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トップ > 遊学のガイド > 体験レポートNo.007 地球環境学Ⅰ 温暖化と循環社会 第2回


遊学モニターレポート

地球環境学Ⅰ 温暖化と循環社会

セカンドアカデミーを通じて講座を受講なさった方々に、実際の講座の様子をご紹介いただく、『遊学モニターレポート』、 第7回目の今回は東京の上智大学の「地球環境学Ⅰ 温暖化と循環社会」を受講した佐々木偉彰(40代、男性)のレポートです。

地球環境学レポート:第1回第2回第3回
鷲田環境税講座は驚愕の「頭の体操クイズ」から始った
仕事の関係で地球環境問題についてベースとなる知識を得たいと思い、 セカンドアカデミーで検索し、上智大学の「地球環境学Ⅰ 温暖化と循環社会」に申込みました。 今回はその2回目。
1回目のレポートはこちら
「環境税」についてという難しいテーマですが、そのスタートは、ニンテンドーDS「頭の体操クイズ」にあるようなクイズから始りました。

A社、B社とも年間120tの廃棄物を出しています。政策的に年間100t廃棄物を減らす時に、 
(イ方式) 規制で各社50tずつ削減させる
(ロ方式) 1tの排出につき20万円ずつ課税する
それぞれの、社会全体とA・B各社の費用負担を算出し、どちらが適切かを考えなさい。

(参考)廃棄物削減に必要な経費
  25t 50t 75t 100t
A社
100万円
300万円
700万円
1,400万円
B社
300万円
900万円
2,100万円
3,000万円

この問題自身解くのは比較的簡単で、「ふん、ふん」と解いていくのですが、結果は驚愕の結果。 社会全体としての費用負担が少ないのは(ロ方式)=環境税方式であるが、一方でこれは、A社、B社の経営者側からは、受け入れ難い方式であるということです。 説明の詳細は割愛しますが、このクイズに、環境税の難しさの本質が見事に表現されていました。
もう一つの驚愕か絶望か
テンポよく、地球温暖化やごみの有料化問題のアウトラインを、具体的資料を基にレクチャーいただいたのだが、以下の表には驚愕かつ絶望感を感じざるを得ないものがありました。
■主要国の排出量(2000年)
 
排出(千トン)
排出割合(%)
1人当たり排出
米国 5605585 24.37 19.8
中国 2792482 12.14 2.2
ロシア 1436101 6.24 9.86
日本 1185364 5.15 9.35
インド 1071638 4.66 1.06
ドイツ 786082 3.42 9.57
中国、インドの1人当たり排出量が先進国並になったら、一体どうなるのでしょう?
一筋の光を求めて研究室へ

上智大学院 地球環境学研究科 鷲田豊明教授あっと言う間に1時間が経過し講義は終了。自由と環境の両立のためには、環境税をはじめとする、経済的手法が理想とはいえ、その実施のハードルの高さや、少々の努力が吹っ飛ぶような中国・インド問題。悶々とする気持ちをぶつけるために、講座終了後、鷲田研究室を伺い、お話をお聞きしました。

-悶々としているのですが、解決のヒントを教えていただけますか?

イメージ:テキスト解決策は明確には無いですね。特に、中国、インド問題については、どうすることも出来ない。自分たちが散々環境を汚染している現状で彼らに言う資格はないでしょう。唯一残された道は、私たち自らが、『もったいない』『足るを知る』『若干生活の質を落としても満足する』といった意識の変革を行い、循環型社会のモデルを作ること。それさえも出来なかったら、どうしようもない。

※写真中央が博士号を取得した論文『環境とエネルギーの経済分析』(白桃書房)環境経済学の先駆け論文。

-その具体的方策としては、やはり環境税ですか?

環境税をはじめとする経済的手法です。やはり自由は大切です。自由の無い社会は息苦しい。規制ではなく、環境と自由のいい按配をコントロールする経済的手法に光を見出したいですね。

ここまでお聞きして、ある種の「腹のすわり」を感じました。まず自分たちが意識の変革を起こすこと。それしかないですね。

途中で分ったのですが、鷲田先生は私と同じ武生高校出身。高校の先輩だったのです。また、博士号を取得され研究をされた神戸大学六甲台は、私の学び舎でもありました。懐かしい恩師の話や、兼松記念館の匂いの話で盛り上がってしまいました。

また先生の波乱万丈なこれまでの経歴を聞かせていただき、これからもきっと、これまで以上に波乱万丈なんだろうと期待感一杯に失礼しました。ありがとうございました。

講座のご紹介
今回ご紹介するのは、この講座と同じような自然科学・環境関係の講座です。


この機会に皆様もぜひご参加ください。

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