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講座詳細情報

申し込み締切日:2015-06-11 / 日本史:その他教養 / 学内講座コード:15A1610801

『国家珍宝帳』と正倉院の武具

主催:神奈川大学神奈川大学 KUポートスクエア (みなとみらいキャンパス)(神奈川県)]
問合せ先:生涯学習エクステンション講座 TEL:045-682-5553
開催日
6月12日(金)、 6月19日(金)、 6月26日(金)、 7月 3日(金)
講座回数
4回
時間
13:00~14:30
講座区分
前期 
入学金
 - 
受講料
6,500円
定員
30
その他
5800(※料金は、神奈川大学生・卒業生等および横浜市交流協議会加盟大学在学生に適用される料金です)
補足
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※この講座の申し込みは既に締め切りました。

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講座詳細

【講座内容】
天平勝宝八歳( 七五六) 六月二一日、光明皇后は聖武天皇の遺愛品六百数十点を東大寺大仏に献納した。その目録が『国家珍宝帳』( 以下、『珍宝帳』)であり、正倉院宝物の原簿に当たる。この『珍宝帳』には各宝物の寸法・材質等の特徴が詳記されているが、『珍宝帳』記載宝物のじつに三分の二に当たる四〇三点が武具( 大刀・弓箭・甲(よろい)) である。これに対し、正倉院には総計二五〇点の武具が現存する。ところが、その二五〇点のうち『珍宝帳』記載武具は僅かに大刀三口。現存の正倉院武具はそのほとんどが『珍宝帳』記載武具ではなく、光明皇后の献納とは別に正倉院に入った武具である。そこで『珍宝帳』記載武具と現存の正倉院武具には直接の関係はない。とはいえ、『珍宝帳』の武具記載は詳細で、奈良時代の武具考察の最上の文献であり、現存の正倉院武具の理解のうえでも極めて重要な文献である。本講座では『珍宝帳』から特徴ある武具記載を取り上げて丹念に読み解き、正倉院武具ひいては奈良時代武具を理解するための手引きとしたい。なお、テキストとして『珍宝帳』のコピーを配布し、現存の正倉院武具についても多くの図版を用いて解説する。

【講座スケジュール】
第1回 6月12日(金) 『国家珍宝帳』と正倉院の武具
詳細:まずは前提として、武具記載を中心に『珍宝帳』と、現存する正倉院武具の各全体像を概観し、そのうえで『珍宝帳』記載武具が現存しない理由を解説する。

第2回 6月19日(金) 現存する『国家珍宝帳』記載武具
詳細:『珍宝帳』記載武具で正倉院に現存するのは、金銀鈿荘唐大刀・漆塗鞘杖刀・呉竹鞘杖刀(じょうとう)という大刀三口である。この三口の特徴は『珍宝帳』記載によく一致し、『珍宝帳』記載の正確さがわかる。そこで、『珍宝帳』の武具記載を読み解く手始めとして、この大刀三口の特徴と『珍宝帳』記載を突き合わせ、『珍宝帳』武具記載の特徴を解説する。

第3回 6月26日(金) 「陽宝剱(ほうけん)」「陰宝剱」と金銀荘大刀
詳細:『珍宝帳』記載武具の冒頭は、「陽宝剱」「陰宝剱」という大刀二口である。この二口は奈良時代に正倉院から出蔵されて所在不明であったが、近年、東大寺大仏下から明治時代に出土した金銀荘大刀二口に該当するとの新説が発表された。しかし、「陽宝剱」「陰宝剱」の『珍宝帳』記載は、金銀荘大刀二口の特徴とは不一致で新説は成り立たない。その点について、現存の正倉院大刀や他の『珍宝帳』記載大刀との関連のなかで解説する。

第4回 7月 3日(金) 『国家珍宝帳』記載の弓箭
詳細:『珍宝帳』記載の弓箭は、弓一〇三張と、靫や胡禄という容器収納の箭がそれぞれ四具と九六具の計一〇〇具である。弓は一張以外は様々な木種からなる木製弓。多様な塗漆が施され、節や湾曲の有無等の特徴記載が豊富である。一方、靫は構造記載が詳細で胡禄は単純。箭は箭羽の鳥種と鏃の形状記載が詳細である。こうした弓箭記載のうちから特徴あるものを取り上げ、正倉院現存の弓箭との関連のなかで解説する。

講師陣

名前 近藤 好和
肩書き 國學院大学・和洋女子大学非常勤講師、千葉県刀剣登録審査委員
プロフィール 1957年神奈川県生まれ。1987年國學院大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得。博士( 文学・広島大学)。著書に『弓矢と刀剣』『中世的武具の成立と武士』『騎兵と歩兵の中世史』(以上、吉川弘文館)、『源義経』(ミネルヴァ書房)、『装束の日本史』『武具の日本史』(以上、平凡社新書)、『日本古代の武具 『国家珍宝張』と正倉院の器仗』(思文閣出版)などがある。
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