講座詳細情報
申し込み締切日:2018-04-05 / 芸術・文化 / 学内講座コード:301013
能と狂言 展開12講
- 開催日
- 4月6日(金)~7月27日(金)
- 講座回数
- 12回
- 時間
- 10:00~12:00
- 講座区分
- 前期
- 入学金
- -
- 受講料
- 26,000円
- 定員
- 50
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
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講座詳細
【講座内容】
「能は進化し続けているのだ」と梅若玄祥は言います。世阿弥時代と現代と変わらぬのは、能面と能の詞章だけかも知れません。幕府の式楽となって先鋭化する一方、農村に脈々として継承される黒川能もあります。能の海外での影響もあり、バチカンでキリストの能が上演され、ロックの王者プレスリーが英語の夢幻能になる時代です。私の体験を基に、能と狂言の百花繚乱の現状を語ります。
【講座スケジュール】
第1回 4月 6日(金) (1)黒川のシステム 王祇祭と能:国立能楽堂へ三度招かれて深い感動を与えた黒川能。信仰と農耕と芸能の一体化のバリ島のずっとずっと先輩に当たります。
第2回 4月13日(金) (2)黒川能と五流の能:五流のどことも異なる黒川能。そこには能の古態も多く伝えられています。「高砂」の比較と、狂言の場合を取りあげます。
第3回 4月20日(金) (3)「鐘巻」と「道成寺」の問題:黒川能が伝える「鐘巻」。「道成寺」の大胆な改変。大償神楽、黒川能、新作舞踊の「鐘巻」と「道成寺」を考えます。
第4回 4月27日(金) (4)三番叟の問いかけるもの:日本最古の舞とされる三番叟。最新技術による野村萬斎の解析、山本東次郎の精神性と、神と交わる黒川能の三番叟と。
第5回 5月11日(金) (5)イエーツと「鷹の泉」と「鷹姫」と:アイルランドの劇詩人への能の影響。横道萬里雄による新作「鷹の泉」と「鷹姫」。イエーツの作品が現地で狂言として上演された映像も。
第6回 5月25日(金) (6)キリストが能のシテに:バチカンの「復活のキリスト」。宝生流では初の新作能として宝生九郎によって初演。リンボウ先生林望の「聖パウロの回心」への展開。
第7回 6月 1日(金) (7)リチヤード・エマートの仕事:七五調の英語で書かれた能「セント・フランシス」から、イエーツの原語のままの「鷹の井戸」、夢幻能のエルビス・プレスリーまで、リチヤード・エマート教授を迎えての対談です。
第8回 6月 8日(金) (8)梅若玄祥の挑戦:ギリシャ人演出家による「エピタウロス」と、梅原猛作「世阿弥」と、「マリーアントワネット」et cetera。天才の果敢な能の改革です。
第9回 6月22日(金) (9)マクベス3態:狂言師・野村萬斎演ずるシェークスピア劇と、黒澤明監督「蜘蛛巣城」における翻案と、辰巳満次郎の新作能と。
第10回 6月29日(金) (10)番外1 「楢山節考」を考える:深澤七郎の作品の狂言化を提案したのは私でした。飢えの実感のない現代の再演と、いたずらな高齢化の問題と。映画化もされ、「男はつらいよ」にも扱われました。
第11回 7月13日(金) (11)番外2 私の海外交流体験:バリ島における梅若六郎、辰巳満次郎、山本則俊の実績。セントラルパークの雨の「船弁慶」梅若六郎、メトロポリタン美術館「翁」観世清和の映像も。
第12回 7月27日(金) (12)番外3 能楽回顧:70年の能楽界変動の総括です。第二次大戦後を生き延びる能のさまざまの、残り少ない証人になってしまいました。
「能は進化し続けているのだ」と梅若玄祥は言います。世阿弥時代と現代と変わらぬのは、能面と能の詞章だけかも知れません。幕府の式楽となって先鋭化する一方、農村に脈々として継承される黒川能もあります。能の海外での影響もあり、バチカンでキリストの能が上演され、ロックの王者プレスリーが英語の夢幻能になる時代です。私の体験を基に、能と狂言の百花繚乱の現状を語ります。
【講座スケジュール】
第1回 4月 6日(金) (1)黒川のシステム 王祇祭と能:国立能楽堂へ三度招かれて深い感動を与えた黒川能。信仰と農耕と芸能の一体化のバリ島のずっとずっと先輩に当たります。
第2回 4月13日(金) (2)黒川能と五流の能:五流のどことも異なる黒川能。そこには能の古態も多く伝えられています。「高砂」の比較と、狂言の場合を取りあげます。
第3回 4月20日(金) (3)「鐘巻」と「道成寺」の問題:黒川能が伝える「鐘巻」。「道成寺」の大胆な改変。大償神楽、黒川能、新作舞踊の「鐘巻」と「道成寺」を考えます。
第4回 4月27日(金) (4)三番叟の問いかけるもの:日本最古の舞とされる三番叟。最新技術による野村萬斎の解析、山本東次郎の精神性と、神と交わる黒川能の三番叟と。
第5回 5月11日(金) (5)イエーツと「鷹の泉」と「鷹姫」と:アイルランドの劇詩人への能の影響。横道萬里雄による新作「鷹の泉」と「鷹姫」。イエーツの作品が現地で狂言として上演された映像も。
第6回 5月25日(金) (6)キリストが能のシテに:バチカンの「復活のキリスト」。宝生流では初の新作能として宝生九郎によって初演。リンボウ先生林望の「聖パウロの回心」への展開。
第7回 6月 1日(金) (7)リチヤード・エマートの仕事:七五調の英語で書かれた能「セント・フランシス」から、イエーツの原語のままの「鷹の井戸」、夢幻能のエルビス・プレスリーまで、リチヤード・エマート教授を迎えての対談です。
第8回 6月 8日(金) (8)梅若玄祥の挑戦:ギリシャ人演出家による「エピタウロス」と、梅原猛作「世阿弥」と、「マリーアントワネット」et cetera。天才の果敢な能の改革です。
第9回 6月22日(金) (9)マクベス3態:狂言師・野村萬斎演ずるシェークスピア劇と、黒澤明監督「蜘蛛巣城」における翻案と、辰巳満次郎の新作能と。
第10回 6月29日(金) (10)番外1 「楢山節考」を考える:深澤七郎の作品の狂言化を提案したのは私でした。飢えの実感のない現代の再演と、いたずらな高齢化の問題と。映画化もされ、「男はつらいよ」にも扱われました。
第11回 7月13日(金) (11)番外2 私の海外交流体験:バリ島における梅若六郎、辰巳満次郎、山本則俊の実績。セントラルパークの雨の「船弁慶」梅若六郎、メトロポリタン美術館「翁」観世清和の映像も。
第12回 7月27日(金) (12)番外3 能楽回顧:70年の能楽界変動の総括です。第二次大戦後を生き延びる能のさまざまの、残り少ない証人になってしまいました。
備考
※定員の充足状況の変化や、休講・補講等がある場合があります。
お申込の際は、リンク先の主催校のホームページをご確認下さい。
お申込の際は、リンク先の主催校のホームページをご確認下さい。
講師陣
名前 | 増田 正造 |
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肩書き | 本学名誉教授 |
プロフィール | 1930年生まれ。早稲田大学で野村万作と同級。武蔵野大学名誉教授。同大学能楽資料センター主任を長く勤める。桜間弓川に師事。観世寿夫の華の会同人。『能楽思潮』の創刊、森の薪能・大宮薪能・明治神宮薪能などの創始に関わる。能楽音の会主宰。能の記録を続ける。目下観世清和宗家を中心に4K録画を続ける。著書に『能の表現-その逆説の美学』、観世寿夫賞の『能と近代文学』、『能のデザイン』『世阿弥の世界』、共著に『能と狂言』『黒川能の世界』『マンガ能百番』『OMOTE』ほか多数。映像作品に文部大臣賞の『鑑賞入門 狂言』、『能の華』『バリ島まるかじり』ほか。観世文庫の評議員。 |