講座詳細情報
申し込み締切日:2022-03-11 / 文学 / 学内講座コード:”2141G103
司馬遼太郎は何を伝えたかったのか
主催:東京都立大学オープンユニバーシティ[東京都立大学 オンライン講座(東京都)]
問合せ先:
問合せ先:
東京都公立大学法人 東京都立大学
東京都立大学オープンユニバーシティ
TEL: 03-3288-1050
FAX: 03-3264-1863
ou-kouza@jmj.tmu.ac.jp
https://www.ou.tmu.ac.jp/web/
〒102-0072 東京都千代田区飯田橋3-5-1東京区政会館3階
- 開催日
- 3月12日(土)
- 講座回数
- 1回
- 時間
- 13:30~15:00
- 講座区分
- 1回もの
- 入学金
- 3,000円
- 受講料
- 3,000円
- 定員
- 60
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
関連講座
講座詳細
【講座内容】
2021年春期より「日本の魅力ある博物館・美術館シリーズ」講座がスタートしました。北海道から沖縄まで、日本全国の魅力ある個性的なミュージアムとそのコレクション・企画展など、現地からオンラインで講座をお届けします。第5弾は、日本が生んだ偉大な歴史小説家 司馬遼太郎の精神を後世に伝える司馬遼太郎記念館の紹介と、上村館長の講演をお届けします。
司馬遼太郎記念館は2001年11月、東大阪市の住宅街の一画に開館し、2021年11月に開館20周年を迎えました。
司馬遼太郎の自宅と隣接地に建つ安藤忠雄さん設計のコンクリート打ちっ放しの建物で構成されています。地下1階、地上2階、ゆるやかな曲線を描くシンプルな構造で、雑木林風の庭の小径から窓越しに、司馬遼太郎の書斎を間近に見ることができます。
この記念館は「見る」、というより「感じる」「考える」記念館という位置づけです。その代表が、安藤さん設計の新設部分に展開する、高さ11メートル3層吹き抜けの大書架です。約2万冊の蔵書の世界が広がり、まさに、司馬遼太郎の精神を感じることのできる空間です。
本講座は司馬遼太郎の義弟である上村洋行氏(司馬遼太郎記念館 館長)に講師として登壇していただきます。長年に渡り司馬遼太郎に直接接してこられた上村館長に、司馬遼太郎の思索や人となりなどエピソードも交えて語っていただきます。
日本を代表する歴史小説作家として老若男女を問わず多くの読者ファンを持ち、また戦後知識人にも「日本人とは何か」という問いに対して大きな影響を与えてきた司馬遼太郎。戦国・江戸・明治期の様々な日本人の行動を、その思想と時代背景を交えながら多くの作品で語ってきました。司馬作品がいまだに我々を魅了してやまないのは何故でしょうか。
司馬遼太郎が作家の道を歩むきっかけの一つに、戦争体験や新聞記者の時代があったと思います。産経新聞の京都支局時代は、京都にしかない、宗教の記者クラブと大学の記者クラブの二つを担当していました。
京都のアカデミズムとの接触、そして宗教を通して日本の思想の変遷をたどってみるという経験が、その後作家として活動するうえで、大きな意味を持ったのではないかと思います。
司馬作品の根底に流れるテーマは、「人間とは何か」「日本人とは何か」「日本という国はどんな国なのか」、ということだったと思います。かつて、歴史観は、皇国史観あるいはマルクス主義による唯物史観の2つで構成されていました。「それでは本当の歴史が見えてこない」「自分で確かめる以外にない」――司馬遼太郎は自分の眼で歴史を調べ、どう解釈するか自分で判断していく努力をずっと続けた人です。
『坂の上の雲』は、司馬遼太郎が40代の後半ほぼすべてを費やした作品です。『坂の上の雲』は、「人間とは」「日本人とは」というテーマが最も際立っている気がします。正岡子規、秋山好古・真之ら、その当時の人々を代表するような性質、性格を持つ人物を通して、明治という時代を初めて立体的に浮上させました。この小説の主人公たちは「公」と「私」というもののバランスが極めて健全な形だったのではないかと思います。翻って今の時代は「私」が大きく広がってしまい、「公」の精神が抜け落ち、それが多くの社会のひずみを起こしている感じがします。司馬遼太郎は「公」と「私」を常に考えていました。
今回の講座では、司馬遼太郎が我々に何を伝えたかったのかを考えてみたいと思います。
【講座スケジュール】
第1回 03-12 13:30~15:00
2021年春期より「日本の魅力ある博物館・美術館シリーズ」講座がスタートしました。北海道から沖縄まで、日本全国の魅力ある個性的なミュージアムとそのコレクション・企画展など、現地からオンラインで講座をお届けします。第5弾は、日本が生んだ偉大な歴史小説家 司馬遼太郎の精神を後世に伝える司馬遼太郎記念館の紹介と、上村館長の講演をお届けします。
司馬遼太郎記念館は2001年11月、東大阪市の住宅街の一画に開館し、2021年11月に開館20周年を迎えました。
司馬遼太郎の自宅と隣接地に建つ安藤忠雄さん設計のコンクリート打ちっ放しの建物で構成されています。地下1階、地上2階、ゆるやかな曲線を描くシンプルな構造で、雑木林風の庭の小径から窓越しに、司馬遼太郎の書斎を間近に見ることができます。
この記念館は「見る」、というより「感じる」「考える」記念館という位置づけです。その代表が、安藤さん設計の新設部分に展開する、高さ11メートル3層吹き抜けの大書架です。約2万冊の蔵書の世界が広がり、まさに、司馬遼太郎の精神を感じることのできる空間です。
本講座は司馬遼太郎の義弟である上村洋行氏(司馬遼太郎記念館 館長)に講師として登壇していただきます。長年に渡り司馬遼太郎に直接接してこられた上村館長に、司馬遼太郎の思索や人となりなどエピソードも交えて語っていただきます。
日本を代表する歴史小説作家として老若男女を問わず多くの読者ファンを持ち、また戦後知識人にも「日本人とは何か」という問いに対して大きな影響を与えてきた司馬遼太郎。戦国・江戸・明治期の様々な日本人の行動を、その思想と時代背景を交えながら多くの作品で語ってきました。司馬作品がいまだに我々を魅了してやまないのは何故でしょうか。
司馬遼太郎が作家の道を歩むきっかけの一つに、戦争体験や新聞記者の時代があったと思います。産経新聞の京都支局時代は、京都にしかない、宗教の記者クラブと大学の記者クラブの二つを担当していました。
京都のアカデミズムとの接触、そして宗教を通して日本の思想の変遷をたどってみるという経験が、その後作家として活動するうえで、大きな意味を持ったのではないかと思います。
司馬作品の根底に流れるテーマは、「人間とは何か」「日本人とは何か」「日本という国はどんな国なのか」、ということだったと思います。かつて、歴史観は、皇国史観あるいはマルクス主義による唯物史観の2つで構成されていました。「それでは本当の歴史が見えてこない」「自分で確かめる以外にない」――司馬遼太郎は自分の眼で歴史を調べ、どう解釈するか自分で判断していく努力をずっと続けた人です。
『坂の上の雲』は、司馬遼太郎が40代の後半ほぼすべてを費やした作品です。『坂の上の雲』は、「人間とは」「日本人とは」というテーマが最も際立っている気がします。正岡子規、秋山好古・真之ら、その当時の人々を代表するような性質、性格を持つ人物を通して、明治という時代を初めて立体的に浮上させました。この小説の主人公たちは「公」と「私」というもののバランスが極めて健全な形だったのではないかと思います。翻って今の時代は「私」が大きく広がってしまい、「公」の精神が抜け落ち、それが多くの社会のひずみを起こしている感じがします。司馬遼太郎は「公」と「私」を常に考えていました。
今回の講座では、司馬遼太郎が我々に何を伝えたかったのかを考えてみたいと思います。
【講座スケジュール】
第1回 03-12 13:30~15:00
備考
日本の魅力ある博物館・美術館シリーズ第5弾
司馬遼太郎記念館
司馬遼太郎が最後まで暮らした東大阪市下小阪の旧邸には、司馬が使っていた書斎が愛用の眼鏡、長椅子などと合わせて、生前の時そのままに残っています。
司馬遼太郎記念館
住 所:〒577-0803 大阪府東大阪市下小阪3丁目11番18号
開館時間:10:00~17:00(入館受付は16:30まで)
休 館 日:毎週月曜(祝日の場合は開館し翌日休館)
年末年始(12/28~1/4)特別資料整理期間9/1~9/10
観 覧 料:大人 500円、高・中学生 300円、小学生 200円
20名以上の団体は、入館料が2割引
司馬遼太郎(しばりょうたろう)
1923(大正12)年、大阪市生まれ。
大阪外国語学校蒙古語部(のち大阪外大、現大阪大学外国語学部)卒業。
1960年(昭和35)、『梟の城』で直木賞受賞。
1966年(昭和41)の『竜馬がゆく』『国盗り物語』による菊池寛賞はじめ、多くの賞を受賞。『坂の上の雲』『翔ぶが如く』『花神』『関ヶ原』『功名が辻』『峠』『菜の花の沖』といった小説、『街道をゆく』『この国のかたち』『風塵抄』などの紀行、エッセイ、対談などの作品多数。
※アーカイブ配信(録画)も視聴できます。
※高校生は専用ページからお申し込みください。
単位数:1単位
※定員の充足状況の変化で、締切前でも受付終了・開講中止等になる場合があります。
お申込の際は、リンク先の主催校のホームページをご確認下さい。
司馬遼太郎記念館
司馬遼太郎が最後まで暮らした東大阪市下小阪の旧邸には、司馬が使っていた書斎が愛用の眼鏡、長椅子などと合わせて、生前の時そのままに残っています。
司馬遼太郎記念館
住 所:〒577-0803 大阪府東大阪市下小阪3丁目11番18号
開館時間:10:00~17:00(入館受付は16:30まで)
休 館 日:毎週月曜(祝日の場合は開館し翌日休館)
年末年始(12/28~1/4)特別資料整理期間9/1~9/10
観 覧 料:大人 500円、高・中学生 300円、小学生 200円
20名以上の団体は、入館料が2割引
司馬遼太郎(しばりょうたろう)
1923(大正12)年、大阪市生まれ。
大阪外国語学校蒙古語部(のち大阪外大、現大阪大学外国語学部)卒業。
1960年(昭和35)、『梟の城』で直木賞受賞。
1966年(昭和41)の『竜馬がゆく』『国盗り物語』による菊池寛賞はじめ、多くの賞を受賞。『坂の上の雲』『翔ぶが如く』『花神』『関ヶ原』『功名が辻』『峠』『菜の花の沖』といった小説、『街道をゆく』『この国のかたち』『風塵抄』などの紀行、エッセイ、対談などの作品多数。
※アーカイブ配信(録画)も視聴できます。
※高校生は専用ページからお申し込みください。
単位数:1単位
※定員の充足状況の変化で、締切前でも受付終了・開講中止等になる場合があります。
お申込の際は、リンク先の主催校のホームページをご確認下さい。
講師陣
名前 | 上村 洋行 |
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肩書き | 司馬遼太郎記念館 館長 |
プロフィール | 東大阪生まれ。1967年、同志社大学法学部法律学科卒業後、産経新聞社入社、京都支局配属。京都総局長、大阪本社編集局次長などを歴任後、退社。現在、司馬遼太郎記念財団理事長を兼務。館長として「司馬遼太郎が見た世界」『坂の上の雲』に見る武人の教養、「司馬遼太郎と城」など数多くの企画展を立案。 |