講座詳細情報
申し込み締切日:2013-04-26 / 日本史:自然科学・環境:その他教養 / 学内講座コード:13A1610501
田んぼの不思議 水田をめぐる民俗の知恵(神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科主催講座1)
- 開催日
- 5月10日(金)、 5月17日(金)、 5月24日(金)、
5月31日(金)、 6月 7日(金)
- 講座回数
- 5回
- 時間
- 10:30~12:00
- 講座区分
- 前期
- 入学金
- -
- 受講料
- 8,000円
- 定員
- 30
- その他
- 7200(※料金は、神奈川大学生・卒業生等および横浜市交流協議会加盟大学在学生に適用される料金です)
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
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講座詳細
【講座内容】
日本人は稲作民族であり、日本文化は稲作文化といわれています。しかし、本当にそうなのでしょうか。本講座では、今まで稲作文化といわれてきたことについて、民俗学的な立場から再検討します。とくに稲作の場となる水田に焦点を当ててみると、これまで見逃されてきた興味深いことが分かってきます。
そもそも水田とは何をするところだったのでしょうか。その答はごく常識的には、米を作る場ということになります。しかし、実際に農家の方に話を聞くと、昔の水田は魚や水鳥を捕ったりする場でもあったことに気がつきます。それは、かつて水田が有した潜在力であり、日本の民俗文化を支える基盤となるものでした。
そうした水田をめぐって蓄積された民俗の知恵について検討してゆくとともに、なぜ日本人は米を選んだのかという問いに対して自分なりの見解を示します。
【講座スケジュール】
第1回 5月10日(金) なぜ日本人は米を選んだのか
なぜ日本人は米を選んだのか、それには人文科学だけでなく自然科学の分野においてもさまざまな説があります。ここではとくに柳田国男と坪井洋文という二人の民俗学者を中心に、これまで提出された説について批判的な検討をこころみます。
第2回 5月17日(金) 水田における畑作とその知恵
山がちな日本列島の場合、水田は棚田となります。小さく田を区画しなくてはならない棚田は膨大なアゼを必要とします。それは一見、稲作には不利ですが、同時にアゼの利用という工夫を生み出しました。そうした知恵をアゼ豆の栽培に見てゆきます。
第3回 5月24日(金) 水田における漁撈とその知恵
水田での魚捕りを水田漁撈といいます。それはかつて養魚の段階にまで達しました。各地に伝わる水田漁撈の知恵を紹介するとともに、環境思想のもと現代において復活した水田漁撈に注目して、水田をめぐる人と魚の関係について検討します。
第4回 5月31日(金) 水田における狩猟とその知恵
水田はガンやカモといった多くの渡り鳥を引きつけます。そして人はそれを捕るためにさまざまな工夫を凝らしてきました。そうした伝統狩猟の技術を紹介するとともに、渡り鳥との関係から現代の環境問題について考えます。
第5回 6月 7日(金) 水田をめぐる民俗の知恵−まとめ−
なぜ日本人は米を選んだのか、これまでの講義をまとめる意味で、自分なりの見解を示します。水田は米を作るためだけの場ではなく、魚や鳥また豆や麦をもたらしてくれる空間であることに注目し、水田の潜在力と稲作の歴史について考えます。
日本人は稲作民族であり、日本文化は稲作文化といわれています。しかし、本当にそうなのでしょうか。本講座では、今まで稲作文化といわれてきたことについて、民俗学的な立場から再検討します。とくに稲作の場となる水田に焦点を当ててみると、これまで見逃されてきた興味深いことが分かってきます。
そもそも水田とは何をするところだったのでしょうか。その答はごく常識的には、米を作る場ということになります。しかし、実際に農家の方に話を聞くと、昔の水田は魚や水鳥を捕ったりする場でもあったことに気がつきます。それは、かつて水田が有した潜在力であり、日本の民俗文化を支える基盤となるものでした。
そうした水田をめぐって蓄積された民俗の知恵について検討してゆくとともに、なぜ日本人は米を選んだのかという問いに対して自分なりの見解を示します。
【講座スケジュール】
第1回 5月10日(金) なぜ日本人は米を選んだのか
なぜ日本人は米を選んだのか、それには人文科学だけでなく自然科学の分野においてもさまざまな説があります。ここではとくに柳田国男と坪井洋文という二人の民俗学者を中心に、これまで提出された説について批判的な検討をこころみます。
第2回 5月17日(金) 水田における畑作とその知恵
山がちな日本列島の場合、水田は棚田となります。小さく田を区画しなくてはならない棚田は膨大なアゼを必要とします。それは一見、稲作には不利ですが、同時にアゼの利用という工夫を生み出しました。そうした知恵をアゼ豆の栽培に見てゆきます。
第3回 5月24日(金) 水田における漁撈とその知恵
水田での魚捕りを水田漁撈といいます。それはかつて養魚の段階にまで達しました。各地に伝わる水田漁撈の知恵を紹介するとともに、環境思想のもと現代において復活した水田漁撈に注目して、水田をめぐる人と魚の関係について検討します。
第4回 5月31日(金) 水田における狩猟とその知恵
水田はガンやカモといった多くの渡り鳥を引きつけます。そして人はそれを捕るためにさまざまな工夫を凝らしてきました。そうした伝統狩猟の技術を紹介するとともに、渡り鳥との関係から現代の環境問題について考えます。
第5回 6月 7日(金) 水田をめぐる民俗の知恵−まとめ−
なぜ日本人は米を選んだのか、これまでの講義をまとめる意味で、自分なりの見解を示します。水田は米を作るためだけの場ではなく、魚や鳥また豆や麦をもたらしてくれる空間であることに注目し、水田の潜在力と稲作の歴史について考えます。
講師陣
名前 | 安室 知 |
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肩書き | 神奈川大学大学院歴史民俗資料学研究科教授 |
プロフィール | 1959年東京都生まれ。熊本大学助教授、国立歴史民俗博物館教授、総合研究大学院大学教授等を経て現職。民俗学(生業論・環境論)を専攻し、日本の各地や東アジアでフィールドワークをおこなう。著作に『水田をめぐる民俗学的研究』(慶友社、1998年)、『餅と日本人』(雄山閣出版、1999年)、『水田漁撈の研究』(慶友社、2005年)、『日本民俗生業論』(慶友社、2012年)などがあり、近々『田んぼの不思議』(小峰書店)を刊行予定。 |