講座詳細情報
申し込み締切日:2012-10-14 / その他教養 / 学内講座コード:12260002
「自然」と「信仰」 明治大学・東紀州観光まちづくり公社連携講座
- 開催日
- 10月22日(月)、11月 5日(月)、11月19日(月)、12月 3日(月)
- 講座回数
- 4回
- 時間
- 13:00~14:30
- 講座区分
- 後期
- 入学金
- 3,000円
- 受講料
- 5,000円
- 定員
- 50
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
関連講座
講座詳細
【講座趣旨】
三重県の東紀州と称する地域は、山・川・海のいろどり豊かな自然に育まれ、古来「日本文化の源流の地」「精神文化のふるさと」として、熊野独自の自然から派生した豊富な信仰・歴史・文化を現代まで伝えてきました。
すなわち、熊野の一画・東紀州地域は、豊かでなおかつ多様な自然にめぐまれ、周知のように「日本書紀」に垣間見られる母なる神イザナミノミコトをめぐる「花の窟」神社・・・神産み神話の舞台や、神武天皇東征神話、秦始皇帝の臣下・徐福伝説など、数多くの神話・伝説が存在し、言わば日本人の源郷だと言えます。
この東紀州地域が、今なお大勢の人びとから憧憬の地として広く敬慕されるのは、また信仰の聖地として崇敬されるのは、なぜなのでしょうか。この疑問にお答えすべく、今回の講座では、「自然」と「信仰」を総合テーマとして取り上げることと致しました。
【特記事項】
【フィールドワーク】:熊野を歩く、熊野を学ぶ
※フィールドワークの費用は別途実費。
※費用等、詳細については、講座の中でご案内いたします。
■日程:3/6(水)~8(金)
■内容
フィールドワークでは、文化講座を学んでいただいた事を更に理解を深めることを目的として三重県熊野市を拠点として、実施いたします。学ぶだけではなく、熊野詣が盛んだった当時に想いを馳せ、熊野の山々を実際に体感していただけるように美しい石畳が残る熊野古道伊勢路でも特に人気の高い馬越峠を踏破します。(天候等により内容が変更される場合があります。)
《主なフィールドワーク》
●熊野市波田須地区(徐福伝説ゆかりの地)
●紀北町~尾鷲市 馬越峠(熊野古道)
●尾鷲市 岩屋堂
●熊野市飛鳥・五郷地区(油屋おこん出生の地)
--------------------------------------------------------------------------
【樋口一成写真展】
「世界遺産 熊野古道伊勢路」-奥熊野の自然・人々のくらし・歴史にふれる-
■会場:アカデミーコモン1階エントランスホール
■期間:11月5日(月)~11月14日(水)
【講義概要】
第1回 10月22日(月) 熊野地方と大津波
昨年(2011年)3月11日に東日本を襲った大震災は、未曾有の大被害をもたらし、未だに各地にその爪痕を残しています(因みに、紀伊半島を襲いかかった9月上旬の台風12号も、多くの被害をもたらしました)。本講座では、江戸時代は宝永4年(1707年)及び安政元年(1858年)紀伊半島の地震・津波を取り上げて検証し、今後われわれはいかにすべきかを考えてみたいと思います。併せて、過去の三陸大津波も視野に入れておきたいと考えています。
第2回 11月 5日(月) 時代を真実に生き抜いた熊野の女たち
中央から遠く離れた奥熊野でも、歴史の動きと無縁ではいられなかった。時代の嵐のなかで、名も上げずに懸命に生きた人たち。伊勢古市の遊郭に売られ、油屋おこんとして今も歌舞伎になって残る五郷寺谷村のおこんさん。最後のキリシタン弾圧、浦上四番崩れによって肥前長崎から熊野に流されてきた十七歳の少女キクさん。そして、戦争で愛する者を失って苦難に生きた近代の女たち。時代時代を真実に生きた熊野びとのことを映像と朗読を交えて振り返ります。
第3回 11月19日(月) 山の思想~ヤマとカミとホトケと~
日本人の心の深層には山に対する深い信仰が残っております。それは仏教が入って、また、それによって神道が成立する以前、日本人は山を神と仰ぎ、山とともに生きていたからです。すっかり文明化し、都市の論理のみを価値として生きているかにみえる現代でも、なんと67%の山や森林に取り巻かれて、私たちは生きているのです。その原理は絶対平等と循環の思想。これからの日本が文化的に、宗教的に世界をリードするとしたら、山を仰ぎ、山から学ばねばなりません。そうした日本人の心意の古層を熊野を舞台に検証します。
第4回 12月 3日(月) 日本書紀の熊野~神代から神武天皇即位まで~
日本書紀(全三十巻)は、日本の起源と歴史を知る上で重要な古典と言えます。その中で巻一・巻二は神代(上・下)で天地開闢から神武天皇の誕生まで語られています。この神代紀の特徴として、正文のほか一書(別伝)を掲載していることが挙げられます。伊弉冉尊を葬ったという「花の窟」の記事も一書に登場します。本講座では、この話のほか、巻一、巻二の神代から巻三の神武天皇即位までの話を追いながら、日本書紀に描かれた熊野について考えます。
三重県の東紀州と称する地域は、山・川・海のいろどり豊かな自然に育まれ、古来「日本文化の源流の地」「精神文化のふるさと」として、熊野独自の自然から派生した豊富な信仰・歴史・文化を現代まで伝えてきました。
すなわち、熊野の一画・東紀州地域は、豊かでなおかつ多様な自然にめぐまれ、周知のように「日本書紀」に垣間見られる母なる神イザナミノミコトをめぐる「花の窟」神社・・・神産み神話の舞台や、神武天皇東征神話、秦始皇帝の臣下・徐福伝説など、数多くの神話・伝説が存在し、言わば日本人の源郷だと言えます。
この東紀州地域が、今なお大勢の人びとから憧憬の地として広く敬慕されるのは、また信仰の聖地として崇敬されるのは、なぜなのでしょうか。この疑問にお答えすべく、今回の講座では、「自然」と「信仰」を総合テーマとして取り上げることと致しました。
【特記事項】
【フィールドワーク】:熊野を歩く、熊野を学ぶ
※フィールドワークの費用は別途実費。
※費用等、詳細については、講座の中でご案内いたします。
■日程:3/6(水)~8(金)
■内容
フィールドワークでは、文化講座を学んでいただいた事を更に理解を深めることを目的として三重県熊野市を拠点として、実施いたします。学ぶだけではなく、熊野詣が盛んだった当時に想いを馳せ、熊野の山々を実際に体感していただけるように美しい石畳が残る熊野古道伊勢路でも特に人気の高い馬越峠を踏破します。(天候等により内容が変更される場合があります。)
《主なフィールドワーク》
●熊野市波田須地区(徐福伝説ゆかりの地)
●紀北町~尾鷲市 馬越峠(熊野古道)
●尾鷲市 岩屋堂
●熊野市飛鳥・五郷地区(油屋おこん出生の地)
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【樋口一成写真展】
「世界遺産 熊野古道伊勢路」-奥熊野の自然・人々のくらし・歴史にふれる-
■会場:アカデミーコモン1階エントランスホール
■期間:11月5日(月)~11月14日(水)
【講義概要】
第1回 10月22日(月) 熊野地方と大津波
昨年(2011年)3月11日に東日本を襲った大震災は、未曾有の大被害をもたらし、未だに各地にその爪痕を残しています(因みに、紀伊半島を襲いかかった9月上旬の台風12号も、多くの被害をもたらしました)。本講座では、江戸時代は宝永4年(1707年)及び安政元年(1858年)紀伊半島の地震・津波を取り上げて検証し、今後われわれはいかにすべきかを考えてみたいと思います。併せて、過去の三陸大津波も視野に入れておきたいと考えています。
第2回 11月 5日(月) 時代を真実に生き抜いた熊野の女たち
中央から遠く離れた奥熊野でも、歴史の動きと無縁ではいられなかった。時代の嵐のなかで、名も上げずに懸命に生きた人たち。伊勢古市の遊郭に売られ、油屋おこんとして今も歌舞伎になって残る五郷寺谷村のおこんさん。最後のキリシタン弾圧、浦上四番崩れによって肥前長崎から熊野に流されてきた十七歳の少女キクさん。そして、戦争で愛する者を失って苦難に生きた近代の女たち。時代時代を真実に生きた熊野びとのことを映像と朗読を交えて振り返ります。
第3回 11月19日(月) 山の思想~ヤマとカミとホトケと~
日本人の心の深層には山に対する深い信仰が残っております。それは仏教が入って、また、それによって神道が成立する以前、日本人は山を神と仰ぎ、山とともに生きていたからです。すっかり文明化し、都市の論理のみを価値として生きているかにみえる現代でも、なんと67%の山や森林に取り巻かれて、私たちは生きているのです。その原理は絶対平等と循環の思想。これからの日本が文化的に、宗教的に世界をリードするとしたら、山を仰ぎ、山から学ばねばなりません。そうした日本人の心意の古層を熊野を舞台に検証します。
第4回 12月 3日(月) 日本書紀の熊野~神代から神武天皇即位まで~
日本書紀(全三十巻)は、日本の起源と歴史を知る上で重要な古典と言えます。その中で巻一・巻二は神代(上・下)で天地開闢から神武天皇の誕生まで語られています。この神代紀の特徴として、正文のほか一書(別伝)を掲載していることが挙げられます。伊弉冉尊を葬ったという「花の窟」の記事も一書に登場します。本講座では、この話のほか、巻一、巻二の神代から巻三の神武天皇即位までの話を追いながら、日本書紀に描かれた熊野について考えます。
備考
【教材】
レジュメ資料
レジュメ資料
講師陣
名前 | 林 雅彦 |
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肩書き | 明治大学法学部教授 |
プロフィール | 昭和19年(1944年)東京都生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。専攻は説話文学・絵解き、アジアの宗教民俗学。単著・共著・編著に『日本の絵解き―資料と研究』、『絵解きの東漸』、『日本における民衆と宗教』、『「生と死」の東西文化史』『唱導文化の比較研究』など多数。絵解き研究で第6回日本古典文学会賞受賞。現在説話文学会代表委員、国際熊野学会代表委員。新宮市市政功労者。 |
名前 | 中田 重顕 |
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肩書き | みえ熊野学研究会運営委員 |
プロフィール | 昭和17年(1942年)、中国東北に生まれる。2004年まで公立学校事務職員。文学同人誌「文宴」同人。雑誌「文学界」に同人誌優秀賞として、「雪降る代々木正春寺」、さらに「黎明が丘暮れる」が転載される。三重県文学新人賞、第10回鳥羽マリーン文学賞大賞、小説「観音浄土の海」著書に「たそがれ、サムとの婆と」「観音浄土の海」現在、みえ熊野学研究会運営委員、熊野市文化財専門委員等。 |
名前 | 金山 秋男 |
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肩書き | 明治大学法学部教授 |
プロフィール | 昭和23年(1948年)栃木県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。専攻は死生学、宗教民俗学。著書に『「生と死」の図像学』、『巡礼-その世界』、『人はなぜ旅にでるのか』、『生と死の東西文化史』(いずれも共著)など。道元の「正法眼蔵」に関するものを中心に、仏教思想関係論文多数。現在、明治大学死生学研究所代表、国際熊野学会副代表、日本臨床美術協会理事。 |
名前 | 大島 信生 |
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肩書き | 皇學館大学文学部教授 |
プロフィール | 昭和32年(1957年)福岡県生まれ。昭和60年(1985年)皇學館大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。現在皇學館大学文学部教授。博士(文学)。専門は万葉集・古事記・日本書紀を中心とする上代の国語と国文学。著書に『万葉集の表記と訓詰』(おうふう、平成20年)・『万葉集のことば』(皇學館大学講演叢書、平成17年)・『大伯皇女』(同、平成23年)・『日本書紀私見聞』(共著、神道資料叢刊10、平成16年)など。所属学会は万葉学会(編輯委員会)・美夫君志会(常任理事)・古事記学会(理事)・上代文学会(理事)・鈴屋学会・日本語学会など。 |