講座詳細情報
申し込み締切日:2017-05-18 / 政治:その他教養 / 学内講座コード:17A1610801
大転換期のヨーロッパ その2 英国のEU 離脱選択、移民・難民の社会受け入れの課題、政治に変革の波(かながわ大学生涯学習推進協議会共同公開講座)
- 開催日
- 5月19日(金)、 5月26日(金)、 6月 9日(金)、 6月16日(金)、 6月23日(金)、 6月30日(金)、 7月 7日(金)
- 講座回数
- 7回
- 時間
- 14:00~15:30
- 講座区分
- 前期
- 入学金
- -
- 受講料
- 11,000円
- 定員
- 50
- その他
- 9900(※料金は、神奈川大学生・卒業生等および横浜市交流協議会加盟大学在学生に適用される料金です)
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
関連講座
講座詳細
【講座内容】
今回の「その2」は前年の大転換期のヨーロッパに続く7回シリーズ。2016 年6月の英国のEU離脱選択、EUの動向は一つの焦点。離脱は欧州統合発足以来初めてのケース。離脱に伴う影響の一つに貿易・投資の問題がある。英国に進出した日本を含む外国企業は今後の推移で他国への移転も。戦後初めての大量の移民・難民の欧州への流入。ドイツの受け入れは群を抜くが、市民の反発の中でどう社会に定着するか。ポピュリズムが台頭。EUの政治への波及はどうか。イタリアで昨年末、憲法改正案が国民投票で否決、政局の焦点は17 年のEU 主要国仏独の国政選挙。また、トランプ現象など欧米的価値が揺らぎ始める中、新時代の欧州統合について、統合と分断の考察を試みる。温室効果ガス削減の新たな国際的枠組みに貢献したEUの環境政策、それにユーロは崩壊しないという論理も紹介する。
【講座スケジュール】
第1回 5月19日(金) パワーシフト、ヨーロッパの分断と統合
詳細:欧州は歴史的転換の時代を迎えている。イギリスのEU 離脱、トランプ大統領の誕生の中、欧州では右派が急成長している。ロシアのシリア空爆はさらなる難民の拡大を産む。欧州選挙の年、市民はいかなる判断を下すのか。内部分裂し新たな市場を求めてアジア、ロシアに接近する欧州右派の国際関係をも検討する。
第2回 5月26日(金) 英国のEU 離脱とイギリス政治
詳細:イギリス国民はなぜEU 離脱を選択したのか。そこに移民への反発や政治不信といった要素はどう絡んでいるのか。イギリスにおける有権者の多様性を念頭に、EU 離脱を選択したイギリス国民の多様な不満の源泉と政党政治の関係性を考える。
第3回 6月 9日(金) 欧州の移民難民受け入れの問題
詳細:フランス、ドイツなどヨーロッパ主要国は移民・難民受け入れの長い伝統をもち、経済の活性化と多文化的豊かさを実現してきた。そのことを踏まえ、この伝統をどう維持できるか、EU の「人の自由移動」政策はどう今日の現実と調和できるか、を考えてみたい。
第4回 6月16日(金) 英国のEU 離脱に伴う欧州ビジネス環境の変化
詳細:2016 年6 月の英国でのEU 離脱に関する国民投票を経て、同国でのビジネス環境の先行きに関し、不透明性が高まっている。日本貿易振興機構(ジェトロ)が同年9 ~ 10 月に実施した在欧日系企業へのアンケート調査も踏まえて、主に在英日系企業が直面する課題を中心に解説する。
第5回 6月23日(金) EU に新たな政治の変革の波
詳細:憲法改正の国民投票は、北部が賛成、南部がノンの南北問題で否決されたが背景には新興右派「5つ星運動」の台頭がある。一方ドイツで、2016 年9 月の州議会選挙で、メルケル首相の地元で率いるCDU が3位に転落。2017年予定のフランスの大統領、国民議会、ドイツの連邦議会の選挙が焦点。
第6回 6月30日(金) EU の環境政策
詳細:欧州における環境保護法規は、バルト海汚染を契機としたスウェーデンの環境保護法を嚆矢とし、1972 年の国連ストックホルム会議以降、いくつかの条約等を経て、2016 年のパリ条約に至る。今後はEU 域外との協調が不可欠であり、ここで合意されたSBT 目標(-2℃)達成に向けた国際的な動きにどのように貢献するかが課題となる。
第7回 7月 7日(金) ユーロは絶対崩壊しない
詳細:2016 年の世界は、イギリスのEU 離脱にアメリカの風雲児トランプ氏の勝利と、想定外の出来事に揺さぶられた。2017 年、ヨ―ロッパ大陸のEU は、ポピュリズムの台頭をしのぎつつ、仏独の二大選挙をへて、メルケル独首相率いるユーロ圏の確立に向かう。
今回の「その2」は前年の大転換期のヨーロッパに続く7回シリーズ。2016 年6月の英国のEU離脱選択、EUの動向は一つの焦点。離脱は欧州統合発足以来初めてのケース。離脱に伴う影響の一つに貿易・投資の問題がある。英国に進出した日本を含む外国企業は今後の推移で他国への移転も。戦後初めての大量の移民・難民の欧州への流入。ドイツの受け入れは群を抜くが、市民の反発の中でどう社会に定着するか。ポピュリズムが台頭。EUの政治への波及はどうか。イタリアで昨年末、憲法改正案が国民投票で否決、政局の焦点は17 年のEU 主要国仏独の国政選挙。また、トランプ現象など欧米的価値が揺らぎ始める中、新時代の欧州統合について、統合と分断の考察を試みる。温室効果ガス削減の新たな国際的枠組みに貢献したEUの環境政策、それにユーロは崩壊しないという論理も紹介する。
【講座スケジュール】
第1回 5月19日(金) パワーシフト、ヨーロッパの分断と統合
詳細:欧州は歴史的転換の時代を迎えている。イギリスのEU 離脱、トランプ大統領の誕生の中、欧州では右派が急成長している。ロシアのシリア空爆はさらなる難民の拡大を産む。欧州選挙の年、市民はいかなる判断を下すのか。内部分裂し新たな市場を求めてアジア、ロシアに接近する欧州右派の国際関係をも検討する。
第2回 5月26日(金) 英国のEU 離脱とイギリス政治
詳細:イギリス国民はなぜEU 離脱を選択したのか。そこに移民への反発や政治不信といった要素はどう絡んでいるのか。イギリスにおける有権者の多様性を念頭に、EU 離脱を選択したイギリス国民の多様な不満の源泉と政党政治の関係性を考える。
第3回 6月 9日(金) 欧州の移民難民受け入れの問題
詳細:フランス、ドイツなどヨーロッパ主要国は移民・難民受け入れの長い伝統をもち、経済の活性化と多文化的豊かさを実現してきた。そのことを踏まえ、この伝統をどう維持できるか、EU の「人の自由移動」政策はどう今日の現実と調和できるか、を考えてみたい。
第4回 6月16日(金) 英国のEU 離脱に伴う欧州ビジネス環境の変化
詳細:2016 年6 月の英国でのEU 離脱に関する国民投票を経て、同国でのビジネス環境の先行きに関し、不透明性が高まっている。日本貿易振興機構(ジェトロ)が同年9 ~ 10 月に実施した在欧日系企業へのアンケート調査も踏まえて、主に在英日系企業が直面する課題を中心に解説する。
第5回 6月23日(金) EU に新たな政治の変革の波
詳細:憲法改正の国民投票は、北部が賛成、南部がノンの南北問題で否決されたが背景には新興右派「5つ星運動」の台頭がある。一方ドイツで、2016 年9 月の州議会選挙で、メルケル首相の地元で率いるCDU が3位に転落。2017年予定のフランスの大統領、国民議会、ドイツの連邦議会の選挙が焦点。
第6回 6月30日(金) EU の環境政策
詳細:欧州における環境保護法規は、バルト海汚染を契機としたスウェーデンの環境保護法を嚆矢とし、1972 年の国連ストックホルム会議以降、いくつかの条約等を経て、2016 年のパリ条約に至る。今後はEU 域外との協調が不可欠であり、ここで合意されたSBT 目標(-2℃)達成に向けた国際的な動きにどのように貢献するかが課題となる。
第7回 7月 7日(金) ユーロは絶対崩壊しない
詳細:2016 年の世界は、イギリスのEU 離脱にアメリカの風雲児トランプ氏の勝利と、想定外の出来事に揺さぶられた。2017 年、ヨ―ロッパ大陸のEU は、ポピュリズムの台頭をしのぎつつ、仏独の二大選挙をへて、メルケル独首相率いるユーロ圏の確立に向かう。
講師陣
名前 | 羽場 久美子 |
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肩書き | 青山学院大学国際政治経済学部教授 |
プロフィール | 津田塾大学大学院博士課程修了(国際関係学博士)、ハーバード大学、ロンドン大学、パリ大学客員研究員。専門は国際政治学、欧州の分断と統合、ナショナリズム。世界国際関係学会(ISA)副会長、国際フォーラム参与、東アジア共同体評議会副議長。著書に『ヨーロッパの分断と統合』(中央公論新社)『グローバル時代のアジア地域統合』(岩波書店)『国際政治から考える東アジア共同体』(ミネルヴァ)、『EU を知る63章』(明石書店)ほか多数。 |
名前 | 若松 邦弘 |
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肩書き | 東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授 |
プロフィール | 東京大学教養学部卒業、同大学院総合文化研究科修士課程およびウォーリック大学大学院博士課程修了(政治学博士)。東京大学助手、東京外国語大学助教授を経て現職。専門は西欧政治、イギリス政治。本テーマの関係論考に「自由主義右派の政党組織化-連合王国独立党(UKIP)の展開と政党政治上の意味」(『国際関係論叢』)など。 |
名前 | 宮島 喬 |
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肩書き | お茶の水女子大学名誉教授 |
プロフィール | 東京大学文学部社会学科卒業、同大学院社会学研究科博士課程中退、著書に『文化的再生産の社会学』(藤原書店)、『一つのヨーロッパ いくつものヨーロッパ』『ヨーロッパ社会の試練』(以上、東大出版会)、『移民社会フランスの危機』『多文化であることとは』(以上、岩波書店)ほか。 |
名前 | 田中 晋 |
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肩書き | 日本貿易振興機構(ジェトロ)海外調査部欧州ロシアCIS課長 |
プロフィール | 獨協大学外国語学部フランス語学科卒業後、日本貿易振興会(現・日本貿易振興機構)入会。パリ事務所(フランス調査担当など)および2 度のブリュッセル事務所(EU 調査担当次長)勤務を経て、2016 年10 月から2 度目の海外調査部欧州ロシアCIS 課長。著書は「欧州経済の基礎知識」(編著、日本貿易振興機構)など。 |
名前 | 石井 伸一 |
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肩書き | ヨーロッパ問題研究者 |
プロフィール | 1959 年早稲田大学商学部卒業。NHK 入局。ヨーロッパ総局(パリ)特派員(ドゴール外交中心に取材、報道)、ローマ支局長。1995 年神奈川大学特任教授、ヨーロッパ経済論、EU 論を担当。2005 年退職後、欧州政治、経済を中心に研究。主要著書に『現代欧州統合論』(白桃書房)、『新EU 論(初版、改訂版、増補改訂版)』(共著、新評論)。他に訳書などがある。 |
名前 | 箱木 眞澄 |
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肩書き | 東北大学名誉教授、広島経済大学名誉教授 |
プロフィール | 大阪外国語大学英語学科卒業。大阪大学大学院経済学研究科博士課程中退。共編著;『国際産業調整』(晃洋書房)、Economics of the Socialist Countries(Maruzen), 共訳書;『欧州合衆国の誕生』(文眞堂)、『マンデル 国際経済学』(ダイヤモンド社)、論文;「EU の環境政策と東欧諸国の対応」(広島大学・地域経済システム研究センター編『地方分権型社会の実現と地域経営』)他多数。 |
名前 | 伴野 文夫 |
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肩書き | 元NHKボン特派員、元杏林大学教授 |
プロフィール | 1933 生まれ、東京大学文学部西洋史卒業。NHK に入り、国際経済を担当。1968 年ブリュッセル、1972 年パリ、1981年当時西ドイツの首都ボンに駐在。帰国後、解説委員。1995~ 2001 年まで杏林大学教授。著署『EC= ヨーロッパ九つの顔』(1974)、『ユーロは絶対に崩壊しない』(2016)、訳書『EUを創った男・ドロール』(1995)。 |