検索:

トップ > 講座詳細


講座詳細情報

申し込み締切日:2013-06-04 / 世界史:その他教養 / 学内講座コード:13A1611001

戦後のヨーロッパを創ったリーダー (かながわ大学生涯学習推進協議会共同公開講座)

主催:神奈川大学神奈川大学 KUポートスクエア (みなとみらいキャンパス)(神奈川県)]
問合せ先:生涯学習エクステンション講座 TEL:045-682-5553
開催日
6月 5日(水)、 6月12日(水)、 6月19日(水)、
6月26日(水)、 7月 3日(水)
講座回数
5回
時間
13:00~14:30
講座区分
前期 
入学金
 - 
受講料
8,000円
定員
30
その他
7200(※料金は、神奈川大学生・卒業生等および横浜市交流協議会加盟大学在学生に適用される料金です)
補足
資料を請求する
※この講座の申し込みは既に締め切りました。

関連講座

講座詳細

【講座内容】
2012年度のノーベル平和賞がEU(欧州連合)に贈られたのを機会に、戦後、廃墟の中から立ち上がったヨーロッパの復活、特に三つの大戦を交えた独仏の和解に基づき統合による復活の道を拓いたリーダーたちの軌跡を紐解くのは時宜に適ったものと考える。世界経済が停滞し、国際秩序の不透明さが増す今日、改めて歴史に学ぶ時ではなかろうか。

本講座では、
1)1923年、オーストリアのクーデンホーフ・カレルギー伯爵のパン・ヨーロッパ構想、
2)ヨーロッパ合衆国論を打ち出しながらも政府間協力を柱としたイギリスの欧州復活のアプローチ、
3)フランスのジャン・モネが想を練り、シューマン外相が提唱した、仏独の石炭、鉄鋼の共同管理の宣言(シューマン・プラン)、
4)西ドイツのアデナウアー首相が模索したドイツの戦後の復活の道、
5)フランスのドゴール大統領の自立外交と仏独協力に基づく欧州建設
に焦点を当てる。


【講座スケジュール】
第1回 6月 5日(水)
リヒャルト・クーデンホーフ=カレルギー伯の「パン・ヨーロッパ統合運動」 【羽場 久美子】
 クーデンホーフ・カレルギーは、ハプスブルク帝国外交官駐日特命全権大使、ハインリヒと日本人青山光子の間に生まれた、7人の子供のうちの次男である。日本で生まれ、栄次郎という日本名も持つリヒャルトは、その後成人して熱心な「パン・ヨーロッパ」運動の旗手となり、日本では鳩山一郎や、鹿島守之助に影響を与えた。また時の西欧諸国家にも影響を与えて、第2次世界大戦後の欧州統合の先駆者となったために、「欧州統合の父」とも呼ばれる。その思想は、フリーメイソン、反ファシズム・反ボリシェヴィズム、反ソ連など様々な側面を持つが、戦間期の国家独立運動が盛んであった時期に、個人のレベルでここまで、欧州統合の大いなる夢を貫いた人物として評価できよう。彼の理想はその後、第二次世界大戦を経てジャン・モネ、シューマンなど、より現実的なエネルギーの共同と不戦共同体の思想へと結実していった。

第2回 6月12日(水)
チャーチルの「ヨーロッパ合衆国」論からマクミランのEEC加盟申請 【石井 伸一】
 チャーチル元首相は1946年、「ヨーロッパ合衆国」論を語った。それは仏独の和解を前提としていたが、イギリスの参加は想定していなかった。政権を引き継いだ労働党のアトリー政権も政府間協力による統一構想の域を出なかった。後にフランスのイニシアティブで欧州統合が始動すると、現実主義のイギリスは政策を転換し、EEC加盟を申請した。

第3回 6月19日(水)
ジャン・モネ構想に基づくロベール・シューマン宣言――欧州統合の嚆矢 【石井 伸一】
 ジャン・モネは仏独の戦略的な資源の共同管理によって永続的な平和を構築したいと想を練った。シューマン外相はこれを基に1950年5月、仏独の石炭、鉄鋼を共同管理にするという宣言を発表。アメリカは事前にこれを支持していた。仏独伊、ベネルックスの6ヵ国は翌51年、欧州石炭鉄鋼共同体の設立に合意。1957年の欧州経済共同体に発展していく。

第4回 6月26日(水)
敗戦国からEU の中核へ――欧州統合に再生を賭けたアデナウアー西独首相 【加藤 雅彦】
 第二次世界大戦で敗北、分裂国家となったドイツ。この苦境にあって、西ドイツ初代首相アデナウアーは国の将来を欧州統合に賭けた。歴史的宿敵フランスとの和解、その結果成立した独仏同盟こそ、今日のEU(欧州連合)創設への道を大きく開いた。以来半世紀、ドイツはいまや、EUを支え先導する中核的役割を担うにいたった。

第5回 7月 3日(水)
米ソの狭間のドゴールの自立外交と独仏協力条約に基づく欧州建設 【石井 伸一】
 最大の植民地アルジェリア問題を解決し、1958年、フランス第五共和国の初代大統領に就任。米ソ巨頭体制の狭間で、ドゴールは偉大なフランスを念頭に米英支配のNATOの軍事機構から離脱、ヴェトナム戦争の最中に中国を承認するなど自主独立外交を推進。ヨーロッパ統一問題では、1963年、アデナウアー首相と独仏協力条約を結びヨーロッパ建設を推進。

講師陣

名前 羽場 久美子
肩書き 青山学院大学国際政治経済学部教授
プロフィール 津田塾大学大学院博士課程修了。学術博士(国際政経関係学)。ハンガリー科学アカデミー、ロンドン大学、ソルボンヌ大学、イタリア・欧州大学研究所、ハーバード大学にて客員研究員。専門は国際政治学、拡大ヨーロッパ、ナショナリズム。日本学術会議会員(政治学)、東アジア共同体評議会副議長、国際アジア共同体学会副代表、日本政治学会理事、日本EU学会理事、ロシア・東欧学会理事を歴任。著書に『グローバル時代のアジア地域統合』『ヨーロッパの東方拡大』(以上、岩波書店)、『拡大ヨーロッパの挑戦』(中公新書)、『グローバリゼーションと欧州拡大』(御茶の水書房)他多数。
名前 石井 伸一
肩書き ヨーロッパ問題研究者
プロフィール 1959年早稲田大学商学部卒業。NHKに入局。ヨーロッパ総局(パリ)特派員(主にドゴールの外交を取材、報道)、ローマ支局長。1995年神奈川大学特任教授、ヨーロッパ経済論など担当、2005年退職、退職後もヨーロッパの政治、経済問題を中心に研究、現在に至る。主要著書に『現代欧州統合論』(白桃書房)、『新EU論』(共著、新評論)などがある。
名前 加藤 雅彦
肩書き ドイツ・中欧研究者
プロフィール 東京大学法学部政治学科卒業。1954年NHK入局。ベルリン自由大学留学。NHKベオグラード、ボン支局長、解説委員を歴任。定年退職後東京大学、中央大学他で非常勤講師。主な著書に『中欧の崩壊』(中央公論社)、『中欧の復活』(日本放送出版協会)、『ドナウ河紀行』(岩波書店)、『バルカン』(日本経済新聞社)、『図説・ハプスブルク帝国』(河出書房新社)。
資料を請求する

関連講座

質問する

↑ページの先頭へ

© MARUZEN-YUSHODO Co., Ltd. All Rights Reserved.