちである。しかし、今回の儀礼や行事は皇室典範特例法に基づく新儀である。その基礎は明治42 年(1909)制定の登極令という法律によって創設され、真に伝統的な前近代の儀礼とはほど遠い。そうしたなかで、本講座では、前近代に行われた本来の皇位継承儀礼とはどういう内容であったかを考える。
【講座スケジュール】
第1回 9月28日(土) 譲国儀について
詳細:前近代の皇位継承儀礼はそれぞれ別日程で行われる譲国儀・即位式・大嘗祭の三本柱からなる。このうち譲国儀は、三種の神器などの皇位を象徴する器物(レガリアという)の新天皇へ移譲を中心とする儀礼であり、この儀礼で皇位の継承が完了する。一方、即位式は、譲国儀によって皇位を継承した新天皇がそれを万民に告知するための儀礼である。そしてこのふたつの儀礼は平安時代に入って成立した。まずは譲国儀について講義する。
第2回10月 5日(土) 即位式について
詳細:平安時代に入って成立した即位式の式次第(進行手順)は、毎年元日に律令官人が天皇に年頭の拝賀をする朝賀という儀礼の方法を踏襲した。その式次第は、そこで天皇が着用する冕服という装束をはじめ、儒教の礼の思想に基づく極めて中国的な内容であった。また、鎌倉時代からは、天皇に密教の秘宝を授ける即位灌頂という仏教的な要素が新たに加わった。それが大きく変わったのは明治天皇の即位式からであり、それが登極令によって変更が加えられ、大正天皇の即位式を経て現在につながる。ここでは、明治以降の即位式との比較を交え、前近代の即位式について講義する。
第3回10月26日(土) 三種の神器の歴史と実態
詳細:皇位継承儀礼を考えるためには、皇位を象徴する三種の神器についても考える必要がある。これは、神話の時代から継承されてきたと伝える宝剣(天叢雲剣、草薙剣とも)、神鏡(八咫鏡)、神璽(八尺瓊勾玉)の三種をいう。しかし、その実態はベールに包まれており、また、実際には神話の時代から継承されてきたものでもない。特に神璽は本来から神器であったかどうかは意見が分かれ、神璽が神器として確定したのは平安時代に入ってからである。ここでは、三種の神器をめぐる歴史とその実態について講義する。
第4回11月 9日(土) 大嘗祭について
詳細:天皇がその年に収穫された新穀を天照大神に捧げる神事儀礼を新嘗祭という。大嘗祭は、新天皇の即位後最初に行われる新嘗祭のことであり、大嘗祭をもって、天皇自身が行う皇位継承儀礼は一通り完了する。大嘗祭の起源は奈良時代以前に遡るが、儀礼としての様式や式次第が整うのはやはり平安時代に入ってからである。また、大嘗祭の前後にはそれに付随する様々な儀礼が行われたが、それらの儀礼が整備されるのも平安時代に入ってからである。ここでは、前近代の大嘗祭について講義する。
講師陣
名前 | 近藤 好和 |
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肩書き | 國學院大学大学院・和洋女子大学・東海大学非常勤講師、千葉県銃砲刀剣類等登録審査委員 |
プロフィール | 1957 年神奈川県生まれ。1987 年國學院大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得。博士(文学・広島大学)。著書に、『弓矢と刀剣』『中世的武具の成立と武士』『騎兵と歩兵の中世史』(以上、吉川弘文館)、『源義経』(ミネルヴァ書房)、『装束の日本史』『武具の日本史』(以上、平凡社新書)、『日本古代の武具 『国家珍宝帳』と正倉院の器仗』(思文閣出版)、『朝廷儀礼の文化史』(臨川書店)、『天皇の装束』(中公新書)などがある。 |