講座詳細情報
申し込み締切日:2014-02-05 / 自然科学・環境:その他教養 / 学内講座コード:13B1613301
セレンディピティ(Serendipity)とは何か
ふとした偶然の思いつきから科学上の大発見が
- 開催日
- 2月 6日(木)、 2月13日(木)、 2月20日(木)、
2月27日(木)、 3月 6日(木)、 3月13日(木)、
3月20日(木)、 3月27日(木)
- 講座回数
- 8回
- 時間
- 13:00~14:30
- 講座区分
- 後期
- 入学金
- -
- 受講料
- 12,500円
- 定員
- 50
- その他
- 11200(※料金は、神奈川大学生・卒業生等および横浜市交流協議会加盟大学在学生に適用される料金です)
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
関連講座
講座詳細
【講座内容】
セレンディピティ(Serendipity)とは、偶然に訪れた予期しなかったきっかけから科学上の大発見がなされることを意味する用語である。科学史を繙く時、こうした事例はいくつも見つかる。
こうした大発見が科学の発展にいかに寄与して来たかについて具体的な事例をとりあげ、当事者となった科学者が実際にどんな偶然の機会に恵まれたかについてその詳細にふれる。
【講座スケジュール】
第1回 2月 6日(木) セレンディピティとは何か―ガリレオとニュートンにみる
予期しなかった偶然のきっかけから研究へのヒントがえられ、そこから科学上の大発見につながる場合が多い。こうしたヒントについて、多くの科学者が語っている。ガリレオとニュートンの二人の業績にふれつつ、こうしたきっかけの役割について考える。ニュートンとリンゴにまつわる逸話は、余りに有名である。
第2回 2月13日(木) パストゥールが語ったこと―研究の現状に深い理解があってこそ
研究の現状に深い理解があって初めて、パストゥールに好運が訪れた。酒石酸分子の旋光性や狂犬病予防法の研究など不滅の業績を上げたが、彼が強調したのは研究の現状について深い理解なしには好運が訪れる機会はないということであった。こうした理解が問題解決への緒口を開いてくれるのである。
第3回 2月20日(木) ホイルが星の内部に見たのは―元素合成の秘密を暴く
ホイル(ケンブリッジ大)とファウラー(カルテク)の二人は協力して、この宇宙に存在する元素がいかなる物理過程を通じ合成されるのかを詳しく研究した。難問は、生命元素の一つ、炭素の合成がどのようにすすむのかであった。この解決の手掛かりに気づいた時「これで生命を作れるようになった」と大喜びであったという。
第4回 2月27日(木) 「誰もやらないことをやりたい」―デーヴィスが太陽に注いだ情熱
太陽中心部ですすむとされる陽子・陽子連鎖反応が、実際に起こっているのかを検証すべくデーヴィスが試みたのは、この反応の副産物である電子ニュートリノの地球へ到来する数(毎秒当たり)を測定することであった。理論値と測定値の不一致に苦悩の日々を送ったが、その理由が解明され彼の仕事が高く評価された(2002年度、ノーベル物理学賞)。だが、彼は当時アルツハイマー病のため苦しんでいた。
第5回 3月 6日(木) 時空概念の革命―アインシュタインの相対性理論
どのような状況下でも光速度が不変であることは、時間と空間の概念が革命的に変更されねばならないことを示唆していた。アインシュタインが提案した時間、空間の相対性は、時空概念を根本から変えてしまった。
第6回 3月13日(木) 宇宙の背景放射を捕えた―予期せぬ大発見がノーベル賞に
人工衛星による宇宙通信技術の改善を目指した大気圏外からの電波雑音の観測結果は、消去不可能のマイクロ波帯電波があらゆる方向から地球に到来していることを示唆していた。この電波は宇宙の創造が“ビッグバン”過程にあったことを証明した。
第7回 3月20日(木) 宇宙線はどこで生まれたか―フェルミの着想はどこから
宇宙線と呼ばれる高エネルギーの陽子を初めとした諸種の原子核や電子が、地球外の空間を飛び交っている。これらの粒子がいかなる過程により高エネルギーにまで加速されるのかについて、フェルミが彼の名前を冠して呼ばれる機構を提案(1949年)、宇宙線の起源論に一石を投じた。
第8回 3月27日(木) 「マウンダー極小期」の発見―太陽に“無黒点期”があった
「太陽に黒点がなかった時」と題したJ. エディの講演(1975年10月)は、出席者たちの殆ど全てにとって大きな衝撃であった。太陽面上に黒点が全く形成されない“無黒点期”(1645− 1715)は気候寒冷化の時代であった。彼はこの期間を「マウンダー極小期」と呼ぼうと提案したのであった。
セレンディピティ(Serendipity)とは、偶然に訪れた予期しなかったきっかけから科学上の大発見がなされることを意味する用語である。科学史を繙く時、こうした事例はいくつも見つかる。
こうした大発見が科学の発展にいかに寄与して来たかについて具体的な事例をとりあげ、当事者となった科学者が実際にどんな偶然の機会に恵まれたかについてその詳細にふれる。
【講座スケジュール】
第1回 2月 6日(木) セレンディピティとは何か―ガリレオとニュートンにみる
予期しなかった偶然のきっかけから研究へのヒントがえられ、そこから科学上の大発見につながる場合が多い。こうしたヒントについて、多くの科学者が語っている。ガリレオとニュートンの二人の業績にふれつつ、こうしたきっかけの役割について考える。ニュートンとリンゴにまつわる逸話は、余りに有名である。
第2回 2月13日(木) パストゥールが語ったこと―研究の現状に深い理解があってこそ
研究の現状に深い理解があって初めて、パストゥールに好運が訪れた。酒石酸分子の旋光性や狂犬病予防法の研究など不滅の業績を上げたが、彼が強調したのは研究の現状について深い理解なしには好運が訪れる機会はないということであった。こうした理解が問題解決への緒口を開いてくれるのである。
第3回 2月20日(木) ホイルが星の内部に見たのは―元素合成の秘密を暴く
ホイル(ケンブリッジ大)とファウラー(カルテク)の二人は協力して、この宇宙に存在する元素がいかなる物理過程を通じ合成されるのかを詳しく研究した。難問は、生命元素の一つ、炭素の合成がどのようにすすむのかであった。この解決の手掛かりに気づいた時「これで生命を作れるようになった」と大喜びであったという。
第4回 2月27日(木) 「誰もやらないことをやりたい」―デーヴィスが太陽に注いだ情熱
太陽中心部ですすむとされる陽子・陽子連鎖反応が、実際に起こっているのかを検証すべくデーヴィスが試みたのは、この反応の副産物である電子ニュートリノの地球へ到来する数(毎秒当たり)を測定することであった。理論値と測定値の不一致に苦悩の日々を送ったが、その理由が解明され彼の仕事が高く評価された(2002年度、ノーベル物理学賞)。だが、彼は当時アルツハイマー病のため苦しんでいた。
第5回 3月 6日(木) 時空概念の革命―アインシュタインの相対性理論
どのような状況下でも光速度が不変であることは、時間と空間の概念が革命的に変更されねばならないことを示唆していた。アインシュタインが提案した時間、空間の相対性は、時空概念を根本から変えてしまった。
第6回 3月13日(木) 宇宙の背景放射を捕えた―予期せぬ大発見がノーベル賞に
人工衛星による宇宙通信技術の改善を目指した大気圏外からの電波雑音の観測結果は、消去不可能のマイクロ波帯電波があらゆる方向から地球に到来していることを示唆していた。この電波は宇宙の創造が“ビッグバン”過程にあったことを証明した。
第7回 3月20日(木) 宇宙線はどこで生まれたか―フェルミの着想はどこから
宇宙線と呼ばれる高エネルギーの陽子を初めとした諸種の原子核や電子が、地球外の空間を飛び交っている。これらの粒子がいかなる過程により高エネルギーにまで加速されるのかについて、フェルミが彼の名前を冠して呼ばれる機構を提案(1949年)、宇宙線の起源論に一石を投じた。
第8回 3月27日(木) 「マウンダー極小期」の発見―太陽に“無黒点期”があった
「太陽に黒点がなかった時」と題したJ. エディの講演(1975年10月)は、出席者たちの殆ど全てにとって大きな衝撃であった。太陽面上に黒点が全く形成されない“無黒点期”(1645− 1715)は気候寒冷化の時代であった。彼はこの期間を「マウンダー極小期」と呼ぼうと提案したのであった。
講師陣
名前 | 桜井 邦朋 |
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肩書き | 神奈川大学名誉教授、早稲田大学理工学術院総合研究所客員顧問研究員 |
プロフィール | 1956年京都大学理学部卒業。理学博士。1968年NASAゴダード宇宙飛行センター上級研究員。神奈川大学では工学部長、学長を歴任、2004年より現職。専門分野は高エネルギー宇宙物理学、太陽物理学、宇宙空間物理学。主要著書に『生命はどこからきたか─宇宙物理学からの視点』(御茶の水書房)、『天才たちの宇宙像』『夏が来なかった時代』(以上、吉川弘文館)、『宇宙物理学』(共立出版)、『日本語は本当に「非論理的」か』(祥伝社)、『新版 天文学史』(ちくま学芸文庫、筑摩書房)、『ニュートリノ論争はいかにして解決したか』(講談社)、『移り気な太陽―太陽活動と地球環境との関わり』(恒星社厚生閣)など。 |