講座詳細情報
申し込み締切日:2014-10-09 / 芸術・文化:その他教養 / 学内講座コード:262018
能の鬼
- 開催日
- 10月10日(金)~ 2月27日(金)
- 講座回数
- 10回
- 時間
- 10:00~12:00
- 講座区分
- 後期
- 入学金
- -
- 受講料
- 20,000円
- 定員
- 50
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
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講座詳細
【講座内容】
能は暗い情念を、珠玉のように結晶させた演劇です。能に描かれた鬼の悲しみを、さまざまな現代との対比を加えつつ、新たな視点を試みようと思います。
【講座スケジュール】
第1回10月10日(金) 鉄輪
鬼になって夫の命を奪おうとする捨てられた女の思い。新藤兼人監督の映画「鉄輪」は、この能と、古代の丑の刻詣でと、現代の三角関係を重ね合わせました。
第2回10月24日(金) 葵上
生霊となってライバルに迫る六条御息所。三島由紀夫の近代能「葵上」は、六条康子と若林光と若林葵の三角関係を描きます。
第3回11月 7日(金) 道成寺
能を原点に、郷土芸能から歌舞伎、三島由紀夫の近代能まで、さまざまなバリエーションを生んだ伝説。今回は特に黒川能の「道成寺」との対比をとり上げます。
第4回11月21日(金) 黒塚(安達原)
手塚治虫のSF 劇画にもなったテーマ。閨に隠された秘密とはなにか。野に棲む鬼女か、人間の孤独の果てが鬼になったのか。その根源を考えます。
第5回12月 5日(金) 紅葉狩
誘惑のテーマ。華麗な紅葉を背景に鬼女との死闘。舞台面面白さを際立てた世阿弥の甥の子供、観世信光の世界と、その時代を取り上げます。
第6回12月19日(金) 戀重荷
老いらくの恋を裏切られた男の復讐。三島由紀夫の近代能「綾の鼓」に至る系譜を探りつつ、世阿弥改作の意図を考えます。
第7回 1月16日(金) 土蜘蛛
大和朝廷に滅ぼされた土蜘蛛族の復讐。前シテの僧が伎楽面のような怪奇なオモテをかける黒川能と対比してお話しします
第8回 1月30日(金) 大江山
「大江山の鬼は童心の持ち主であった」。一時こんな能のキャンペーンがはやりました。人間の血を飲む鬼とは、漂着民のワインではなかったか。
第9回 2月13日(金) 鵜飼
新しい演出に世阿弥が用いた面が、現代も使われる能の贅。「罪も報ひも後の世も忘れ果てて面白や」。殺生の罪を能はどう描くかを「阿漕」「善知鳥」と共にとりあげます。
第10回 2月27日(金) 野守
宇宙の果てから地の底まで描き出す鏡を持った、ヌーボー的な地獄の鬼。大和猿楽の主流であった鬼の能に世阿弥はなぜ否定的になったのか。
能は暗い情念を、珠玉のように結晶させた演劇です。能に描かれた鬼の悲しみを、さまざまな現代との対比を加えつつ、新たな視点を試みようと思います。
【講座スケジュール】
第1回10月10日(金) 鉄輪
鬼になって夫の命を奪おうとする捨てられた女の思い。新藤兼人監督の映画「鉄輪」は、この能と、古代の丑の刻詣でと、現代の三角関係を重ね合わせました。
第2回10月24日(金) 葵上
生霊となってライバルに迫る六条御息所。三島由紀夫の近代能「葵上」は、六条康子と若林光と若林葵の三角関係を描きます。
第3回11月 7日(金) 道成寺
能を原点に、郷土芸能から歌舞伎、三島由紀夫の近代能まで、さまざまなバリエーションを生んだ伝説。今回は特に黒川能の「道成寺」との対比をとり上げます。
第4回11月21日(金) 黒塚(安達原)
手塚治虫のSF 劇画にもなったテーマ。閨に隠された秘密とはなにか。野に棲む鬼女か、人間の孤独の果てが鬼になったのか。その根源を考えます。
第5回12月 5日(金) 紅葉狩
誘惑のテーマ。華麗な紅葉を背景に鬼女との死闘。舞台面面白さを際立てた世阿弥の甥の子供、観世信光の世界と、その時代を取り上げます。
第6回12月19日(金) 戀重荷
老いらくの恋を裏切られた男の復讐。三島由紀夫の近代能「綾の鼓」に至る系譜を探りつつ、世阿弥改作の意図を考えます。
第7回 1月16日(金) 土蜘蛛
大和朝廷に滅ぼされた土蜘蛛族の復讐。前シテの僧が伎楽面のような怪奇なオモテをかける黒川能と対比してお話しします
第8回 1月30日(金) 大江山
「大江山の鬼は童心の持ち主であった」。一時こんな能のキャンペーンがはやりました。人間の血を飲む鬼とは、漂着民のワインではなかったか。
第9回 2月13日(金) 鵜飼
新しい演出に世阿弥が用いた面が、現代も使われる能の贅。「罪も報ひも後の世も忘れ果てて面白や」。殺生の罪を能はどう描くかを「阿漕」「善知鳥」と共にとりあげます。
第10回 2月27日(金) 野守
宇宙の果てから地の底まで描き出す鏡を持った、ヌーボー的な地獄の鬼。大和猿楽の主流であった鬼の能に世阿弥はなぜ否定的になったのか。
講師陣
名前 | 増田 正造 |
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肩書き | 本学名誉教授 |
プロフィール | 1930年東京生まれ。早稲田大学では元武蔵野女子大学学長・大河内昭爾、狂言の人間国宝・野村万作、日本舞踊の芸術院会員・花柳寿輔と同級。武蔵野大学名誉教授。本学能楽資料センターの創立に関わり、長く主任を務める。『能の表現―逆説の美学』は10万部を超える能のベストセラー。『能と近代文学』で観世寿夫記念法政大学能楽賞。長く能の普及に努め、薪能やイベント、多数の海外公演に関わる。映像作家。日本伝統文化振興財団『増田教授の映像バリ島まるかじり』に続き、東映から『能の華』、観世清和・観世三郎太の能の美をさぐるDVDを刊行。 |