講座詳細情報
申し込み締切日:2019-07-25 / 日本史:その他教養 / 学内講座コード:311042k
後宇多法皇と後醍醐天皇-仏法との関わり- 【連続講座】歴代天皇の足跡をたどる 第11回目
- 開催日
- 7月26日(金)
- 講座回数
- 1回
- 時間
- 13:00~14:30
- 講座区分
- 1回もの
- 入学金
- -
- 受講料
- 1,500円
- 定員
- 16
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
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講座詳細
【講座内容】
藤沢の清浄光寺に伝わる後醍醐天皇像には、弘法大師が師恵果から授けられ唐から持ち帰ったとされる袈裟をつけ、手には三鈷杵をもつ俗体の天皇が描かれています。この姿は「異形」と呼ばれ、後醍醐天皇の治世を特徴づけることになります。文観弘真は近侍した後醍醐天皇を「大師再誕、秘蔵帝王」、つまり弘法大師の生まれ変わりであり、密教を伝えるに相応しいとしたように、真言密教に篤い崇敬を寄せた天皇の一人でした。この後醍醐天皇による密教への傾倒は、実はその父君である後宇多法皇の強い影響を受けたものでしょう。後宇多法皇は、寺統の亀山天皇の皇太子として幼時に践祚し、二十一歳にして伏見天皇に譲位していますが、幼少より仏法への崇敬の姿が見られました。後宇多上皇は妃の遊義門院が亡くなると直ちに出家を遂げ、広沢流を引く仁和寺真光院の禅助より東寺灌頂院で伝法灌頂を受け、さらに小醍醐寺報恩院憲淳から小野流の秘法を相承し、広沢・小野両流に分かれた弘法大師以来の密教の「一揆」(一体化)を図ったのです。このように仏法、とりわけ密教に傾倒した天皇・上皇の実像を、鎌倉後期から南北朝時代に登場した後宇多法皇と後醍醐天皇の生涯に見ることにしたい。
【講座スケジュール】
第1回 7月26日(金)
藤沢の清浄光寺に伝わる後醍醐天皇像には、弘法大師が師恵果から授けられ唐から持ち帰ったとされる袈裟をつけ、手には三鈷杵をもつ俗体の天皇が描かれています。この姿は「異形」と呼ばれ、後醍醐天皇の治世を特徴づけることになります。文観弘真は近侍した後醍醐天皇を「大師再誕、秘蔵帝王」、つまり弘法大師の生まれ変わりであり、密教を伝えるに相応しいとしたように、真言密教に篤い崇敬を寄せた天皇の一人でした。この後醍醐天皇による密教への傾倒は、実はその父君である後宇多法皇の強い影響を受けたものでしょう。後宇多法皇は、寺統の亀山天皇の皇太子として幼時に践祚し、二十一歳にして伏見天皇に譲位していますが、幼少より仏法への崇敬の姿が見られました。後宇多上皇は妃の遊義門院が亡くなると直ちに出家を遂げ、広沢流を引く仁和寺真光院の禅助より東寺灌頂院で伝法灌頂を受け、さらに小醍醐寺報恩院憲淳から小野流の秘法を相承し、広沢・小野両流に分かれた弘法大師以来の密教の「一揆」(一体化)を図ったのです。このように仏法、とりわけ密教に傾倒した天皇・上皇の実像を、鎌倉後期から南北朝時代に登場した後宇多法皇と後醍醐天皇の生涯に見ることにしたい。
【講座スケジュール】
第1回 7月26日(金)
備考
※日程、講座内容の変更、休講・補講等がある場合があります。
お申込の際は、リンク先の主催校のホームページをご確認下さい。
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講師陣
名前 | 永村 眞 |
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肩書き | 日本女子大学名誉教授 |
プロフィール | 早稲田大学政治経済学部経済学科卒、同大学院文学研究科博士課程中退、東京大学史料編纂所助手・助教授、日本女子大学助教授・教授を経て、現在、日本女子大学名誉教授、人間文化研究機構客員教授、文学博士。著書『中世東大寺の組織と経営』(塙書房刊)、『中世寺院史料論』(吉川弘文館刊)、編著『醍醐寺の歴史と文化財』(勉誠出版刊)、論文「醍醐寺の仏法と文化財」(奈良国立博物館刊『世界遺産 京都・醍醐寺』)、「醍醐寺三宝院の法流と聖教」(『醍醐寺文化財研究所紀要』23号)、「鎌倉仏教-密教「聖教」の視点から-(『智山学報』66輯)、「中世聖教の料紙-醍醐寺聖教を素材として-」(『古文書料紙論叢』)、「中世根来寺の法儀と聖教」(「中世文学」63号)。第23回角川源義賞、第55回密教学芸賞受賞。 |
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