講座詳細情報
申し込み締切日:2014-10-02 / 芸術・文化:その他教養 / 学内講座コード:262017
能の女性像十選
- 開催日
- 10月 3日(金)~ 3月 6日(金)
- 講座回数
- 10回
- 時間
- 10:00~12:00
- 講座区分
- 後期
- 入学金
- -
- 受講料
- 20,000円
- 定員
- 50
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
関連講座
講座詳細
【講座内容】
今まで読まずにきた名作も加え、能の描く女性像の講座です。撮り下ろしの映像も参照しながら、能が培った幽玄の美のさまざまを、ほかの世界の扱いとの違いもお話ししようと思います。
【講座スケジュール】
第1回10月 3日(金) 羽衣
世界中にある羽衣伝説。玲瓏と清らかに天にかえす能の主張。天人の生んだ子が悪魔と戦うバリ島の芸能から、昼ドラ「聖母・聖美物語」の「羽衣」の扱いまで。
第2回10月17日(金) 楊貴妃
梅蘭芳の名技「貴妃酔酒」は、人間の身体が奏でる音楽そのものでありました。現世の美女と、仙界で透明化した能の楊貴妃とを。
第3回10月31日(金) 松風
春の「熊野」と秋の「松風」と。汐汲む恋の幻。幽玄無上の能は、現代化すると「聖母・聖美物語」の姉妹の相剋となります。
第4回11月14日(金) 江口
江口の里の遊女が普賢菩薩であったとする西行説話。もっとも崇高な能として重く扱われます。哲学的に深い観阿弥の作品。
第5回12月12日(金) 芭蕉
世界演劇祭で、もし「演劇における抽象化はどこまで可能か」というテーマを取り上げたとすれば、能は「芭蕉」を出品するでしょう。芭蕉が中年の女となって無常観を造詣します。
第6回 1月 9日(金) 葛城
容貌の醜さを恥じて、空中架橋工事に夜しか働かなかったため、役の行者に縛められた女神。大和舞の幻想が雪の吉野山に描かれます
第7回 1月23日(金) 鸚鵡小町
百年に及び、関寺辺に淋しく住む小野の小町。帝からくだされた憐れみの和歌。一字で返歌する衰えぬ小町の才気。至難の老女能。
第8回 2月 6日(金) 隅田川
ベンジャミン・ブリッテンが感動して名作オペラ「カーリュー・リヴァー」を書きました。若くして死ぬ運命を予感したような世阿弥の嫡子・元雅の名作。
第9回 2月20日(金) 三井寺
月に濡れて三井寺の鐘を撞く狂女。観世華雪のこの能に接した感動が、私を終生能に結びつけたのでした。
第10回 3月 6日(金) 海人
我が子を大臣の位につけるために、命を捨てて竜宮から宝珠を奪い返す強烈な母性愛。「玉之段」は杉本苑子も小説の題材にしています。
今まで読まずにきた名作も加え、能の描く女性像の講座です。撮り下ろしの映像も参照しながら、能が培った幽玄の美のさまざまを、ほかの世界の扱いとの違いもお話ししようと思います。
【講座スケジュール】
第1回10月 3日(金) 羽衣
世界中にある羽衣伝説。玲瓏と清らかに天にかえす能の主張。天人の生んだ子が悪魔と戦うバリ島の芸能から、昼ドラ「聖母・聖美物語」の「羽衣」の扱いまで。
第2回10月17日(金) 楊貴妃
梅蘭芳の名技「貴妃酔酒」は、人間の身体が奏でる音楽そのものでありました。現世の美女と、仙界で透明化した能の楊貴妃とを。
第3回10月31日(金) 松風
春の「熊野」と秋の「松風」と。汐汲む恋の幻。幽玄無上の能は、現代化すると「聖母・聖美物語」の姉妹の相剋となります。
第4回11月14日(金) 江口
江口の里の遊女が普賢菩薩であったとする西行説話。もっとも崇高な能として重く扱われます。哲学的に深い観阿弥の作品。
第5回12月12日(金) 芭蕉
世界演劇祭で、もし「演劇における抽象化はどこまで可能か」というテーマを取り上げたとすれば、能は「芭蕉」を出品するでしょう。芭蕉が中年の女となって無常観を造詣します。
第6回 1月 9日(金) 葛城
容貌の醜さを恥じて、空中架橋工事に夜しか働かなかったため、役の行者に縛められた女神。大和舞の幻想が雪の吉野山に描かれます
第7回 1月23日(金) 鸚鵡小町
百年に及び、関寺辺に淋しく住む小野の小町。帝からくだされた憐れみの和歌。一字で返歌する衰えぬ小町の才気。至難の老女能。
第8回 2月 6日(金) 隅田川
ベンジャミン・ブリッテンが感動して名作オペラ「カーリュー・リヴァー」を書きました。若くして死ぬ運命を予感したような世阿弥の嫡子・元雅の名作。
第9回 2月20日(金) 三井寺
月に濡れて三井寺の鐘を撞く狂女。観世華雪のこの能に接した感動が、私を終生能に結びつけたのでした。
第10回 3月 6日(金) 海人
我が子を大臣の位につけるために、命を捨てて竜宮から宝珠を奪い返す強烈な母性愛。「玉之段」は杉本苑子も小説の題材にしています。
講師陣
名前 | 増田 正造 |
---|---|
肩書き | 本学名誉教授 |
プロフィール | 1930年東京生まれ。早稲田大学では元武蔵野女子大学学長・大河内昭爾、狂言の人間国宝・野村万作、日本舞踊の芸術院会員・花柳寿輔と同級。武蔵野大学名誉教授。本学能楽資料センターの創立に関わり、長く主任を務める。『能の表現―逆説の美学』は10万部を超える能のベストセラー。『能と近代文学』で観世寿夫記念法政大学能楽賞。長く能の普及に努め、薪能やイベント、多数の海外公演に関わる。映像作家。日本伝統文化振興財団『増田教授の映像バリ島まるかじり』に続き、東映から『能の華』、観世清和・観世三郎太の能の美をさぐるDVDを刊行。 |