講座詳細情報
申し込み締切日:2012-01-10 / 文学:その他教養 / 学内講座コード:232047
村上春樹の文学 ―世界との関わり方をめぐって―
- 開催日
- 1月11日(水)~ 3月 7日(水)
- 講座回数
- 3回
- 時間
- 15:00~16:30
- 講座区分
- 数回もの
- 入学金
- -
- 受講料
- 3,000円
- 定員
- 30
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
関連講座
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講座詳細
【講座内容】
村上春樹は、カタルーニャ国際賞を受賞した際のスピーチ「非現実的な夢想家として」(2011年6月9日)で、東日本大震災と福島の原子力発電所のことについて言及しました。「我々日本人は核に対する「ノー」を叫び続けるべきだった。それが僕の意見です」と、いわば反省の弁を述べ、「我々は技術力を結集し、持てる叡智を結集し、社会資本を注ぎ込み、原子力発電に代わる有効なエネルギー開発を、国家レベルで追求すべきだったのです」と、政治的発言に踏み込んでいます。「歴史上唯一、核爆弾を投下された経験を持つ国民」として「それは広島と長崎で亡くなった多くの犠牲者に対する、我々の集合的責任の取り方となったはずです」という箇所とあわせて読むと、それまでは距離をとっていたように見える戦後知識人の言説と重なります。それでは、しばしば指摘されているように、村上春樹は、変節あるいは転回したのでしょうか。スピーチでは「損なわれた倫理や規範の再生を試みる」ことは職業的作家全員の仕事になる、とも述べています。今後の村上作品に注目するとともに、これまでの作品を振り返り、村上春樹の文学における世界との関わり方を再考してみたい。
【講座スケジュール】
第1回 1月11日(水) 父性と受動性─『ノルウェイの森』を中心に―
第2回 2月 1日(水) 震災文学─『神の子どもたちはみな踊る』「七番目の男」─
第3回 3月 7日(水) 効率主義との闘い─村上春樹の文学─
村上春樹は、カタルーニャ国際賞を受賞した際のスピーチ「非現実的な夢想家として」(2011年6月9日)で、東日本大震災と福島の原子力発電所のことについて言及しました。「我々日本人は核に対する「ノー」を叫び続けるべきだった。それが僕の意見です」と、いわば反省の弁を述べ、「我々は技術力を結集し、持てる叡智を結集し、社会資本を注ぎ込み、原子力発電に代わる有効なエネルギー開発を、国家レベルで追求すべきだったのです」と、政治的発言に踏み込んでいます。「歴史上唯一、核爆弾を投下された経験を持つ国民」として「それは広島と長崎で亡くなった多くの犠牲者に対する、我々の集合的責任の取り方となったはずです」という箇所とあわせて読むと、それまでは距離をとっていたように見える戦後知識人の言説と重なります。それでは、しばしば指摘されているように、村上春樹は、変節あるいは転回したのでしょうか。スピーチでは「損なわれた倫理や規範の再生を試みる」ことは職業的作家全員の仕事になる、とも述べています。今後の村上作品に注目するとともに、これまでの作品を振り返り、村上春樹の文学における世界との関わり方を再考してみたい。
【講座スケジュール】
第1回 1月11日(水) 父性と受動性─『ノルウェイの森』を中心に―
第2回 2月 1日(水) 震災文学─『神の子どもたちはみな踊る』「七番目の男」─
第3回 3月 7日(水) 効率主義との闘い─村上春樹の文学─
講師陣
名前 | 土屋 忍 |
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肩書き | 本学准教授 |
プロフィール | 北海道生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業し、会社勤務を経て大学院へ進学。東北大学大学院国際文化研究科博士課程中退。東北大学大学院助手、日本学術振興会特別研究員(国文学)を経て、現在、武蔵野大学文学部准教授。「近代文学研究」「現代文学各論」などを担当。主な共編著書に、『近代の夢と知性―文学・思想の昭和十年前後―』(翰林書房)、『大転換期―「60年代」の光芒―』(インパクト出版会)、『翻訳の圏域―文化・植民地・アイデンティティ―』(イセブ)、『〈外地〉日本語文学論』(世界思想社)、『武蔵野の教壇に立った文学者―土岐善麿・秋山駿・黒井千次―』(太陽出版)などがある。 |
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