講座詳細情報
申し込み締切日:2012-11-02 / 経済:その他教養 / 学内講座コード:12B1611101
いまの世界金融不況をどうみるか 「通貨」の変遷史(ポンド、ドル、ユーロ、円、人民元)の中で世界経済のナゾを解く
- 開催日
- 11月16日(金)、11月30日(金)、12月 7日(金)、12月14日(金)、12月21日(金)
- 講座回数
- 5回
- 時間
- 15:00~16:30
- 講座区分
- 後期
- 入学金
- -
- 受講料
- 8,000円
- 定員
- 30
- その他
- 7200(※料金は、神奈川大学生・卒業生等および横浜市交流協議会加盟大学在学生に適用される料金です)
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
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講座詳細
【講座内容】
ギリシャ、スペインなど南欧の債務累積はEUのみならず米国、日本、中国、新興国の経済をも動揺させた。EUのエコノミストたちは、新しい世界恐慌のはじまりではないかと訴えた。ギリシャ、スペイン、イタリアなどの銀行、企業などの経営は破綻寸前になり、必然的に雇用、国民生活にも悪影響を与えた。特に南欧諸国の失業率は一時平均25%、若者のそれは58%まで上昇した。
こうした金融不況の原因はどこにあり、またその政策課題は何か。今回は、この事態を「通貨」の変遷史をふまえて5回にわたって考える。
【講座スケジュール】
第1回11月16日(金) 欧州金融不況の深刻性と政策課題
詳細:国際的金融援助と南欧の自立的経済政策とは何か。金融の「安定化」、企業経営の回復、失業率の減少化、格差是正、社会福祉の量・質の充実をどのように図っていくか。
第2回11月30日(金) 通貨は私たちをどう統治してきたか
詳細:ポンドはイギリス帝国の支配のみならず、当時の米国、欧州、途上国の経済を握ってきた。ユーロが1999年に導入されたときも、イギリスは入らなかった。それは、英連邦統治の歴史を誇示したいからであるといわれたが、大転換は1944年プレトン・ウッズ協定で基軸通貨の席を米国に譲ったことにある。戦後は、ドルの力、すなわち米国の経済力が世界を指導することになった。この意味を改めて考えてみたい。
第3回12月 7日(金) ドル支配体制の低下について考える
詳細:1970年代、80年代をみると、ドルの世界の統治力は弱体化した。71年にニクソンが金とドルとの交換停止を宣言、IMF体制の本質も問われた。80年代に入り、ドルの世界支配が動揺した。同時に新基軸通貨のあり方が議論された。その中味とは何であったかを考えてみたい。
第4回12月14日(金) ユーロの誕生とは何であったか。ドルに対抗する欧州共通通貨をめざしたのはなぜか
詳細:第1陣の11カ国(ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、ポルトガル、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、アイルランド、オーストリア、フィンランド)の間でまず資本市場を発足させ、2001年にギリシャが参加し、07年にスロベニア、08年キプロスとマルタ、09年にスロバキア、11年からエストニアの参加が正式に決定され、ユーロ圏は17カ国となった。だが、いまそのユーロが不安定の状況にある。なぜかを分析したい。
第5回12月21日(金) 人民元の強さはどうなるか
詳細:円高・ドル安、円高・ユーロ安の動揺は、世界経済の不況下の中でより激しくなった。この問題はどんな意味を持っているのか。また、中国がGDPで世界第2位になり、人民元は東南アジア、中東、アフリカでも注目されている。その意味を改めて考えてみたい。同時にわが円のあり方も考えてみたい。
ギリシャ、スペインなど南欧の債務累積はEUのみならず米国、日本、中国、新興国の経済をも動揺させた。EUのエコノミストたちは、新しい世界恐慌のはじまりではないかと訴えた。ギリシャ、スペイン、イタリアなどの銀行、企業などの経営は破綻寸前になり、必然的に雇用、国民生活にも悪影響を与えた。特に南欧諸国の失業率は一時平均25%、若者のそれは58%まで上昇した。
こうした金融不況の原因はどこにあり、またその政策課題は何か。今回は、この事態を「通貨」の変遷史をふまえて5回にわたって考える。
【講座スケジュール】
第1回11月16日(金) 欧州金融不況の深刻性と政策課題
詳細:国際的金融援助と南欧の自立的経済政策とは何か。金融の「安定化」、企業経営の回復、失業率の減少化、格差是正、社会福祉の量・質の充実をどのように図っていくか。
第2回11月30日(金) 通貨は私たちをどう統治してきたか
詳細:ポンドはイギリス帝国の支配のみならず、当時の米国、欧州、途上国の経済を握ってきた。ユーロが1999年に導入されたときも、イギリスは入らなかった。それは、英連邦統治の歴史を誇示したいからであるといわれたが、大転換は1944年プレトン・ウッズ協定で基軸通貨の席を米国に譲ったことにある。戦後は、ドルの力、すなわち米国の経済力が世界を指導することになった。この意味を改めて考えてみたい。
第3回12月 7日(金) ドル支配体制の低下について考える
詳細:1970年代、80年代をみると、ドルの世界の統治力は弱体化した。71年にニクソンが金とドルとの交換停止を宣言、IMF体制の本質も問われた。80年代に入り、ドルの世界支配が動揺した。同時に新基軸通貨のあり方が議論された。その中味とは何であったかを考えてみたい。
第4回12月14日(金) ユーロの誕生とは何であったか。ドルに対抗する欧州共通通貨をめざしたのはなぜか
詳細:第1陣の11カ国(ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、ポルトガル、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、アイルランド、オーストリア、フィンランド)の間でまず資本市場を発足させ、2001年にギリシャが参加し、07年にスロベニア、08年キプロスとマルタ、09年にスロバキア、11年からエストニアの参加が正式に決定され、ユーロ圏は17カ国となった。だが、いまそのユーロが不安定の状況にある。なぜかを分析したい。
第5回12月21日(金) 人民元の強さはどうなるか
詳細:円高・ドル安、円高・ユーロ安の動揺は、世界経済の不況下の中でより激しくなった。この問題はどんな意味を持っているのか。また、中国がGDPで世界第2位になり、人民元は東南アジア、中東、アフリカでも注目されている。その意味を改めて考えてみたい。同時にわが円のあり方も考えてみたい。
講師陣
名前 | 清水 嘉治 |
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肩書き | 神奈川大学名誉教授 |
プロフィール | 1955年一橋大学大学院社会学研究科修了。経済学博士(京都大学)。神奈川大学元経済学部長。日本経済政策学会元常任理事、現名誉会員、文部科学省学術審議会元専門委員。2000年まで神奈川大学経済学部教授。専門は世界経済論、EU経済論、地域経済論。主要著書に『帝国主義論研究序説』(有斐閣)、『激動する世界経済―21世紀の重要課題―』『新EU論』(以上、新評論)、『改革の経済思想―J.A.ホブスン研究序説―』(白桃書房)など多数。 |