講座詳細情報
申し込み締切日:2014-10-30 / その他教養 / 学内講座コード:14B1611201
役立つ色彩心理学
- 開催日
- 10月31日(金)、11月 7日(金)、11月14日(金)、11月21日(金)、11月28日(金)
- 講座回数
- 5回
- 時間
- 15:00~16:30
- 講座区分
- 後期
- 入学金
- -
- 受講料
- 8,000円
- 定員
- 30
- その他
- 7200(※料金は、神奈川大学生・卒業生等および横浜市交流協議会加盟大学在学生に適用される料金です)
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
関連講座
講座詳細
【講座内容】
私たちが色が見えることによって得るメリット(色の効用)は1)物体の発見を容易にする,2)物体の認識を容易にする、3)信号としての意味を伝える、と言われています(Jacobs,1981)。これらのうち1)と2)は実は色ではなく、明るさ情報(背景との明度差、陰影、明度差による輪郭線など)の方がはるかに大きな貢献をしています。したがって日常生活において色覚に障害があってもあまり支障がありません。しかしもちろん色を通してしか得られないメリットもあります。本講座では日常生活の中で色を利用した活用事例について紹介します。その際色のどのような側面が役立っているのかを明らかにするために、色の基礎的な現象についても触れ、色の基礎と応用とを比較しながら話を進めていきます。
【講座スケジュール】
第1回10月31日(金) 赤色は人間、動物、植物、鉱物界共通のシグナル
詳細:人間社会において、赤は高度の危険や停止、禁止の意味が与えられています(JIS Z 9101)。しかし「高度の危険」は他の動物や植物もシグナルとして発しています(毒ガエルや毒キノコ)。鉱物さえも同じ情報を発していると言えます(高温の溶岩)。同時に赤色は人間を含めて、繁殖のために異性や他の動物をひきつける意味も持っています。ここではそうした色の持つ意味と人間の社会における利用について考えます。
第2回11月 7日(金) テレビの原理は色の中間混色
詳細:青色発光ダイオード(LED)が発明された時(1993年)、大きな話題となったのはそれまですでに発明されていた赤色LEDと緑色LEDと合わせて混色の3原色が揃ったためです。すなわち全ての色を再現できる可能性が生まれたためです。ここでは混色の1つの種類である中間混色を取り上げ、テレビや織物、点描画への活用について触れます。
第3回11月14日(金) 果物やお肉のチラシの色は記憶色に沿って
詳細:人間の記憶は不思議です。単なる情報の貯蔵庫ではありません。そこでは記憶内容の特徴が強調されたり、単純になったり、うまくつじつまを合わせるようなことが生じます。またその人の願望や、欲求、期待によって変容します。果物やお肉のチラシの色はそれらのものの実際の色ではなく、私たちの記憶の中にある色に似せると売れると言われています。そのカラクリについて明らかにします。
第4回11月21日(金) ミカンの赤いネットは色の同化現象
詳細:冬が近づくとスーパーに赤いネットに入ったミカンが売り出されます。ネットを通して見ると、中のミカンが本当に赤く色づいて見えます。果物の色が赤く色づくことは熟している証拠です。しかし自宅でネットから出してみると案外黄色あるいは黄緑色でさえあることに気付きます。これは色の同化という現象の天才的な活用法です。他には緑色のネットに入ったオクラ、黄色いネットに入った玉ねぎがあります。この不思議な現象について検証します。
第5回11月28日(金) 照度と色温度と快適性:クルイトフの法則
詳細:物体に熱を加えると光を発します。一般にその光の色(光色)は加えた温度によって異なり、温度の上昇にしたがって赤、オレンジ、黄、白、青と変化します。これらの色の記述に(仮に加えたと考えられる)絶対温度が色温度です。クルイトフの法則は、快適な照明環境を得るための色温度(光色)と照度(明るさ)との関係を明らかにしたものです。快適な照明環境について考えます。
私たちが色が見えることによって得るメリット(色の効用)は1)物体の発見を容易にする,2)物体の認識を容易にする、3)信号としての意味を伝える、と言われています(Jacobs,1981)。これらのうち1)と2)は実は色ではなく、明るさ情報(背景との明度差、陰影、明度差による輪郭線など)の方がはるかに大きな貢献をしています。したがって日常生活において色覚に障害があってもあまり支障がありません。しかしもちろん色を通してしか得られないメリットもあります。本講座では日常生活の中で色を利用した活用事例について紹介します。その際色のどのような側面が役立っているのかを明らかにするために、色の基礎的な現象についても触れ、色の基礎と応用とを比較しながら話を進めていきます。
【講座スケジュール】
第1回10月31日(金) 赤色は人間、動物、植物、鉱物界共通のシグナル
詳細:人間社会において、赤は高度の危険や停止、禁止の意味が与えられています(JIS Z 9101)。しかし「高度の危険」は他の動物や植物もシグナルとして発しています(毒ガエルや毒キノコ)。鉱物さえも同じ情報を発していると言えます(高温の溶岩)。同時に赤色は人間を含めて、繁殖のために異性や他の動物をひきつける意味も持っています。ここではそうした色の持つ意味と人間の社会における利用について考えます。
第2回11月 7日(金) テレビの原理は色の中間混色
詳細:青色発光ダイオード(LED)が発明された時(1993年)、大きな話題となったのはそれまですでに発明されていた赤色LEDと緑色LEDと合わせて混色の3原色が揃ったためです。すなわち全ての色を再現できる可能性が生まれたためです。ここでは混色の1つの種類である中間混色を取り上げ、テレビや織物、点描画への活用について触れます。
第3回11月14日(金) 果物やお肉のチラシの色は記憶色に沿って
詳細:人間の記憶は不思議です。単なる情報の貯蔵庫ではありません。そこでは記憶内容の特徴が強調されたり、単純になったり、うまくつじつまを合わせるようなことが生じます。またその人の願望や、欲求、期待によって変容します。果物やお肉のチラシの色はそれらのものの実際の色ではなく、私たちの記憶の中にある色に似せると売れると言われています。そのカラクリについて明らかにします。
第4回11月21日(金) ミカンの赤いネットは色の同化現象
詳細:冬が近づくとスーパーに赤いネットに入ったミカンが売り出されます。ネットを通して見ると、中のミカンが本当に赤く色づいて見えます。果物の色が赤く色づくことは熟している証拠です。しかし自宅でネットから出してみると案外黄色あるいは黄緑色でさえあることに気付きます。これは色の同化という現象の天才的な活用法です。他には緑色のネットに入ったオクラ、黄色いネットに入った玉ねぎがあります。この不思議な現象について検証します。
第5回11月28日(金) 照度と色温度と快適性:クルイトフの法則
詳細:物体に熱を加えると光を発します。一般にその光の色(光色)は加えた温度によって異なり、温度の上昇にしたがって赤、オレンジ、黄、白、青と変化します。これらの色の記述に(仮に加えたと考えられる)絶対温度が色温度です。クルイトフの法則は、快適な照明環境を得るための色温度(光色)と照度(明るさ)との関係を明らかにしたものです。快適な照明環境について考えます。
講師陣
名前 | 三星 宗雄 |
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肩書き | 神奈川大学人間科学部教授 |
プロフィール | 1950年生まれ。千葉大学人文学部(心理学専攻)卒業。東京大学大学院人文科学研究科博士課程(心理学専門課程)修了。博士(心理学)。専門は色彩心理学、環境色彩学、実験心理学。著書に『色彩の快:その心理と倫理』(2014年)、『世界の色の記号:自然・言語・文化の諸相』(2011年)、『色の心理学』(2008年)、『環境色彩学の基礎』(2006年)、などがある。環境色彩研究の一環として、公共のトイレおよび自動販売機の色・デザインについてデータ収集を続けている。最近縞模様(ストライプパターン)の認知的、心理的、社会的意味に強い関心がある。色彩倫理学の提案者。 |