講座詳細情報
申し込み締切日:2011-10-28 / その他教養:心理:世界史 / 学内講座コード:11B1610201
装いと権力 服飾史から見えてくるもの
- 開催日
- 11月 1日(火)、11月 8日(火)、11月15日(火)
- 講座回数
- 3回
- 時間
- 13:00~14:30
- 講座区分
- 数回もの
- 入学金
- -
- 受講料
- 5,000円
- 定員
- 50
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
関連講座
講座詳細
【講座内容】
結婚以外に社会に占める地位がなく、自分を表現することが難しい時代の女性たちにとり、自己表現の唯一の手段は装うことであった。誰も、美しく装った女性を非難したりはしない。社会悪や男性の勝手な振る舞いを言葉にしたら、すぐに社会から葬り去られるであろう。そんな社会において、女性たちは装いを武器にした。権力に利用する女性、運命を装いで表現する女性。また、女性を自分の思い通りに装わせることで、社会へメッセージを送った女性たちもいた。装いと女性、もう一度考えてみよう。
【講座スケジュール】
第1回11月 1日(火) いかにして衣装を権力に変えたか―イギリス女王エリザベス一世
詳細:エリザベス一世は、女性に課せられた美徳である沈黙、従順、貞節を乗り越えるために、衣装を武器にした。美しく着飾ることで、自分は「弱い」女性である身を片時も忘れていないことを男性の臣下たちに示しながら、身体に隠す王の勇気を政治上では存分に発揮した。美を装いながら、男性に劣らぬ判断力や意志力を行使した。
第2回11月 8日(火) いかにして運命を乗り越えたか―フランス王妃マリー・アントワネット
詳細:14歳でフランス皇太子の花嫁となり、心も身体も大人にならないまま、ヴェルサイユ宮殿に入り込んでしまった少女。彼女が何よりも好きだったのは美しく人形のように装うこと。しかし、そのとき、夫の祖国フランスは革命に向けて歩を進めていた。革命に深く結びつけられたマリー・アントワネットの運命、その避けがたい運命を、マリー・アントワネットは装いで表現する。装いが変わるごとに内面は変化し、自己理解を深めてゆく。自分に課せられた運命を、マリー・アントワネットほど装いに表わした女性はいない。
第3回11月15日(火) 女性の身体を衣装から解放したココ・シャネルと、日本のバタフライ森英恵
詳細:19世紀末のヨーロッパでは、ふたたびパニエでスカートを張らした装飾過多のドレスが流行した。そこには、女性を家庭に閉じ込め、壁を飾る花のようにしたいという原理がはたらいていた。ココ・シャネルは女性の動きを制限するこのような衣装を嫌い、動きやすい衣装を考案し、一躍時代の寵児になる。シャネル・スーツはヨーロッパを席巻した。パリを訪れた森英恵が最初に作ってもらったのが、シャネル・スーツ。この一着が森の世界を変える。彼女は、パリのオートクチュール界に乗り出してゆく。西洋と日本が出逢って創作された森英恵のドレスは欧米の女性たちの心を鷲づかみにした。
結婚以外に社会に占める地位がなく、自分を表現することが難しい時代の女性たちにとり、自己表現の唯一の手段は装うことであった。誰も、美しく装った女性を非難したりはしない。社会悪や男性の勝手な振る舞いを言葉にしたら、すぐに社会から葬り去られるであろう。そんな社会において、女性たちは装いを武器にした。権力に利用する女性、運命を装いで表現する女性。また、女性を自分の思い通りに装わせることで、社会へメッセージを送った女性たちもいた。装いと女性、もう一度考えてみよう。
【講座スケジュール】
第1回11月 1日(火) いかにして衣装を権力に変えたか―イギリス女王エリザベス一世
詳細:エリザベス一世は、女性に課せられた美徳である沈黙、従順、貞節を乗り越えるために、衣装を武器にした。美しく着飾ることで、自分は「弱い」女性である身を片時も忘れていないことを男性の臣下たちに示しながら、身体に隠す王の勇気を政治上では存分に発揮した。美を装いながら、男性に劣らぬ判断力や意志力を行使した。
第2回11月 8日(火) いかにして運命を乗り越えたか―フランス王妃マリー・アントワネット
詳細:14歳でフランス皇太子の花嫁となり、心も身体も大人にならないまま、ヴェルサイユ宮殿に入り込んでしまった少女。彼女が何よりも好きだったのは美しく人形のように装うこと。しかし、そのとき、夫の祖国フランスは革命に向けて歩を進めていた。革命に深く結びつけられたマリー・アントワネットの運命、その避けがたい運命を、マリー・アントワネットは装いで表現する。装いが変わるごとに内面は変化し、自己理解を深めてゆく。自分に課せられた運命を、マリー・アントワネットほど装いに表わした女性はいない。
第3回11月15日(火) 女性の身体を衣装から解放したココ・シャネルと、日本のバタフライ森英恵
詳細:19世紀末のヨーロッパでは、ふたたびパニエでスカートを張らした装飾過多のドレスが流行した。そこには、女性を家庭に閉じ込め、壁を飾る花のようにしたいという原理がはたらいていた。ココ・シャネルは女性の動きを制限するこのような衣装を嫌い、動きやすい衣装を考案し、一躍時代の寵児になる。シャネル・スーツはヨーロッパを席巻した。パリを訪れた森英恵が最初に作ってもらったのが、シャネル・スーツ。この一着が森の世界を変える。彼女は、パリのオートクチュール界に乗り出してゆく。西洋と日本が出逢って創作された森英恵のドレスは欧米の女性たちの心を鷲づかみにした。
講師陣
名前 | 石井 美樹子 |
---|---|
肩書き | 神奈川大学外国語学部教授 |
プロフィール | 1974~78年英国ケンブリッジ大学大学院にて中世英文学を専攻。文学博士。その後ケンブリッジ大学東洋学部専任講師、静岡大学教授を経て現職。専門は中世・ルネサンスのイギリス文学・歴史。主要著書に『聖母のルネサンス』(岩波書店)、『エリザベス―華麗なる孤独』(中央公論新社)、『ヨーロッパの王妃』『ヨーロッパ 宮廷の愛人たち』『マリー・アントワネットの宮廷画家―ルイーズ・ヴィジェ・ルブランの生涯』(以上、河出書房新社)ほか多数。 |