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講座詳細情報

申し込み締切日:2015-06-25 / その他教養 / 学内講座コード:15A1611601

色彩の力

主催:神奈川大学神奈川大学 KUポートスクエア (みなとみらいキャンパス)(神奈川県)]
問合せ先:生涯学習エクステンション講座 TEL:045-682-5553
開催日
6月26日(金)、 7月 3日(金)、 7月10日(金)、 7月17日(金)、 7月24日(金)
講座回数
5回
時間
15:00~16:30
講座区分
前期 
入学金
 - 
受講料
8,000円
定員
30
その他
7200(※料金は、神奈川大学生・卒業生等および横浜市交流協議会加盟大学在学生に適用される料金です)
補足
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※この講座の申し込みは既に締め切りました。

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講座詳細

【講座内容】
2014 年のノーベル物理学賞は青色LED の開発で3 人の日本人研究者が受賞しました。青色LED の色彩の分野への最大の貢献は、すでに開発されている赤色LED と緑色LED とともに光の3 原色が揃い、その組合せによって全ての色を作り出すことができるようになったことです。
しかし青色はそれだけではなく、他のさまざまな分野でその活用が期待されています。その中には防犯効果やリラックス効果(自殺予防)や覚醒効果、青色学習効果、陸上競技場の青色トラック、さらには食欲抑制効果などがあります。ただ現時点ではそれらの効果について必ずしも評価が定まっていないのが実情です。
赤色は青色以上に強烈な力を持っています。青色の物理的な補色は緑色(厳密には青緑)ですが、感情的なまたはイメージの上での反対の色は青色です。
最近知能テストの際に、問題用紙に赤色、緑色または黒色で番号が振られた3 つのグループに分けたところ、試験前に赤色を見たグループがもっとも成績が悪いという結果が報告されました(負のプライミング効果)。また問題集の表紙を赤色、緑色、および黒色にしたところ、やはり直前に赤色を見た赤色表紙のグループが成績がもっとも悪かったという報告もあります。しかしこれに関して有意な差は見られないという結果もあります。
また赤色と青色の効果に関して、赤色は細かい仕事をする場合に(例 校正作業)有効であり、一方青色は創造性が求められるような場合に効果があるともされています。
本講座では、色彩、特に青色と赤色、が持つさまざまな促進的なまたは抑制的な力について考えます。

【講座スケジュール】
第1回 6月26日(金) 色のプライミング効果と色のイメージ・意味 【三星 宗雄】
詳細:プライミング効果とは、先行する刺激(プライマー)の処理によって、後続刺激(ターゲット)の処理が促進または抑制される効果と定義されます。上に挙げた例も一種の色によるプライミング効果です。色のプライミング効果は色の持つイメージや意味と深い関係があります。ここでは色のプライミング効果に関する最近の研究と色が持つイメージ、色の象徴(シンボル)および意味の相互関係について考えます。

第2回 7月 3日(金) 色の生理的効果 【三星 宗雄】
詳細:色光は人間の心理や生理に影響を及ぼします。いや人間など動物だけでなく、植物の栽培にも利用されています。季節性感情障害(SAD)と呼ばれる症状(冬季にうつ状態となる)が見られるし、またその治療法の高照度光療法では短波長(青色)から中波長(緑色光)が有効とされています。必ずしも説が一定しているとは言えませんが、青色は自律神経系の副交感神経にはたらきかけ、血圧や心拍数を下げるという報告があります(赤は逆)。また中枢神経系にはたらきかけ、覚醒効果があるとも言われます(鎮静効果という説も)。ここではそうしたさまざまな色光が持つ生理的な効果について考えます。

第3回 7月10日(金) 色のトーン:イメージと色合わせ 【堀見 葉子】
詳細:色のトーン(調子)はもともと音のトーンから来ています。色のトーンは明るさ(明度)と鮮やかさ(彩度)の2 つの組合せによって分けられた色のまとまりです。それには1 つ1 つ名前が付いていて(例 鮮やかな、くすんだ、うすい等々)、それによって区別されます。色のトーンが重要なのは、それ自体がそれぞれイメージを表していることです。ここでは色のトーンとその活用法について考えます。

第4回 7月17日(金) 赤の知覚的・心理的力 【堀見 葉子】
詳細:赤色ほど面白い色はないのではないでしょうか。赤色は強烈なイメージを持っているためにその使い方を間違えると大変なことになります。何と言っても赤色は暖色の代表格でありますが、度が過ぎると「騒色」の元凶になり、食欲増進の色であると同時に「危険」の色でもあり、婚姻色であると同時に警告色でもあります。こうした赤色のもつさまざまな力について考えます。

第5回 7月24日(金) 青の知覚的・心理的力 【堀見 葉子】
詳細:今、色彩の分野で「旬」なのは青色です。赤色の補色は緑色ですが、緑色は感情効果の点では中性です(暖色でも寒色でもありません)。青色は暗いところで映えます。夜のイルミネーションで青の輝きは圧倒的です。また光の強さ(輝度)が同じであれば青色は他の色よりも明るく感じられます(ヘルムホルツ・コールラウシュ効果)。ここでは最近の青色照明の防犯効果(これについては確証されていません)や駅ホームや踏切での青色照明の効果を含め、青色のさまざまな知覚的・心理的力について再検証します。

講師陣

名前 三星 宗雄
肩書き 神奈川大学人間科学部教授
プロフィール 1950年生まれ。千葉大学人文学部(心理学専攻)卒業。東京大学大学院人文科学研究科博士課程(心理学専門課程)修了。博士(心理学)。専門は色彩心理学、環境色彩学、実験心理学。著書に『色彩の快:その心理と倫理』(2014年)、『世界の色の記号:自然・言語・文化の諸相』(2011年)、『色の心理学』(2008年)、『環境色彩学の基礎』(2006年)などがある。環境色彩研究の一環として、公共のトイレおよび自動販売機の色・デザインについてデータ収集を続けている。最近は縞模様(ストライプパターン)の認知的、心理的、社会的意味に強い関心を持つ。色彩倫理学の従事者。
名前 堀見 葉子
肩書き フリーカラーリスト
プロフィール 三重県生まれ。清泉女子大学卒業。大学卒業後メーカー勤務を経てフリーのカラーリストに。現在パーソナルカラーの選定や色彩に関する講演活動を行っている。専門はパーソナルカラーであるが、色彩の認知的側面や環境色彩にも強い関心がある。AFT色彩検定1級 色彩コーディネーター、日本カラーコーディネーター協会 ライフケアカラー1級、パーソナルカラー認定講師。
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