講座詳細情報
申し込み締切日:2012-02-01 / その他教養 / 学内講座コード:11B1611801
原爆から原発へ 原子エネルギー解放に関わった人びと
- 開催日
- 2月 2日(木)、 2月 9日(木)、 2月16日(木)、 2月23日(木)、 3月 1日(木)、 3月 8日(木)、 3月15日(木)
- 講座回数
- 7回
- 時間
- 13:00~14:30
- 講座区分
- 後期
- 入学金
- -
- 受講料
- 11,000円
- 定員
- 50
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
関連講座
講座詳細
【講座内容】
予期せぬ発見ともいえる核分裂により、連鎖反応の可能性が示され、原子爆弾を構想する人たちが現れた。第二次世界大戦中には、ドイツ、日本、アメリカ、イギリス、ソヴィエトといった国々で、原子爆弾開発へ向けた研究がすすめられた。戦後、原子力の平和利用に向けて、物理学者他が果たした当時の役割を、一物理学者の視点から見つめ直す。
【講座スケジュール】
第1回 2月 2日(木) 放射能の発見と初期の研究―ベックレルやキュリー夫妻の仕事とは
詳細:放射能(radio activité)の現象は、1896年にベックレルにより偶然の機会から発見された。この現象を追求したキュリー夫妻は、1898年にポロニウムとラジウムを発見している。放射能の研究は、物理学と化学の領域からはみでて、地球科学、医学ほか広い分野へ応用の可能性を拡大した。
第2回 2月 9日(木) 原子核の構造と放射能―中性子の発見をめぐって
詳細:放射能の研究は、ラザフォードが率いたキャベンディッシュ研究所(ケンブリッジ大学)のグループが、原子核変換、その応用と考えられる太陽や地球の年齢の推定、更に、原子構造から原子核の内部の研究への先導役を果たした。この研究所でなされた中性子の発見は、原子核構造論に新紀元を劃した。
第3回 2月16日(木) 核分裂の発見と研究―連鎖反応の可能性
詳細:ウラン(U)やトリウム(Th)のような超重核の中には、自然放射能により崩壊するものがある。1938年には、ウランの同位体(U235)が2体に崩壊するという核分裂現象が発見された。核分裂から解放される核エネルギーと発生した中性子は、連鎖反応を引き起こす可能性があり、この核エネルギーを利用する手段をも構想する人びとが現れた。
第4回 2月23日(木) 第二次世界大戦下における科学者の動員―マンハッタン計画
詳細:核分裂により解放される核エネルギー量がぼう大であることから、軍事兵器として利用する可能性に気づいた人たちがいた。レオ・シラードほかの亡命科学者たちであった。アインシュタインがF・ルーズヴェルトに宛てた手紙がきっかけとなって、マンハッタン計画が始まる。
第5回 3月 1日(木) 原子炉と原子爆弾―フェルミ、ローレンス、オッペンハイマー
詳細:1942年12月2日、シカゴ大学の運動場観客席下に建設された人類初の原子炉が、フェルミの指揮下に稼働、最初の原子の火が灯った。ニュー・メキシコ、ロスアラモスに設置された原爆開発のための研究所が、オッペンハイマーの下で始動した。
第6回 3月 8日(木) ヒロシマとナガサキ―日本における原爆開発研究はどうであったか
詳細:ニュー・メキシコ州オワイトサンズで、1945年7月16日早朝、原子爆弾の爆発テストがなされ成功した。原子核に潜む核エネルギーの取り出しに成功したのである。そうして、その年の8月6日にヒロシマ(廣島)、9日にナガサキ(長崎)に原子爆弾が投下された。日本における原爆開発研究にふれつつ、兵器として、国際政治の中に登場する動きを眺望する。
第7回 3月15日(木) 原子力の平和利用に向けて―原子力発電所の安全性
詳細:1942年暮における原子炉運転の成功は、核エネルギーを制御して取りだし、利用できる可能性を示唆していた。アメリカ、フランス、ソヴィエトを初めとした多くの国々に原子力発電所が建設され、現在も稼働している。運用をめぐっては、今までにも大きな事故が起こっている。2011年3月11日に起こった福島第一原子力発電所の事故も、その一例である。
予期せぬ発見ともいえる核分裂により、連鎖反応の可能性が示され、原子爆弾を構想する人たちが現れた。第二次世界大戦中には、ドイツ、日本、アメリカ、イギリス、ソヴィエトといった国々で、原子爆弾開発へ向けた研究がすすめられた。戦後、原子力の平和利用に向けて、物理学者他が果たした当時の役割を、一物理学者の視点から見つめ直す。
【講座スケジュール】
第1回 2月 2日(木) 放射能の発見と初期の研究―ベックレルやキュリー夫妻の仕事とは
詳細:放射能(radio activité)の現象は、1896年にベックレルにより偶然の機会から発見された。この現象を追求したキュリー夫妻は、1898年にポロニウムとラジウムを発見している。放射能の研究は、物理学と化学の領域からはみでて、地球科学、医学ほか広い分野へ応用の可能性を拡大した。
第2回 2月 9日(木) 原子核の構造と放射能―中性子の発見をめぐって
詳細:放射能の研究は、ラザフォードが率いたキャベンディッシュ研究所(ケンブリッジ大学)のグループが、原子核変換、その応用と考えられる太陽や地球の年齢の推定、更に、原子構造から原子核の内部の研究への先導役を果たした。この研究所でなされた中性子の発見は、原子核構造論に新紀元を劃した。
第3回 2月16日(木) 核分裂の発見と研究―連鎖反応の可能性
詳細:ウラン(U)やトリウム(Th)のような超重核の中には、自然放射能により崩壊するものがある。1938年には、ウランの同位体(U235)が2体に崩壊するという核分裂現象が発見された。核分裂から解放される核エネルギーと発生した中性子は、連鎖反応を引き起こす可能性があり、この核エネルギーを利用する手段をも構想する人びとが現れた。
第4回 2月23日(木) 第二次世界大戦下における科学者の動員―マンハッタン計画
詳細:核分裂により解放される核エネルギー量がぼう大であることから、軍事兵器として利用する可能性に気づいた人たちがいた。レオ・シラードほかの亡命科学者たちであった。アインシュタインがF・ルーズヴェルトに宛てた手紙がきっかけとなって、マンハッタン計画が始まる。
第5回 3月 1日(木) 原子炉と原子爆弾―フェルミ、ローレンス、オッペンハイマー
詳細:1942年12月2日、シカゴ大学の運動場観客席下に建設された人類初の原子炉が、フェルミの指揮下に稼働、最初の原子の火が灯った。ニュー・メキシコ、ロスアラモスに設置された原爆開発のための研究所が、オッペンハイマーの下で始動した。
第6回 3月 8日(木) ヒロシマとナガサキ―日本における原爆開発研究はどうであったか
詳細:ニュー・メキシコ州オワイトサンズで、1945年7月16日早朝、原子爆弾の爆発テストがなされ成功した。原子核に潜む核エネルギーの取り出しに成功したのである。そうして、その年の8月6日にヒロシマ(廣島)、9日にナガサキ(長崎)に原子爆弾が投下された。日本における原爆開発研究にふれつつ、兵器として、国際政治の中に登場する動きを眺望する。
第7回 3月15日(木) 原子力の平和利用に向けて―原子力発電所の安全性
詳細:1942年暮における原子炉運転の成功は、核エネルギーを制御して取りだし、利用できる可能性を示唆していた。アメリカ、フランス、ソヴィエトを初めとした多くの国々に原子力発電所が建設され、現在も稼働している。運用をめぐっては、今までにも大きな事故が起こっている。2011年3月11日に起こった福島第一原子力発電所の事故も、その一例である。
講師陣
名前 | 桜井 邦朋 |
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肩書き | 神奈川大学名誉教授、早稲田大学理工学術院総合研究所客員顧問研究員 |
プロフィール | 1956年京都大学理学部卒業。理学博士。1968年NASAゴダード宇宙飛行センター上級研究員。神奈川大学では工学部長、学長を歴任、2004年より現職。専門分野は高エネルギー宇宙物理学、太陽物理学、宇宙空間物理学。主要著書に『生命はどこからきたか─宇宙物理学からの視点』(御茶の水書房)、『天才たちの宇宙像』『夏が来なかった時代』(以上、吉川弘文館)、『宇宙物理学』(共立出版)、『日本語は本当に「非論理的」か』(祥伝社)、『新版 天文学史』(ちくま学芸文庫、筑摩書房)、『ニュートリノ論争はいかにして解決したか』(講談社)、『移り気な太陽―太陽活動と地球環境との関わり』(恒星社厚生閣)など。 |