講座詳細情報
申し込み締切日:2022-07-08 / 文学:日本史:芸術・文化 / 学内講座コード:20221301
再生・古典文学 後世は『源氏物語』をどう甦らせたか
- 開催日
- 6/4, 6/18, 6/25, 7/9
- 講座回数
- 4
- 時間
- 13:30~15:00
- 講座区分
- 数回もの
- 入学金
- -
- 受講料
- 9,600円
- 定員
- 30
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
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講座詳細
日本の古典文学から、「再生」という観点で、世界的にも評価の高い『源氏物語』を取り上げます。
例えば近現代作家の場合、あるいは歌舞伎、映画というジャンルにおいて、平安時代中期に成立したとされる『源氏物語』は、1000年以上に及ぶ長い時の隔たり中でどのように「再生」されてきたのでしょうか。
本講座では4回連続で、各回、本学日本語日本文学科の教員に、それぞれの専門領域からアプローチしてもらいます。『源氏物語』は、本学の古典教育においても、伝統的に特に大事にしてきた作品の一つです。
受講生の皆様には、この講座を通して、ぜひご一緒に古典「再生」の現場に立ち会っていただければと思います。
6/4 『源氏物語』と江戸文芸(佐伯 孝弘)
世界に誇る日本の古典『源氏物語』は、後世に大きな影響を及ぼしました。江戸文芸も他ならず、近世小説や歌舞伎・浄瑠璃の演劇において、『源氏物語』は多々影響を与え、取り込まれています。
江戸時代の文芸の特徴を概説した上で、当時の様々な小説(井原西鶴作『好色一代男』、柳亭種彦作『偐紫田舎源氏』など)や演劇作品を取り上げつつ、江戸時代に『源氏物語』がどのように受け継がれ、俗化されていったか等について見ていきます。
6/18 『源氏物語』と堀辰雄 -「若菜」の巻を読む堀辰雄-(有光 隆司)
堀辰雄は日本の古典の中でも平安時代の女性文学を好んで愛読しましたが、とくに『更級日記』や『蜻蛉日記』の女性たちには深い同情を寄せました。それに比して『源氏物語』のような膨大な物語はむしろ苦手としましたが、堀が『源氏物語』に急接近したのには、折口信夫の影響が大きかったと思われます。また一方で、堀は日本の古典を語る際、決まって西洋の文学者の名を挙げています。たとえばプルーストでありトーマス・マンであり、レイモン・ラジゲなどです。本講座では「黒髪山」「姥捨山」「若菜の巻など」「更級日記など」等、戦時中に書かれたエッセイ類を手がかりに、堀の『源氏物語』に対する独特の読み方を確認したいと思います。
6/25 『源氏物語』と近現代の女性作家たち -円地文子がみた源氏の世界-(鈴木 直子)
近現代の女性作家たちにとって、『源氏物語』はどのような存在だったのでしょうか。女性が小説を書くことが必ずしも歓迎されていたわけではない中、女性が書いた長編物語である『源氏物語』は、書く女性たちにとって希望であり、よすがだったことでしょう。
本講座では、樋口一葉・田辺聖子・林真理子・角田光代など、源氏物語に縁の深い近現代の女性作家たちの中から、一九七〇年代に『源氏物語』現代語訳を刊行した円地文子という作家を中心にとりあげます。円地文子が『源氏物語』にどのように励まされていたのか、また源氏の世界のどんな部分に魅力を感じていたのか、六条御息所のイメージが色濃い『女面』という作品を中心にご紹介します。
7/9 『源氏物語』と映画(藤澤 秀幸)
昭和26年から36年までの間に、『源氏物語』の映画が3本作られました。戦前・戦中に『源氏物語』の映画はありませんし、昭和40年以降、令和に至るまで、『源氏物語』の映画はさほど多くはありません。『源氏物語』映画のちょっとしたブームがあったように思えますが、その背景や理由を考えつつ、昭和26年から36年までの『源氏物語』映画3作品を比較してみたいと思います。
『源氏物語』に関心のある方、映画に関心のある方、文学作品の映画化に関心のある方、はいうまでもなく、何でも知りたいという好奇心旺盛な方にも応えるお話をしたいと思っています。乞う、ご期待!
もちろん、それぞれの映画の名場面をご覧に入れます。
例えば近現代作家の場合、あるいは歌舞伎、映画というジャンルにおいて、平安時代中期に成立したとされる『源氏物語』は、1000年以上に及ぶ長い時の隔たり中でどのように「再生」されてきたのでしょうか。
本講座では4回連続で、各回、本学日本語日本文学科の教員に、それぞれの専門領域からアプローチしてもらいます。『源氏物語』は、本学の古典教育においても、伝統的に特に大事にしてきた作品の一つです。
受講生の皆様には、この講座を通して、ぜひご一緒に古典「再生」の現場に立ち会っていただければと思います。
6/4 『源氏物語』と江戸文芸(佐伯 孝弘)
世界に誇る日本の古典『源氏物語』は、後世に大きな影響を及ぼしました。江戸文芸も他ならず、近世小説や歌舞伎・浄瑠璃の演劇において、『源氏物語』は多々影響を与え、取り込まれています。
江戸時代の文芸の特徴を概説した上で、当時の様々な小説(井原西鶴作『好色一代男』、柳亭種彦作『偐紫田舎源氏』など)や演劇作品を取り上げつつ、江戸時代に『源氏物語』がどのように受け継がれ、俗化されていったか等について見ていきます。
6/18 『源氏物語』と堀辰雄 -「若菜」の巻を読む堀辰雄-(有光 隆司)
堀辰雄は日本の古典の中でも平安時代の女性文学を好んで愛読しましたが、とくに『更級日記』や『蜻蛉日記』の女性たちには深い同情を寄せました。それに比して『源氏物語』のような膨大な物語はむしろ苦手としましたが、堀が『源氏物語』に急接近したのには、折口信夫の影響が大きかったと思われます。また一方で、堀は日本の古典を語る際、決まって西洋の文学者の名を挙げています。たとえばプルーストでありトーマス・マンであり、レイモン・ラジゲなどです。本講座では「黒髪山」「姥捨山」「若菜の巻など」「更級日記など」等、戦時中に書かれたエッセイ類を手がかりに、堀の『源氏物語』に対する独特の読み方を確認したいと思います。
6/25 『源氏物語』と近現代の女性作家たち -円地文子がみた源氏の世界-(鈴木 直子)
近現代の女性作家たちにとって、『源氏物語』はどのような存在だったのでしょうか。女性が小説を書くことが必ずしも歓迎されていたわけではない中、女性が書いた長編物語である『源氏物語』は、書く女性たちにとって希望であり、よすがだったことでしょう。
本講座では、樋口一葉・田辺聖子・林真理子・角田光代など、源氏物語に縁の深い近現代の女性作家たちの中から、一九七〇年代に『源氏物語』現代語訳を刊行した円地文子という作家を中心にとりあげます。円地文子が『源氏物語』にどのように励まされていたのか、また源氏の世界のどんな部分に魅力を感じていたのか、六条御息所のイメージが色濃い『女面』という作品を中心にご紹介します。
7/9 『源氏物語』と映画(藤澤 秀幸)
昭和26年から36年までの間に、『源氏物語』の映画が3本作られました。戦前・戦中に『源氏物語』の映画はありませんし、昭和40年以降、令和に至るまで、『源氏物語』の映画はさほど多くはありません。『源氏物語』映画のちょっとしたブームがあったように思えますが、その背景や理由を考えつつ、昭和26年から36年までの『源氏物語』映画3作品を比較してみたいと思います。
『源氏物語』に関心のある方、映画に関心のある方、文学作品の映画化に関心のある方、はいうまでもなく、何でも知りたいという好奇心旺盛な方にも応えるお話をしたいと思っています。乞う、ご期待!
もちろん、それぞれの映画の名場面をご覧に入れます。
備考
テキスト:必要に応じてプリントを配布
オムニバス講座です。
オムニバス講座です。
講師陣
名前 | 佐伯 孝弘 |
---|---|
肩書き | 清泉女子大学教授 |
プロフィール | - |
名前 | 有光 隆司 |
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肩書き | 清泉女子大学史料室(準備室)顧問・元清泉女子大学教授 |
プロフィール | - |
名前 | 鈴木 直子 |
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肩書き | 清泉女子大学教授 |
プロフィール | - |
名前 | 藤澤 秀幸 |
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肩書き | 清泉女子大学教授 |
プロフィール | - |