講座詳細情報
申し込み締切日:2015-06-02 / IT:その他教養 / 学内講座コード:15A1612301
人間の色情報処理とデジタルカラー処理
- 開催日
- 6月16日(火)、 6月23日(火)、 6月30日(火)、 7月 7日(火)、 7月14日(火)、 7月21日(火)
- 講座回数
- 6回
- 時間
- 19:00~20:30
- 講座区分
- 前期
- 入学金
- -
- 受講料
- 9,500円
- 定員
- 30
- その他
- 8500(※料金は、神奈川大学生・卒業生等および横浜市交流協議会加盟大学在学生に適用される料金です)
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
関連講座
講座詳細
【講座内容】
多くの人にとって色は物ごころついた時から周囲にあり、しかもその色、たとえば青空の色やミカンの色、はいつ見てもあまり変わりません。そのため私たちに色が見えるのは当たり前と思われがちです。しかし色も、私たちが友人の顔を同定したり、文字を理解したりするのと同じように、眼と大脳の共同作業による視覚情報処理の結果なのです。本講座では私たちはどのようにして色の情報を処理し、最終的に色が見えるのかについて考えます。
最近の色は機械で処理し、表現または再現することが多くなりました。こうしたデジタルカラー処理についても、人間の色情報処理と比較しつつ、考えてみたいと思います。デジカメやプリンターの色再現の仕組みはどうなっているのでしょうか。
【講座スケジュール】
第1回 6月16日(火) 私たちに色が見える仕組み 【三星 宗雄】
詳細:多くの人にとって生まれて以来、周囲には色がついているので(見えるので)、私たちは色が見えるのは当たり前と思っているかも知れません。しかし本当はどのような仕組みで色が見えるのでしょうか。ここでは私たちの眼(網膜)-神経系-大脳という経路を辿りながら、色が見えるメカニズムについて考えます。
第2回 6月23日(火) 動物は色が見えるか 【三星 宗雄】
詳細:ミツバチは紫外線が見える(厳密には紫外線によって人間には見えない色が見える)と言われます。それはどのような事実に基づいているでしょうか。家畜動物(イヌやウシなど)は長い間色が見えないのではないかと思われてきました。しかし実際には何がしかの色は見えるようです。動物の色覚については今も不明な点が多いのですが、ぜひ整理してみたいと思います。
第3回 6月30日(火) 色覚障害とカラーユニバーサルデザイン 【三星 宗雄】
詳細:私たち人間の全員が同じように色が見えているわけではありません。厳密には誰も同じ見え方をしていないとも言えます。しかし色の見え方が他の人と顕著に異なる人たちがいます。色の見え方を色覚の型と言いますが、人間の色覚の型は数種類が知られています。多くの人(日本人の場合は約95%)は正常色覚という型です。残りの5% の型は全体として色覚障害と呼ばれます。この色覚障害の発現の仕組みと、そうした型の持主が「色彩弱者」とならないような取り組みであるカラーユニバーサルデザインについて考えます。
第4回 7月 7日(火) モニタ、デジカメによる色表現 【畑田 明信】
詳細:モニタの出力やデジカメで撮影した画像では、RGB を用いて色が表現されています。プリンターではCMYK が使われます。これに対し、L*a*b*(Adobe Photoshop などではLab という表記となっている) といった別の表現方法があります。これらの違いと関係について、まず、お話をします。さらに、Adobe RGB とsRGB という、実際のモニタのカタログやコンピュータソフトウェアで見かける規格についての解説を行います。また、実際の画面出力や写真画像における表現に関係する色深度、ガンマ補正、解像度について解説を加えます。最後に、これらの情報と心理学を応用した事例として、JPEG による画像圧縮を取上げます。
第5回 7月14日(火) プリンターによる色表現とカラーマッチング 【畑田 明信】
詳細:プリンターは、モニタなどと異なり、CMYK と呼ばれる4 色のインクを混合することで全ての色を表現しています。6 色、7 色といった、より多数のインクを用いるプリンターも基本は同じです。こうしたプリンターを用いた色の表現方法として、擬似諧調の表現方法を取り上げます。また、多色のインクを利用する利点についても解説を行います。プリンターで出力した写真が画面で見るのと異なるという事はよくあると思いますが、どのようにするとこれらを近い感覚で見ることができるのか探るために、モニタの調整方法とプリント画像のユーザー評価方法についてお話をします。
第6回 7月21日(火) コンピュータによる画像処理 【畑田 明信】
詳細:Photoshop のような画像レタッチソフトを利用した画像処理は様々な種類のものがありますが、ここでは、色データを基本とした画像処理の基本的な考え方と手法について解説を行います。色の調整では、一般論として、綺麗に見えやすい色の調整方法をヒストグラムを使って解説してみます。切抜きでは塗りつぶし領域を如何に確保するかが一つのポイントになります。上手に切り抜く方法には幾つかのアプローチがありますが、ここでは、色を調整することで塗りつぶし領域を作成する方法について解説をします。また、実際の画面出力や写真画像における表現に関係する色深度、ガンマ補正、解像度について解説を加えます。最後に、これらの情報と心理学を応用した事例として、JPEG による画像圧縮を取り上げます。
多くの人にとって色は物ごころついた時から周囲にあり、しかもその色、たとえば青空の色やミカンの色、はいつ見てもあまり変わりません。そのため私たちに色が見えるのは当たり前と思われがちです。しかし色も、私たちが友人の顔を同定したり、文字を理解したりするのと同じように、眼と大脳の共同作業による視覚情報処理の結果なのです。本講座では私たちはどのようにして色の情報を処理し、最終的に色が見えるのかについて考えます。
最近の色は機械で処理し、表現または再現することが多くなりました。こうしたデジタルカラー処理についても、人間の色情報処理と比較しつつ、考えてみたいと思います。デジカメやプリンターの色再現の仕組みはどうなっているのでしょうか。
【講座スケジュール】
第1回 6月16日(火) 私たちに色が見える仕組み 【三星 宗雄】
詳細:多くの人にとって生まれて以来、周囲には色がついているので(見えるので)、私たちは色が見えるのは当たり前と思っているかも知れません。しかし本当はどのような仕組みで色が見えるのでしょうか。ここでは私たちの眼(網膜)-神経系-大脳という経路を辿りながら、色が見えるメカニズムについて考えます。
第2回 6月23日(火) 動物は色が見えるか 【三星 宗雄】
詳細:ミツバチは紫外線が見える(厳密には紫外線によって人間には見えない色が見える)と言われます。それはどのような事実に基づいているでしょうか。家畜動物(イヌやウシなど)は長い間色が見えないのではないかと思われてきました。しかし実際には何がしかの色は見えるようです。動物の色覚については今も不明な点が多いのですが、ぜひ整理してみたいと思います。
第3回 6月30日(火) 色覚障害とカラーユニバーサルデザイン 【三星 宗雄】
詳細:私たち人間の全員が同じように色が見えているわけではありません。厳密には誰も同じ見え方をしていないとも言えます。しかし色の見え方が他の人と顕著に異なる人たちがいます。色の見え方を色覚の型と言いますが、人間の色覚の型は数種類が知られています。多くの人(日本人の場合は約95%)は正常色覚という型です。残りの5% の型は全体として色覚障害と呼ばれます。この色覚障害の発現の仕組みと、そうした型の持主が「色彩弱者」とならないような取り組みであるカラーユニバーサルデザインについて考えます。
第4回 7月 7日(火) モニタ、デジカメによる色表現 【畑田 明信】
詳細:モニタの出力やデジカメで撮影した画像では、RGB を用いて色が表現されています。プリンターではCMYK が使われます。これに対し、L*a*b*(Adobe Photoshop などではLab という表記となっている) といった別の表現方法があります。これらの違いと関係について、まず、お話をします。さらに、Adobe RGB とsRGB という、実際のモニタのカタログやコンピュータソフトウェアで見かける規格についての解説を行います。また、実際の画面出力や写真画像における表現に関係する色深度、ガンマ補正、解像度について解説を加えます。最後に、これらの情報と心理学を応用した事例として、JPEG による画像圧縮を取上げます。
第5回 7月14日(火) プリンターによる色表現とカラーマッチング 【畑田 明信】
詳細:プリンターは、モニタなどと異なり、CMYK と呼ばれる4 色のインクを混合することで全ての色を表現しています。6 色、7 色といった、より多数のインクを用いるプリンターも基本は同じです。こうしたプリンターを用いた色の表現方法として、擬似諧調の表現方法を取り上げます。また、多色のインクを利用する利点についても解説を行います。プリンターで出力した写真が画面で見るのと異なるという事はよくあると思いますが、どのようにするとこれらを近い感覚で見ることができるのか探るために、モニタの調整方法とプリント画像のユーザー評価方法についてお話をします。
第6回 7月21日(火) コンピュータによる画像処理 【畑田 明信】
詳細:Photoshop のような画像レタッチソフトを利用した画像処理は様々な種類のものがありますが、ここでは、色データを基本とした画像処理の基本的な考え方と手法について解説を行います。色の調整では、一般論として、綺麗に見えやすい色の調整方法をヒストグラムを使って解説してみます。切抜きでは塗りつぶし領域を如何に確保するかが一つのポイントになります。上手に切り抜く方法には幾つかのアプローチがありますが、ここでは、色を調整することで塗りつぶし領域を作成する方法について解説をします。また、実際の画面出力や写真画像における表現に関係する色深度、ガンマ補正、解像度について解説を加えます。最後に、これらの情報と心理学を応用した事例として、JPEG による画像圧縮を取り上げます。
講師陣
名前 | 三星 宗雄 |
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肩書き | 神奈川大学人間科学部教授 |
プロフィール | 1950年生まれ。千葉大学人文学部(心理学専攻)卒業。東京大学大学院人文科学研究科博士課程(心理学専門課程)修了。博士(心理学)。専門は色彩心理学、環境色彩学、実験心理学。著書に『色彩の快:その心理と倫理』(2014年)、『世界の色の記号:自然・言語・文化の諸相』(2011年)、『色の心理学』(2008年)、『環境色彩学の基礎』(2006年)などがある。環境色彩研究の一環として、公共のトイレおよび自動販売機の色・デザインについてデータ収集を続けている。最近は縞模様(ストライプパターン)の認知的、心理的、社会的意味に強い関心を持つ。色彩倫理学の従事者。 |
名前 | 畑田 明信 |
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肩書き | 色彩心理学研究者 |
プロフィール | 1968年生まれ。神奈川大学人間科学研究科博士課程在籍(応用実験心理学)。修士(人間科学)。専門は色彩心理学、環境色彩学、実験心理学。人工知能の手法を応用したカラーマッチングに関連する開発を行う為に色彩計測器のソフトウェアを開発。この時期パソコン用のプリンターやモニタがフルカラー化されるにあたり、Macintosh用の雑誌に数多くのプリンタ・モニタのレビューを執筆する。現在は、三星教授の指導の下、心理学実験用ソフトウェアの開発および画像の類似性等の色彩心理学の研究に従事している。 |