講座詳細情報
申し込み締切日:2019-10-16 / 世界史:その他教養 / 学内講座コード:19B1611101
過去から考える中国の現在・未来 建国70 年、天安門事件後30 年の変遷と課題
- 開催日
- 10月17日(木)、10月31日(木)、11月14日(木)、11月28日(木)、12月12日(木)
- 講座回数
- 5回
- 時間
- 19:00~20:30
- 講座区分
- 後期
- 入学金
- -
- 受講料
- 8,000円
- 定員
- 30
- その他
- 7200(※料金は、神奈川大学生・卒業生等および横浜市交流協議会加盟大学在学生に適用される料金です)
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
関連講座
講座詳細
【講座内容】
先端技術から米中摩擦まで、中国が日々話題となっています。経済発展が進み、かつてとは比べ物にならないほど豊かになった人々の姿が伝えられる一方で、あいかわらずの人権侵害や監視の強化も伝えられています。
目覚ましい変化と過去から引き継がれた課題。奇しくも中国は今年、建国後70 年、天安門事件後30 年、さらに言えば中国現代史の起点とされる五四運動から100 年にあたりますが、本講座では、この機会に少し長い時間軸からこの両面を考えたいと思います。その際、中国(大陸)と深い関わりを持つ台湾・香港や、検閲を通さないインディペンデント映画など、あまり報道されにくい分野にも焦点をあてていきます。過去を振り返りつつ、中国の現在と未来の形を探っていきたいと思います。
【講座スケジュール】
第1回10月17日(木) 「建国70 周年、天安門30 周年」もう一つの70 年、向こう側の三十年【本田 善彦】
詳細:中華人民共和国建国70 周年は、中華民国の台湾全面撤退70 周年を意味する。1989 年の天安門事件から30 年、台湾は民主化の実験と実践を重ねてきた。台湾海峡両岸に隔てられた二つの分断国家は、常に影響し合うポジとネガの関係にあった。複雑に絡み合う中台関係を念頭に、台湾における国府撤退以降の70 年間の軌跡を追うとともに、天安門事件の影響なども踏まえ、30 年来の民主化を検証する。
第2回10月31日(木) 「香港という視点から見た1949 年と1989 年」【村井 寛志】
詳細:中国(大陸)への返還後も、一国二制度という壁に守られて独自の社会が維持されてきた香港だが、現在大きな転換点にさしかかっていると言われる。過去において香港の大きな転換点となった、中華人民共和国建国(1949年)と天安門事件(1989 年)の香港における影響を振り返りながら、今日の香港の状況を位置づけてみたい。
第3回11月14日(木) 歴史は解釈である……五四100 周年、建国70 周年をめぐる動き【辻 康吾】
詳細:さまざまな出来事の節目の年となった2019 年、中国国内でも五四運動などの記念行事が行われてきた。しかし、こうした場で語られた五四運動などは本来のものと大きくかけ離れた面があり、そこにこそ今の中国政府が歴史をどのように解釈したいのか、さらにその解釈に基づいてどのような政権運営をしたいのかが如実に表れている。建国70 周年、天安門事件30 周年も含めて、関連する中国国内の動きから中国の今と将来を読み取ってみたい。
第4回11月28日(木) 中国インディペンデント・ドキュメンタリー最前線【秋山 珠子】
詳細:1990 年代初めに誕生した中国インディペンデント・ドキュメンタリー映画。検閲を通さない、生々しく瑞々しい映像表現は、中国のいまを大胆に切り取り、芸術表現の新たな可能性を切り拓くものとして世界的な注目を集めています。その栄光と困難に満ちた歴史と最前線をご紹介します。
第5回12月12日(木) 6・4 から何が変わり、変わらなかったのか:市民・農民の1980 年代と今【麻生晴一郎】
詳細:天安門事件で注目すべきことの1 つは、たくさんの学生が天安門広場でデモを行うことができたことであり、現在の中国ではほぼ不可能なことである。なぜ当時はデモができて、現在はできないのか?この点を取っ掛かりとして、天安門事件当時の中国と現在の中国を、大都市市民・農民たちそれぞれの暮らしや活動の変化などから比較し、中国がここ30 年間の中で変わったこと、変わらないことの確認を通じて、今後の進展を考えてみたい。
先端技術から米中摩擦まで、中国が日々話題となっています。経済発展が進み、かつてとは比べ物にならないほど豊かになった人々の姿が伝えられる一方で、あいかわらずの人権侵害や監視の強化も伝えられています。
目覚ましい変化と過去から引き継がれた課題。奇しくも中国は今年、建国後70 年、天安門事件後30 年、さらに言えば中国現代史の起点とされる五四運動から100 年にあたりますが、本講座では、この機会に少し長い時間軸からこの両面を考えたいと思います。その際、中国(大陸)と深い関わりを持つ台湾・香港や、検閲を通さないインディペンデント映画など、あまり報道されにくい分野にも焦点をあてていきます。過去を振り返りつつ、中国の現在と未来の形を探っていきたいと思います。
【講座スケジュール】
第1回10月17日(木) 「建国70 周年、天安門30 周年」もう一つの70 年、向こう側の三十年【本田 善彦】
詳細:中華人民共和国建国70 周年は、中華民国の台湾全面撤退70 周年を意味する。1989 年の天安門事件から30 年、台湾は民主化の実験と実践を重ねてきた。台湾海峡両岸に隔てられた二つの分断国家は、常に影響し合うポジとネガの関係にあった。複雑に絡み合う中台関係を念頭に、台湾における国府撤退以降の70 年間の軌跡を追うとともに、天安門事件の影響なども踏まえ、30 年来の民主化を検証する。
第2回10月31日(木) 「香港という視点から見た1949 年と1989 年」【村井 寛志】
詳細:中国(大陸)への返還後も、一国二制度という壁に守られて独自の社会が維持されてきた香港だが、現在大きな転換点にさしかかっていると言われる。過去において香港の大きな転換点となった、中華人民共和国建国(1949年)と天安門事件(1989 年)の香港における影響を振り返りながら、今日の香港の状況を位置づけてみたい。
第3回11月14日(木) 歴史は解釈である……五四100 周年、建国70 周年をめぐる動き【辻 康吾】
詳細:さまざまな出来事の節目の年となった2019 年、中国国内でも五四運動などの記念行事が行われてきた。しかし、こうした場で語られた五四運動などは本来のものと大きくかけ離れた面があり、そこにこそ今の中国政府が歴史をどのように解釈したいのか、さらにその解釈に基づいてどのような政権運営をしたいのかが如実に表れている。建国70 周年、天安門事件30 周年も含めて、関連する中国国内の動きから中国の今と将来を読み取ってみたい。
第4回11月28日(木) 中国インディペンデント・ドキュメンタリー最前線【秋山 珠子】
詳細:1990 年代初めに誕生した中国インディペンデント・ドキュメンタリー映画。検閲を通さない、生々しく瑞々しい映像表現は、中国のいまを大胆に切り取り、芸術表現の新たな可能性を切り拓くものとして世界的な注目を集めています。その栄光と困難に満ちた歴史と最前線をご紹介します。
第5回12月12日(木) 6・4 から何が変わり、変わらなかったのか:市民・農民の1980 年代と今【麻生晴一郎】
詳細:天安門事件で注目すべきことの1 つは、たくさんの学生が天安門広場でデモを行うことができたことであり、現在の中国ではほぼ不可能なことである。なぜ当時はデモができて、現在はできないのか?この点を取っ掛かりとして、天安門事件当時の中国と現在の中国を、大都市市民・農民たちそれぞれの暮らしや活動の変化などから比較し、中国がここ30 年間の中で変わったこと、変わらないことの確認を通じて、今後の進展を考えてみたい。
講師陣
名前 | 本田 善彦 |
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肩書き | 著述業、ナレーター |
プロフィール | 1966 年神戸市出身、1991 年以降台北市在住。中国広播公司の海外放送「自由中国之声」記者兼アナウンサーなどを経てフリーに。『世界』(岩波書店)、『亜州週刊』(香港・明報グループ)などに寄稿。著書に『台湾と尖閣ナショナリズム 中華民族主義の実像』(岩波書店 2016 年)『日中台視えざる絆 中国首脳通訳のみた外交秘録』(日本経済新聞社 2006 年)など。 |
名前 | 村井 寛志 |
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肩書き | 神奈川大学教授 |
プロフィール | 1971 年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得満期退学、2005 年から神奈川大学勤務。専門は中国・香港近現代史。近著に「香港における入境管理体制の形成過程(一九四七~五一)―中国・香港間の境界の生成と「広東人」」(『帝国とナショナリズムの言説空間』御茶の水書房)、「『香港人』はどのように語られてきたか」(『アジア遊学』近刊)。 |
名前 | 辻 康吾 |
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肩書き | 現代中国資料研究会代表 |
プロフィール | 1934 年東京生まれ。1959 年東京外国語大学中国語科卒、1961 年立教大学法学部卒。毎日新聞社入社。香港、北京特派員を経て編集委員。中国の国連加盟、日中国交正常化交渉、「北京の春」などを取材、1985 年東海大学教授、1999 年獨協大学教授。著書に『転換期の中国』(岩波書店)、『現代中国と文化大革命』(同、共著)、『中華曼陀羅』、『中華万華鏡』(同)。監訳に蘇暁康ら『河殤』(弘文堂)、葛兆光『中国再考』(岩波書店)、楊継縄『文化大革命五十年』(同)など。監修・共著『原典中国現代史』、『現代中国事典』(岩波書店)など。 |
名前 | 秋山 珠子 |
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肩書き | 神奈川大学助教 |
プロフィール | 東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得満期退学、東京大学助手を経て現職。思想・映画・美術がクロスオーバーする領域の研究を手掛けつつ、1990 年代初めより中国のアートシーンを担う映画監督、芸術家、キュレーターらと親交を結び、翻訳・通訳を通して、彼らの活動を積極的に支援する。主な字幕翻訳作品に、王兵『鉄西区』(2003)、杜海浜『青年★趙』(2015)など。 |
名前 | 麻生 晴一郎 |
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肩書き | ルポライター・AsiaCommons 主宰 |
プロフィール | 1966 年福岡県生まれ。東京大学国文科在学中、中国ハルビンにおいて行商人用の格安宿でアルバイト生活を体験、農村出身の出稼ぎ労働者との交流を深める。現在は日本語と中国語の媒体で中国社会や日中市民交流について執筆。2013 年に『中国の草の根を探して』で「第1 回潮アジア・太平洋ノンフィクション賞」を受賞。また中国内陸部から草の根の市民活動家を招く「日中市民交流対話プロジェクト」、都内団地での異文化交流サロン「アジア図書館カフェ」を運営。 主な単著:『北京芸術村:抵抗と自由の日々』(社会評論社)、『こころ熱く武骨でうざったい中国』(情報センター出版局)、『反日、暴動、バブル:新聞・テレビが報じない中国』(光文社新書)、『中国人は日本人を本当はどう見ているのか?』(宝島社新書)、『変わる中国「草の根」の現場を訪ねて』(潮出版社)等。 |