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講座詳細情報

申し込み締切日:2016-10-04 / 世界史:その他教養 / 学内講座コード:16220050

「戦争と虐殺」の時代に、市民が「責任の歴史学」を構築する 戦争と平和シリーズ

主催:明治大学リバティアカデミー明治大学リバティアカデミー 駿河台キャンパス(東京都)]
問合せ先:明治大学リバティアカデミー事務局 TEL:03-3296-4423
開催日
10月12日(水)、10月19日(水)、10月26日(水)、11月 2日(水)、11月 9日(水)
講座回数
5回
時間
17:00~18:30
講座区分
後期 
入学金
3,000円
受講料
12,000円
定員
50
補足
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※この講座の申し込みは既に締め切りました。

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講座詳細

【講座趣旨】
フクシマ3・11により人類史は「緩慢な大量虐殺」の時代に本格的に入った(序曲的にはアメリカの広島・長崎への原爆投下)が、同時に歴史学、経済学等もその学問的有効性を失った。しかもフクシマの「事故」で誰一人責任をとらないどころか、原発の再稼動と輸出がすすめられつつある。フクシマに限らず日本のあらゆるところで生じているこの「無責任」体制は、一つには1945年の敗戦時にほとんど誰一人戦争責任をとらなかったことに帰因する。本講義ではまず、731細菌戦部隊、南京虐殺、強制連行・強制労働、従軍慰安婦など未解決な歴史認識問題を家永訴訟と戦後補償裁判との関連で辿り、なぜ歴史改竄主義が生じるのか、「戦後歴史学」に盲点はなかったのかを検討する。それは視野狭窄になりがちな専門家ではなくコモン・センスをもつ市民による「責任の歴史学」の構築が必要であることを意味するが、その構築のための示唆をえるため、イギリスの経済史学会、社会史学会、労働史学会の研究状況を鳥瞰する。そしてヴィーコを起点としてW.ブレイク、W.モリスを経てE.P.トムソンの文化的マルクス主義にまで流れて行く、デカルト的近代合理主義とは反対の系譜=歴史的人間主義の系譜の上に、市民が「責任の歴史学」を構築することが保証されていることを明示する。

【講義概要】
第1回 10月12日(水)
「市民一人ひとりが歴史家になる」ということ。分析視角として帝国主義と植民地支配が必要不可欠。731細菌戦部隊について。

第2回 10月19日(水)
南京虐殺、強制連行・強制労働、従軍慰安婦について。家永教科書訴訟、戦後補償裁判の経緯。

第3回 10月26日(水)
「戦争責任」とは何か。「戦後歴史学」に盲点はなかったか。

第4回 11月 2日(水)
イギリスの歴史学会の状況。連続説楽観論(成長論史学など)対不連続説悲観論(マルクス主義史学など)。
アングロ・マルクス主義史学―E.J.ホブズボーム(オーソドックスマルクス主義)対E.P.トムソン(文化的マルクス主義)。民衆史が可能となる。ヒストリー・ワークショップ運動

第5回 11月 9日(水)
歴史の法則性、不可避性をめぐるE.H.カー対 I.バーリン論争。
デカルト(近代合理主義)対ヴィーコ(歴史的人間主義)。ヴィーコ、ハマン、ヘルダー、ブレイク、モリス、E.P.トムソンへという系譜。そして「市民一人ひとりが歴史家になる」ことの根拠の再確認。

備考

【教材】
レジュメ資料

講師陣

名前 松村 高夫
肩書き 慶応義塾大学名誉教授
プロフィール 1942年横浜市生まれ。1969年慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程終了。1976年英国ウォーリック大学Ph.D.in Social History取得。2007年3月まで慶應義塾経済学部教授。同年4月から同大学名誉教授。FRHisS英国王立歴史協会フェロウ。主要著書:The Labour Aristocracy Revisited, MUP, 1983/『イギリスの鉄道争議と裁判ータフ・ヴェイル判決の労働史』ミネルヴァ書房、2005年)/『論争 731部隊』晩声社、1994年/『日本帝国主義下の植民地労働史』(不二出版、2007年)/ 『戦争と疫病-731部隊のもたらしたもの』(共著 本の友社、1997年)/ 『大量虐殺の社会史-戦慄の20世紀』(共著 ミネルヴァ書房、2007年)/『裁判と歴史学―731細菌戦部隊を法廷から見る』(共著現代書館、2007年)
名前 生方 卓
肩書き コーディネータ・明治大学政治経済学部准教授
プロフィール 社会思想史専攻。研究テーマは、ヘーゲルとヘーゲル学派の社会哲学、環境哲学等、共著に『ドイツ社会主義研究』、『経済思想の源流』など。
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