講座詳細情報
申し込み締切日:2012-09-25 / その他教養 / 学内講座コード:12220031
多文化圏ニッポン -北のアイヌ、南のウチナンチュを顧みながら
- 開催日
- 10月 3日(水)、10月10日(水)、10月17日(水)、10月24日(水)、10月31日(水)、11月 7日(水)
- 講座回数
- 6回
- 時間
- 13:00~14:30
- 講座区分
- 後期
- 入学金
- 3,000円
- 受講料
- 18,000円
- 定員
- 30
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
関連講座
講座詳細
【講座趣旨】
流氷が寄り付き、珊瑚が湧く日本列島は、多様な気候風土に見合う文化が数多く共存する多文化圏です。このことはアイヌとウチナンチュの歴史と文化を振り返るとよく分かります。両民族とも、人間界と自然(神)界との交感にもとづく独自の文化を創り上げ、それを日々の生活と世界観へと編み込み、ことば、歌舞、祭事に織り込んできました。明治維新以降は同化の道を歩みはじめましたが、国内異文化圏の継承者であることに意識的であり続けてきました。この講座はそんな異民族文化の発見と共生の妙味を実感することを目的にしています。
【講義概要】
第1回 10月 3日(水) アイヌ民族と琉球民族に見る文化的個性の成り立ち
アイヌ民族と琉球民族の文化的個性の由来を日本列島の北端と南端の周辺文化圏との交流の歴史から概観し、それぞれの文化の成り立ちを振り返りながら、本講座のテーマである多文化共生への導入をこころみます。
第2回 10月10日(水) 宮古島狩俣の神歌とその世界観
沖縄県宮古島市の狩俣集落に伝えられてきた神歌を取り上げます。神女組織を中心として村落の創世神をうたい、祭ってきました。その神歌を支える世界観を通して、狩俣の人々の生活や考え方を探っていきます。
第3回 10月17日(水) 涙と笑いの間(あわい)にマイノリティの言葉を聞く
本講は「感情」を扱う。感情は知性と日常で構成される。「日常」とは特別なものなど何もないという特別さを言う。その「特別さ」を支える社会の優しさと悲しさに気づく時、人は特別な知性を得る。その知性が、社会の仕組みを変えていく資源となる。沖縄の「近さ」と「遠さ」をともに考えてみませんか。
第4回 10月24日(水) 民族共生の手掛かりを探して(北海道でのフィールドワークを振り返りながら)
北海道/首都圏のアイヌ民族との関わりの中から、「多文化共生」という語がもたらす光と闇について考えます。私たちが抱きがちな他者に対するイメージが崩れた時、「共生」はいかにしてはじまるのでしょうか。
第5回 10月31日(水) カムイに捧げる踊りと祈り――アイヌ文化の伝承とウタリ・カリプ(仲間の輪)を求めて
アイヌの伝える踊りには、自然や動物の様子や日々の労働を模したものから、カムイ(神々)に捧げるものまで多様なものがあります。その中から、私が伝承を受けた舞踊に関して、実技を混じえつつ語ります。
第6回 11月 7日(水) アイヌの文化と言語の伝承――北海道、様似での活動を中心に
父と母からアイヌ文化を受け継ぐということについて、北海道における文化伝承のあり方についてお話します。弁論大会やアイヌ語劇、アイヌ語教室といった取り組みについてご紹介し、アイヌ語の今について考えます。
流氷が寄り付き、珊瑚が湧く日本列島は、多様な気候風土に見合う文化が数多く共存する多文化圏です。このことはアイヌとウチナンチュの歴史と文化を振り返るとよく分かります。両民族とも、人間界と自然(神)界との交感にもとづく独自の文化を創り上げ、それを日々の生活と世界観へと編み込み、ことば、歌舞、祭事に織り込んできました。明治維新以降は同化の道を歩みはじめましたが、国内異文化圏の継承者であることに意識的であり続けてきました。この講座はそんな異民族文化の発見と共生の妙味を実感することを目的にしています。
【講義概要】
第1回 10月 3日(水) アイヌ民族と琉球民族に見る文化的個性の成り立ち
アイヌ民族と琉球民族の文化的個性の由来を日本列島の北端と南端の周辺文化圏との交流の歴史から概観し、それぞれの文化の成り立ちを振り返りながら、本講座のテーマである多文化共生への導入をこころみます。
第2回 10月10日(水) 宮古島狩俣の神歌とその世界観
沖縄県宮古島市の狩俣集落に伝えられてきた神歌を取り上げます。神女組織を中心として村落の創世神をうたい、祭ってきました。その神歌を支える世界観を通して、狩俣の人々の生活や考え方を探っていきます。
第3回 10月17日(水) 涙と笑いの間(あわい)にマイノリティの言葉を聞く
本講は「感情」を扱う。感情は知性と日常で構成される。「日常」とは特別なものなど何もないという特別さを言う。その「特別さ」を支える社会の優しさと悲しさに気づく時、人は特別な知性を得る。その知性が、社会の仕組みを変えていく資源となる。沖縄の「近さ」と「遠さ」をともに考えてみませんか。
第4回 10月24日(水) 民族共生の手掛かりを探して(北海道でのフィールドワークを振り返りながら)
北海道/首都圏のアイヌ民族との関わりの中から、「多文化共生」という語がもたらす光と闇について考えます。私たちが抱きがちな他者に対するイメージが崩れた時、「共生」はいかにしてはじまるのでしょうか。
第5回 10月31日(水) カムイに捧げる踊りと祈り――アイヌ文化の伝承とウタリ・カリプ(仲間の輪)を求めて
アイヌの伝える踊りには、自然や動物の様子や日々の労働を模したものから、カムイ(神々)に捧げるものまで多様なものがあります。その中から、私が伝承を受けた舞踊に関して、実技を混じえつつ語ります。
第6回 11月 7日(水) アイヌの文化と言語の伝承――北海道、様似での活動を中心に
父と母からアイヌ文化を受け継ぐということについて、北海道における文化伝承のあり方についてお話します。弁論大会やアイヌ語劇、アイヌ語教室といった取り組みについてご紹介し、アイヌ語の今について考えます。
備考
【教材】
各講師により民具・祭具・楽器・画像&映像の提示&演奏プリント資料など。
各講師により民具・祭具・楽器・画像&映像の提示&演奏プリント資料など。
講師陣
名前 | 浜口 稔 |
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肩書き | 明治大学理工学部教授 |
プロフィール | 沖縄県に生まれる。言語学と普遍百科学の思想史を研究。博物誌的観点から琉球とアイヌの文化と歴史、沖縄県ハンセン病問題にも取り組む。著書に詩集『綾蝶』(筆名、湊禎佳)、『言語機械の普遍幻想』他。翻訳書にオラフ・ステーブルドン『スターメイカー』他。 |
名前 | 居駒 永幸 |
---|---|
肩書き | 明治大学経営学部教授 |
プロフィール | 1951年山形県生まれ。國學院大學大学院文学研究科博士課程修了。文学博士。専攻は日本古代文学、日本民俗学、万葉集や古事記・日本初期の歌と散文に関する研究のほか、奄美沖縄の歌謡や東北の口承文芸の研究にも取り組んでいる。著書に『古代の歌と叙事文芸史』(志田延義賞受賞)。『東北文芸のフォークロア』など。 |
名前 | 関口 由彦 |
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肩書き | 成城大学民俗学研究所研究員、東京情報大学非常勤講師 |
プロフィール | 専門は文化人類学。エスニシティ、多文化共生、ライフストーリー、対話をテーマとし、首都圏/北海道のアイヌ民族をフィールドワークする。著作に、『首都圏に生きるアイヌ民族――「対話」の地平から』、「日常的な多文化共生への試論」(関口由彦編『異文化を食べる・聴く・書く・教えられる』)、「近代日本人類学とアイヌ/コロボックル人種表象」(山路勝彦編『日本の人類学』)など。 |
名前 | 平田 幸 |
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肩書き | アイヌ文化アドヴァイザー、レラの会代表 |
プロフィール | アイヌ文化伝承活動の開祖・山本多助を祖父に持ち、自らも古式舞踊等を継承し、アイヌ文化アドヴァイザーとして、様々なイベントでアイヌ文化の普及活動・古式舞踊公演に従事している。アイヌ料理店「レラ・チセ」の経営にも関わってきた。 |
名前 | 熊谷 カネ |
---|---|
肩書き | 様似民族文化保存会会長 |
プロフィール | 北海道・様似生まれ。様似民族文化保存会会長。アイヌ文化伝承者の両親の影響下、口承文芸、歌舞、料理、刺繍等の文化を伝承する。平成18年度「アイヌ語ラジオ講座」講師。父親の伝承を研究し、それを『岡本総吉の伝承』にまとめている。 |
名前 | 前嵩西 一馬 |
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肩書き | 明治大学理工学部兼任講師 |
プロフィール | 1971年生。コロンビア大学人類学部博士課程修了。早稲田大学琉球・沖縄研究所、明治大学、日本大学にて兼任講師。『沖縄学入門ー空腹の作法』(昭和堂)、「沖縄で探す「鞘」の言葉ー「高度必需品」としての蝶柄、笑い、生物群」『思想』9号(岩波書店)など。 |