大学公開講座のセカンドアカデミー

【講座趣旨】
　中国悠久の歴史のなかで、ひときわ高くそびえるのが隋唐300年（581－907年）の時代です。当時の世界でこれに比肩する国はなく、日本は、この巨大な王朝と向き合い、時に緊張した関係をもちつつ、多くの文化を受け入れ、国の基を固めました。この国はどのようにして生れ、どのような歴史をたどり、中国・東アジア史の上に如何なる位置を占めたでしょうか。本講座では、時に前後の時代や周辺地域にも踏み出し、隋唐国家の特質やその魅力に迫ります。講義では図像や史料、時には新発見の資料や歴史の裏側のエピソードなどを交えながら進めます。
　今期は、隋唐国家の仕組みとそこに生きた人々のあり方に目を向け、唐代史の新たな一面を浮き彫りにし、その時代の魅力に迫ります。

【紹介動画】
https://commonsi.muc.meiji.jp/em/621eb217d7260
※本動画は、担当講師が講座の魅力やねらいなどを数分でまとめたものです。お申込みの参考にしてください。
（ストリーミング動画です。通信費は視聴者負担となります。）

【特記事項】
コロナ禍は収まりそうになく、従前の中国現地フィールドワークに代わり、オンラインで現地の歴史を知る機会も考えたい。

※本講座はリアルタイム配信型(見逃し配信付き)となります。
■見逃し配信視聴方法(収録動画のストリーミング配信)
各回実施日の翌々日(日・祝日を除く)21時までに会員のページ「マイページ」に公開します。
視聴期限は、最終回の収録動画を公開してから2週間後です。期間中は何度でも視聴できます。
見逃し配信に関する詳細及び注意事項は、下記「オンライン講座ご受講にあたって」をご確認ください。

※お申込み前に必ずオンライン講座ご受講にあたってをご確認ください。

※初めてZoomをご利用になる方は、Zoomご利用ガイドをご覧ください。

■申込締切日:5月11日(水)

■受講に際し、必ず入会と受講のご案内をご確認ください。

囲碁する唐代美女(唐墓出土絹絵)

【講義概要】
第1回 5月19日(木) 唐の都長安:「長安の春」の背景
唐の都長安は、前代の隋初に建成された。そこに至る歴史的背景や都市構造の特色、人々の生活空間などを明らかにします。

第2回 6月 2日(木) 官制と文書行政のシステム
行政の制度、官僚システム、文書制度と形式など押さえることを通じて、大唐帝国がどのように運営されたか考えます。

第3回 6月16日(木) 唐代の科挙と学校
科挙は試験による人材登用の制度、その背後には様々な学校が連なる。8世紀前半に定着したその全容を明らかにし、家庭教育、女性教育にも及びます。

第4回 6月30日(木) 医療のシステムと疾病の諸相(第2回)
中国史上の医療システムと疾病の問題はこれまであまり語られていない。その反省に立って、唐代の医療、病気の諸問題を考察します。

第5回 7月14日(木) 楊貴妃:中国第一の美女の再検討
美女で有名な楊貴妃を、白楽天の「長恨歌」から離れ、その実像に迫り、彼女が馬隗駅で殺されなければならなかった背景に迫ります。

【教材】
配付資料
※会員のページ「マイページメニュー」の「オンライン講座視聴・資料ダウンロード」にてダウンロードしていただきます。

テキスト情報
《参考文献》
氣賀澤保規著『絢爛たる世界帝国 隋唐時代』(講談社学術文庫、2020年、1350円)
石田幹之助著『長安の春』(講談社学術文庫)

名前	氣賀澤 保規
肩書き	元明治大学文学部教授 明治大学東アジア石刻文物研究所所長 東洋文庫研究員 博士(文学)
プロフィール	京都大学文学部卒業。同大学院修了。1995年より2014年3月明治大学文学部教授。専門は中国中世の政治社会文化史。主著に『府兵制の研究』(同朋舎、明治大学学術奨励賞受賞)、『則天武后』(講談社学術文庫)、『中国の歴史12、絢爛たる世界帝国 隋唐時代』(講談社学術文庫)、『遣隋使がみた風景』(八木書店)、『中国中世仏教石刻の研究』(勉誠出版)、『中国仏教社会の基層構造の研究』、『雲南の歴史と文化とその風土』(明大人文研叢書)、『新編唐代墓誌所在総合目録』、『隋唐洛陽と東アジア』(法蔵館)、『現代語訳 北斉書』(勉誠出版)など。