大学公開講座のセカンドアカデミー

【講座内容】
『今昔物語集』巻第二十六の後半を読みます。前半の各話と同様に「前生の報い」が共通する主題ですが、題材がますます多様になり平安期の庶民の生活ぶりを知る格好の材料となっています。名もない人々の間で巡らされる謀略、殺人などのおどろおどろしい話、出産の話、金塊・銀塊を手に入れ富を得た話、東アジアとの交易を物語る話など、面白い題材が詰まっています。中でも芥川龍之介が『芋粥』の典拠として使った第十七話は、当時の地方豪族の権勢、人々の心理を如実に描く名作です。今回は、『今昔』の原話とともに『芋粥』も併せて読み、芥川の世界にも話題を広げてまいります。

【講座スケジュール】
第1回10月 6日(木) 第十二話　霊力のある帯
第2回10月13日(木) 第十三話　銀を得て金持ちになった話
第3回11月10日(木) 第十四話　陸奥国で黄金を得た話
第4回12月 1日(木) 第十六話　唐の商人とのかけ引き
第5回12月 8日(木) 第十七話（１）芋粥を好む五位の話
第6回 1月12日(木) 第十七話（２）芥川龍之介『芋粥』を読む
第7回 2月 2日(木) 第十八話　盗賊の恩返し
第8回 3月 2日(木) 第十九話　赤子の宿命
第9回 3月 9日(木) 第二十一話　破壊無慙の僧の話
第10回 3月16日(木) 第二十三・二十四話　親族の殺し合い

【教材】
『今昔物語集』本朝部下(岩波文庫黄19-4)
池上 洵一(編) 岩波書店2001年9月第一版 1，361円


※上記教材をお持ちでない方は、詳細ページよりご購入ください。

名前	鈴木 治子
肩書き	大正大学非常勤講師
プロフィール	武蔵野女子大学日本文学科卒業。大正大学大学院博士課程国文学専攻単位取得。東京都・埼玉県の区民・市民講座講師、NHK文化センター講師、大正大学オープンカレッジ講師、獨協大学オープンカレッジ講師を務める。 〈著書〉『歌謡文学を学ぶ人のために』(共著、世界思想社) 『中世文学の展開と仏教』(共著、おうふう)