講座詳細情報
申し込み締切日:2018-11-06 / 心理:その他教養 / 学内講座コード:18B1611901
装束でたどる天皇の生涯
- 開催日
- 11月 7日(水)、11月14日(水)、11月21日(水)、12月 5日(水)、12月12日(水)、12月19日(水)、 1月16日(水)、 1月23日(水)、 2月13日(水)、 2月20日(水)
- 講座回数
- 10回
- 時間
- 13:00~14:30
- 講座区分
- 後期
- 入学金
- -
- 受講料
- 15,500円
- 定員
- 50
- その他
- 13900(※料金は、神奈川大学生・卒業生等および横浜市交流協議会加盟大学在学生に適用される料金です)
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
関連講座
講座詳細
【講座内容】
摂関期に成立した公家男子装束には、朝廷や天皇に関わる際に着用が義務づけられた公服として礼服・束帯・衣冠がある。また、私服には布袴・直衣・狩衣・小直衣・水干等があり、これらは着用者の身分などで公服ともなった。一方、僧侶の公服・正装には法服・鈍色・裘袋等の法体装束がある。こうした装束には公服を中心として可視的身分標識という重要な役割があり、身分や職掌で着用できる装束が定まっており、いつ何を着用すべきかについての複雑な故実がある。そうした装束の性質や役割をもっとも体現するのが天皇装束である。天皇はその生涯の節目ごとに着用する装束が限定されており、装束の変化で臣下に自らの立場を鮮明に示した。本講座では前近代の天皇の生涯を装束の変遷でたどっていく。
【講座スケジュール】
第1回11月 7日(水) 天皇の生涯
詳細:天皇( 天皇となるべき人) は誕生後、最長で皇子・親王・東宮・天皇・上皇・法皇と立場を変えて生涯をたどる。その間、親王宣下・立太子・践祚・即位・譲位・出家という節目を経る。日常生活を含め、こうした天皇の生涯について講義する。
第2回11月14日(水) 公家装束の総論と基礎事項
詳細:天皇装束といっても、結局は公家男子装束であり、法体装束である。そこで天皇装束を理解する前提として、公家装束の総論と基礎事項について講義する。
第3回11月21日(水) 即位式と礼服
詳細:即位式は新たな天皇が位に就いたことを天下に告知する儀礼である。その際、儀礼参加の天皇以下臣下の一部は礼服という特殊装束を着用した。この礼服は本来は元旦の朝賀という儀礼でも着用されたが、摂関期以降は即位式限定となり、明治天皇の即位式で廃止された。この礼服の消長と特徴について講義する。
第4回12月 5日(水) 公事と束帯
詳細:摂関期以降の朝廷の儀礼や政務を公事と総称する。公事では天皇は束帯を着用した。束帯は礼服を除けば、天皇以下公家・武家を含む男子の最正装である。天皇の束帯と臣下のそれの最大の相違点は、上着である袍の色と文様である。天皇は正式には黄櫨染袍、略儀で青色袍を着用し、神事では斎服・帛御衣という白束帯を着用した。この束帯について2回にわたって講義する。
第5回12月12日(水) 公事と束帯
詳細:摂関期以降の朝廷の儀礼や政務を公事と総称する。公事では天皇は束帯を着用した。束帯は礼服を除けば、天皇以下公家・武家を含む男子の最正装である。天皇の束帯と臣下のそれの最大の相違点は、上着である袍の色と文様である。天皇は正式には黄櫨染袍、略儀で青色袍を着用し、神事では斎服・帛御衣という白束帯を着用した。この束帯について2回にわたって講義する。
第6回12月19日(水) 日常生活と御引直衣
詳細:直衣は上級貴族層の私服であり、雑袍宣旨を得れば、直衣のまま日常参内が可能となった。一方、天皇は公事以外の日常生活では御引直衣という特殊な着用法の直衣を着用し、臣下と同様の直衣を着用する機会は年間2回程しかなかった。この御引直衣について通常の直衣と比較しつつ講義する。
第7回 1月16日(水) 譲位と御布衣始
詳細:天皇は在位の間は、被り物は冠だけで烏帽子は被らない。しかし、譲位して上皇となると烏帽子を被り、臣下同様に烏帽子対応装束である直衣・狩衣・小直衣・水干などを着用した。そのための節目の儀礼を御布衣始という。この御布衣始という儀礼について講義する。
第8回 1月23日(水) 上皇の装束
詳細:御布衣始後の上皇の装束は基本的には臣下と同様であるが、上級貴族層の一員として直衣や小直衣を着用する一方で、中・下流貴族層や庶民の私服である狩衣や水干までをも着用した。こうした上皇装束について講義する。
第9回 2月13日(水) 法皇の装束
詳細:上皇が出家すると法皇となる。法皇となれば法体装束を着用することになる。法体装束にも様々な種類があるが、法皇が着用するのは法服・鈍色・裘袋などである。このうち法服が正装、鈍色・裘袋が略装であり、臣下の法体装束と原則的には違いはない。この法体装束について2回わたって講義する。
第10回 2月20日(水) 法皇の装束
詳細:上皇が出家すると法皇となる。法皇となれば法体装束を着用することになる。法体装束にも様々な種類があるが、法皇が着用するのは法服・鈍色・裘袋などである。このうち法服が正装、鈍色・裘袋が略装であり、臣下の法体装束と原則的には違いはない。この法体装束について2回わたって講義する。
摂関期に成立した公家男子装束には、朝廷や天皇に関わる際に着用が義務づけられた公服として礼服・束帯・衣冠がある。また、私服には布袴・直衣・狩衣・小直衣・水干等があり、これらは着用者の身分などで公服ともなった。一方、僧侶の公服・正装には法服・鈍色・裘袋等の法体装束がある。こうした装束には公服を中心として可視的身分標識という重要な役割があり、身分や職掌で着用できる装束が定まっており、いつ何を着用すべきかについての複雑な故実がある。そうした装束の性質や役割をもっとも体現するのが天皇装束である。天皇はその生涯の節目ごとに着用する装束が限定されており、装束の変化で臣下に自らの立場を鮮明に示した。本講座では前近代の天皇の生涯を装束の変遷でたどっていく。
【講座スケジュール】
第1回11月 7日(水) 天皇の生涯
詳細:天皇( 天皇となるべき人) は誕生後、最長で皇子・親王・東宮・天皇・上皇・法皇と立場を変えて生涯をたどる。その間、親王宣下・立太子・践祚・即位・譲位・出家という節目を経る。日常生活を含め、こうした天皇の生涯について講義する。
第2回11月14日(水) 公家装束の総論と基礎事項
詳細:天皇装束といっても、結局は公家男子装束であり、法体装束である。そこで天皇装束を理解する前提として、公家装束の総論と基礎事項について講義する。
第3回11月21日(水) 即位式と礼服
詳細:即位式は新たな天皇が位に就いたことを天下に告知する儀礼である。その際、儀礼参加の天皇以下臣下の一部は礼服という特殊装束を着用した。この礼服は本来は元旦の朝賀という儀礼でも着用されたが、摂関期以降は即位式限定となり、明治天皇の即位式で廃止された。この礼服の消長と特徴について講義する。
第4回12月 5日(水) 公事と束帯
詳細:摂関期以降の朝廷の儀礼や政務を公事と総称する。公事では天皇は束帯を着用した。束帯は礼服を除けば、天皇以下公家・武家を含む男子の最正装である。天皇の束帯と臣下のそれの最大の相違点は、上着である袍の色と文様である。天皇は正式には黄櫨染袍、略儀で青色袍を着用し、神事では斎服・帛御衣という白束帯を着用した。この束帯について2回にわたって講義する。
第5回12月12日(水) 公事と束帯
詳細:摂関期以降の朝廷の儀礼や政務を公事と総称する。公事では天皇は束帯を着用した。束帯は礼服を除けば、天皇以下公家・武家を含む男子の最正装である。天皇の束帯と臣下のそれの最大の相違点は、上着である袍の色と文様である。天皇は正式には黄櫨染袍、略儀で青色袍を着用し、神事では斎服・帛御衣という白束帯を着用した。この束帯について2回にわたって講義する。
第6回12月19日(水) 日常生活と御引直衣
詳細:直衣は上級貴族層の私服であり、雑袍宣旨を得れば、直衣のまま日常参内が可能となった。一方、天皇は公事以外の日常生活では御引直衣という特殊な着用法の直衣を着用し、臣下と同様の直衣を着用する機会は年間2回程しかなかった。この御引直衣について通常の直衣と比較しつつ講義する。
第7回 1月16日(水) 譲位と御布衣始
詳細:天皇は在位の間は、被り物は冠だけで烏帽子は被らない。しかし、譲位して上皇となると烏帽子を被り、臣下同様に烏帽子対応装束である直衣・狩衣・小直衣・水干などを着用した。そのための節目の儀礼を御布衣始という。この御布衣始という儀礼について講義する。
第8回 1月23日(水) 上皇の装束
詳細:御布衣始後の上皇の装束は基本的には臣下と同様であるが、上級貴族層の一員として直衣や小直衣を着用する一方で、中・下流貴族層や庶民の私服である狩衣や水干までをも着用した。こうした上皇装束について講義する。
第9回 2月13日(水) 法皇の装束
詳細:上皇が出家すると法皇となる。法皇となれば法体装束を着用することになる。法体装束にも様々な種類があるが、法皇が着用するのは法服・鈍色・裘袋などである。このうち法服が正装、鈍色・裘袋が略装であり、臣下の法体装束と原則的には違いはない。この法体装束について2回わたって講義する。
第10回 2月20日(水) 法皇の装束
詳細:上皇が出家すると法皇となる。法皇となれば法体装束を着用することになる。法体装束にも様々な種類があるが、法皇が着用するのは法服・鈍色・裘袋などである。このうち法服が正装、鈍色・裘袋が略装であり、臣下の法体装束と原則的には違いはない。この法体装束について2回わたって講義する。
講師陣
名前 | 近藤 好和 |
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肩書き | 國學院大学大学院非常勤講師、千葉県刀剣・銃砲等登録審査委員 |
プロフィール | 1957 年神奈川県生まれ。1987 年國學院大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得。博士(文学・広島大学)。著書に、『弓矢と刀剣』『中世的武具の成立と武士』『騎兵と歩兵の中世史』(以上、吉川弘文館)、『源義経』(ミネルヴァ書房)、『装束の日本史』『武具の日本史』(以上、平凡社新書)、『日本古代の武具 『国家珍宝帳』と正倉院の器仗』( 思文閣出版)、『朝廷儀礼の文化史』( 臨川書店) などがある。 |