講座詳細情報
申し込み締切日:2019-10-29 / 日本史 / 学内講座コード:312040d
俊乗房重源 -その信心と作善- 【連続講座】中世の人物像 ―文学と歴史からのアプローチ―
- 開催日
- 10月30日(水)
- 講座回数
- 1回
- 時間
- 15:00~16:30
- 講座区分
- 1回もの
- 入学金
- -
- 受講料
- 1,500円
- 定員
- 25
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
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講座詳細
【講座内容】
平家の焼討ちにより伽藍の多くを失った東大寺にあって、大仏・大仏殿・戒壇堂や南大門等をはじめ多くの堂塔の再建に尽力した造東大寺大勧進の俊乗房重源上人の存在は広く知られています。若き日に京都醍醐寺において修行を重ね、遁世して大峯・熊野等に入峯した後に、高野山を拠点に幅広い勧進活動を行うなかで、諸寺に勧進の成果をのこすことになりました。重源上人は、その生涯の六十代から八十代まで、東大寺の再建に顕著な功績をのこしましたが、その生涯をたどると様々な信心とともに、多彩な作善の姿を見ることができます。そこで法然と交流をもったと言われる浄土教への傾倒と造仏事業や、入宋三度と伝えられる新たな信心の模索にも目を向けてみたいと思います。また醍醐寺や高野山における造営・造仏、醍醐寺への宋版一切経の施入、さらには東大寺再興に関連して、播磨・周防・伊賀等に別所を設け、各々に浄土寺・阿弥陀寺・新大仏寺等の拠点寺院を造立し、地域における教化活動の拠点としました。このように東大寺再興にとどまらぬ多様な勧進活動の痕跡をのこした重源上人の信心と作善について考えてみたいと思います。
【講座スケジュール】
第1回10月30日(水)
平家の焼討ちにより伽藍の多くを失った東大寺にあって、大仏・大仏殿・戒壇堂や南大門等をはじめ多くの堂塔の再建に尽力した造東大寺大勧進の俊乗房重源上人の存在は広く知られています。若き日に京都醍醐寺において修行を重ね、遁世して大峯・熊野等に入峯した後に、高野山を拠点に幅広い勧進活動を行うなかで、諸寺に勧進の成果をのこすことになりました。重源上人は、その生涯の六十代から八十代まで、東大寺の再建に顕著な功績をのこしましたが、その生涯をたどると様々な信心とともに、多彩な作善の姿を見ることができます。そこで法然と交流をもったと言われる浄土教への傾倒と造仏事業や、入宋三度と伝えられる新たな信心の模索にも目を向けてみたいと思います。また醍醐寺や高野山における造営・造仏、醍醐寺への宋版一切経の施入、さらには東大寺再興に関連して、播磨・周防・伊賀等に別所を設け、各々に浄土寺・阿弥陀寺・新大仏寺等の拠点寺院を造立し、地域における教化活動の拠点としました。このように東大寺再興にとどまらぬ多様な勧進活動の痕跡をのこした重源上人の信心と作善について考えてみたいと思います。
【講座スケジュール】
第1回10月30日(水)
講師陣
名前 | 永村 眞 |
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肩書き | 日本女子大学名誉教授・東大寺学術顧問・醍醐寺文化財研究所研究員 |
プロフィール | 早稲田大学政治経済学部経済学科卒、同大学院文学研究科博士課程中退、東京大学史料編纂所助手・助教授、日本女子大学助教授・教授を経て、現在、日本女子大学名誉教授、大学共同研究利用機関法人人間文化研究機構客員教授、東大寺学術顧問、醍醐寺文化財研究所研究員。著書『中世東大寺の組織と経営』(塙書房刊)、『中世寺院史料論』(吉川弘文館刊)、編著『醍醐寺の歴史と文化財』(勉誠出版刊)、論文「醍醐寺三宝院の法流と聖教」(『醍醐寺文化財研究所紀要』23号)、「鎌倉仏教-密教「聖教」の視点から-」(『智山学報』66輯)、「中世聖教の料紙-醍醐寺聖教を素材として-」(『古文書料紙論叢』)、「中世根来寺の法儀と聖教」(「中世文学」63号)。第23回角川源義賞、第55回密教学芸賞受賞。 |