講座詳細情報
申し込み締切日:2020-04-09 / 日本史 / 学内講座コード:20120010
はじめての「民俗学」 平地人を戦慄せしめよ―『遠野物語』を読み解く〈2〉
- 開催日
- 4月17日(金)、5月15日(金)、5月29日(金)、6月12日(金)、6月26日(金)
- 講座回数
- 5回
- 時間
- 13:00~14:30
- 講座区分
- 前期
- 入学金
- 3,000円
- 受講料
- 12,650円
- 定員
- 50
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
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講座詳細
【講座趣旨】
本講座が始まった前期では、柳田国男そのものに焦点を当て、日本民俗学の成立と、民俗学の研究の方法論について解説した。第二期では、柳田国男の初期三部作と呼ばれる著作のなかから『遠野物語』の読み解きを開始した。『遠野物語』は、柳田によって民俗学が提唱される以前の作品であり、まだ民俗学的な成果とは言えない。しかしそこにはすでに、柳田が後に展開する、日本人の原点への眼差しをうかがうことができよう。『遠野物語』を読み解きながら、柳田と日本民俗学の成立を考え、さらには柳田自身も見えていなかった日本の説話世界について深く考察してみたい。
【特記事項】
※講義の進み具合により、スケジュール通りに進まない場合があります。
※お知らせ※
2020年度春期リバティアカデミー講座について,予定どおり募集を受け付けますが,新型コロナウイルス等感染症の状況により,今後,縮小・延期・中止等の判断を行う可能性があります。
リバティアカデミーから発信される情報をこまめに確認するようお願いします。(2020年2月27日)
【講義概要】
第1回 4月17日(金) 『遠野物語』を読む〈6〉-あの世とこの世
遠野の説話の提供者である佐々木喜善。喜善の家である佐々木家にも、多くの不思議な出来事が起こっていた。曾祖母のミチは文化七年の生まれ、明治九年に死去したとの葬式の夜、曾祖母の幽霊が囲炉裏の側を通り過ぎると、叔母が大声で叫んだ。
第2回 5月15日(金) 『遠野物語』を読む〈7〉-沼神の手紙
池田家はもと池端という名であった。以前、その家の主人が旅から帰るとき、不思議な女性から一通の手紙を託された。女性は、この手紙を遠野の池のほとりに住む姉に渡して欲しいという。男は言われるままに受け取るが、手紙には恐ろしい内容が書かれていた。
第3回 5月29日(金) 『遠野物語』を読む〈8〉-早池峰の開山
早池峰山は大同元年、遠野の猟師・藤蔵によってなされたという。『遠野物語』には早池峰山にまつわる説話が数多く収録され、この山が遠野人の心の山であったことを伝えてくれている。『遠野物語』の冒頭に登場する遠野の三女神の母神は来内村に祀られている。早池峰神楽を映像で見よう。
第4回 6月12日(金) 『遠野物語』を読む〈9〉-死助権現
遠野盆地の東には六角牛山を手法とする山々が連なり、太平洋岸の村々と繋がっている。遠野を取り囲む山々には多くの猟師がいた。猟師の伝説的な創始者が旗屋の縫と呼ぶ。巨大な白鹿は縫に追い詰められ、ついには死んで死助権現と呼ばれた。
第5回 6月26日(金) 『遠野物語』を読む〈10〉-狼の記憶
遠野に限らず日本では、狼のことをお犬と呼んでいた。お犬の恐ろしさは格別で、多くの説話が残されている。しかし、遠野にも人知れず近代化が訪れていたらしく、明治の中頃までに狼は激減。数千頭の村が北に向かったという。
本講座が始まった前期では、柳田国男そのものに焦点を当て、日本民俗学の成立と、民俗学の研究の方法論について解説した。第二期では、柳田国男の初期三部作と呼ばれる著作のなかから『遠野物語』の読み解きを開始した。『遠野物語』は、柳田によって民俗学が提唱される以前の作品であり、まだ民俗学的な成果とは言えない。しかしそこにはすでに、柳田が後に展開する、日本人の原点への眼差しをうかがうことができよう。『遠野物語』を読み解きながら、柳田と日本民俗学の成立を考え、さらには柳田自身も見えていなかった日本の説話世界について深く考察してみたい。
【特記事項】
※講義の進み具合により、スケジュール通りに進まない場合があります。
※お知らせ※
2020年度春期リバティアカデミー講座について,予定どおり募集を受け付けますが,新型コロナウイルス等感染症の状況により,今後,縮小・延期・中止等の判断を行う可能性があります。
リバティアカデミーから発信される情報をこまめに確認するようお願いします。(2020年2月27日)
【講義概要】
第1回 4月17日(金) 『遠野物語』を読む〈6〉-あの世とこの世
遠野の説話の提供者である佐々木喜善。喜善の家である佐々木家にも、多くの不思議な出来事が起こっていた。曾祖母のミチは文化七年の生まれ、明治九年に死去したとの葬式の夜、曾祖母の幽霊が囲炉裏の側を通り過ぎると、叔母が大声で叫んだ。
第2回 5月15日(金) 『遠野物語』を読む〈7〉-沼神の手紙
池田家はもと池端という名であった。以前、その家の主人が旅から帰るとき、不思議な女性から一通の手紙を託された。女性は、この手紙を遠野の池のほとりに住む姉に渡して欲しいという。男は言われるままに受け取るが、手紙には恐ろしい内容が書かれていた。
第3回 5月29日(金) 『遠野物語』を読む〈8〉-早池峰の開山
早池峰山は大同元年、遠野の猟師・藤蔵によってなされたという。『遠野物語』には早池峰山にまつわる説話が数多く収録され、この山が遠野人の心の山であったことを伝えてくれている。『遠野物語』の冒頭に登場する遠野の三女神の母神は来内村に祀られている。早池峰神楽を映像で見よう。
第4回 6月12日(金) 『遠野物語』を読む〈9〉-死助権現
遠野盆地の東には六角牛山を手法とする山々が連なり、太平洋岸の村々と繋がっている。遠野を取り囲む山々には多くの猟師がいた。猟師の伝説的な創始者が旗屋の縫と呼ぶ。巨大な白鹿は縫に追い詰められ、ついには死んで死助権現と呼ばれた。
第5回 6月26日(金) 『遠野物語』を読む〈10〉-狼の記憶
遠野に限らず日本では、狼のことをお犬と呼んでいた。お犬の恐ろしさは格別で、多くの説話が残されている。しかし、遠野にも人知れず近代化が訪れていたらしく、明治の中頃までに狼は激減。数千頭の村が北に向かったという。
備考
【教材】
配付資料
配付資料
講師陣
名前 | 水谷 類 |
---|---|
肩書き | 元明治大学文学部兼任講師 |
プロフィール | 日本宗教史・文化史、および民俗学専攻。明治大学大学院博士後期課程修了。博士(史学)。著書:『廟墓ラントウと現世浄土の思想』、『墓前祭祀と聖所のトポロジー』(雄山閣、2009年)、『中世の神社と祭り』(岩田書院、2010年刊)、『墓制・墓標研究の再構築―歴史・考古・民俗学の現場から―』(岩田書院、2010年刊)、『村落・宮座研究の継承と展開』(岩田書院、2011刊)。一宮制、神社と祭り、民間芸能者、遊行の宗教者などを研究対象としながら、日本人の精神世界の形成について考えています。 |
名前 | 山田 朗 |
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肩書き | 明治大学文学部教授、平和教育登戸研究所資料館館長 |
プロフィール | 1956年大阪府生まれ。東京都立大学大学院博士課程単位取得退学。博士(史学)。日本現代史・軍事史を専攻。主な著書に、『大元帥・昭和天皇』(新日本出版社)、『兵士たちの戦場』(岩波書店)、『日本の戦争』(新日本出版社)、『軍備拡張の近代史』(吉川弘文館)、『世界史の中の日露戦争』(吉川弘文館)などがある。 |