講座詳細情報
申し込み締切日:2011-09-30 / 音楽:その他教養 / 学内講座コード:11220008
民族音楽紀行
- 開催日
- 10月 7日(金)、10月14日(金)、10月21日(金)、10月28日(金)、11月 4日(金)、11月18日(金)、11月25日(金)、12月 2日(金)、12月 9日(金)、12月16日(金)
- 講座回数
- 10回
- 時間
- 18:30~20:30
- 講座区分
- 後期
- 入学金
- 3,000円
- 受講料
- 20,000円
- 定員
- 40
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
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講座詳細
【講座趣旨】
今年度改めてユーラシアの旅に出発しました。とりあえず、シルクロードを西へ進んでまいります。
前期の北方民族からモンゴル、中央アジアの”スタン”の地を経て、後期はさらに西に向かい、ヒンドゥークシュからイランへ、さらにカフカスをこえてヴォルガのタタールの活躍の場、コサックの故郷の地まで、進んで行こうと考えています。
【講義概要】
第1回 10月 7日(金) カフィリスタンの謎
現在のアフガニスタンからヒンドゥークシ山脈に向かって細長く張り出したカフィリスタンと呼ばれるワハン回廊があります。昔からアレクサンダーが西から東へ、バーブルが北から南へと越えた要衝の地です。アレクサンダーの落とし子といわれるカラーシャ族はじめ、この地の山岳少数民族を訪ねてみましょう。
第2回 10月14日(金) はざまの地、アフガニスタン
アフガニスタンは西のペルシア文化と東のインド文化との橋渡しのはざまの地です。音楽的にみても西部はペルシャ音楽、東部はインド音楽との結びつきが深くみられます。共通するのは撥弦のルバーブを手にしたアーシュクと呼ばれる吟遊の歌手が活躍していることでしょう。
第3回 10月21日(金) 栄光のペルシア文化
古代からの文明の地ペルシア。中世のころは世界最高の水準を行く音楽理論・演奏を確立したといわれるだけに、声楽・器楽ともに豊富な蓄積を誇っています。とくに”詩の国”といわれるだけに、10世紀のころから秀れた詩人が輩出し、それを吟唱するタハリール唱法が発達してきました。
第4回 10月28日(金) カスピ海東岸の草原地帯
広大なカザフの草原の西方、カスピ海東岸の一帯は古くからチュルク・モンゴルの諸族が出入りし、今ではトルクメニスタンの西部から北へ、ウズベクのカラカルバク、そしてカザフをこえてヴォルガのバシコルトスタンへと、それぞれに独自の文化を維持していて、いかにも民族の交流の歴史が如実に示されています。
第5回 11月 4日(金) ヴォルガに定着したタタールたち
タタール族は、はるか極東に近い地域にいたモンゴル系民族でしたが、チンギスの征西の折に先陣をきってヴォルガ川畔にまで進出し、この地を支配してきただけに、今もタタールをはじめ、チュヴァシ、マリ・エル、モルドヴァなどの共和国として、伝統の東方文化をかたくなに守りつづけています。
第6回 11月18日(金) 火の国アゼルバイジャン
カフカスの地にチュルク系の民族が東方からこの”火の国”にのりこんできたのは11~13世紀のこと。移動の途上、ペルシア文化を多く吸収したため、楽器や楽曲ムガームはイランに近いものがあります。アゼルバイジャン人は南のイランにも多く、やはり吟遊詩人のアーシュクが活躍しています。
第7回 11月25日(金) 流浪の民アルメニア
”ノアの方舟”以来、アララット山の麓を生活の場としてきた、流浪の民の性格の強いアルメニア人の歴史にも古くからのものがあります。言語的には印欧語群に属する点で、隣のグルジアとは異なっています。早くからのキリスト教国で、単旋律を基本とした語りの性格を強くもった詩が好んで歌われてきました。
第8回 12月 2日(金) ポリフォニー王国グルジア
古くからアルメニアと隣接していながら、グルジアはかなり異なったものをもっています。”ヒッタイトの末裔”を名乗り、カフカス語を話し、なによりもポリフォニーの合唱王国であることを誇りにしています。キリスト教導入前からといわれる太陽讃歌や労働歌の迫力には驚かされます。
第9回 12月 9日(金) カフカスの北麓の地
本来、カフカス山脈の一帯はチェルク系をはじめ、ペルシャ、アルメニア、スラブ等の諸民族が住み分けていましたが、現在はその北側はロシア領内にあって、ダゲスタンはじめ、チェチェン、イングーシからアディゲイへとそれぞれの民族共和国に分割支配されています。山人たちはいずれも民族色が強く、各地でロシアへの抵抗がつづいています。
第10回 12月16日(金) コサック発生の川辺
東方からの民族が乗り出していたカスピ海周辺のステップの地に、相対的に自由な大地を求めて、西方のスラブ系の逃亡農民が、河川流域にそって流れこんできたのは15世紀ごろから。在来の草原の自由民カザフがなまってコサックと呼ばれるようになったこの集団が新しく見開き、身につけていった東方の歌や踊りはどんなものだったのでしょう。
今年度改めてユーラシアの旅に出発しました。とりあえず、シルクロードを西へ進んでまいります。
前期の北方民族からモンゴル、中央アジアの”スタン”の地を経て、後期はさらに西に向かい、ヒンドゥークシュからイランへ、さらにカフカスをこえてヴォルガのタタールの活躍の場、コサックの故郷の地まで、進んで行こうと考えています。
【講義概要】
第1回 10月 7日(金) カフィリスタンの謎
現在のアフガニスタンからヒンドゥークシ山脈に向かって細長く張り出したカフィリスタンと呼ばれるワハン回廊があります。昔からアレクサンダーが西から東へ、バーブルが北から南へと越えた要衝の地です。アレクサンダーの落とし子といわれるカラーシャ族はじめ、この地の山岳少数民族を訪ねてみましょう。
第2回 10月14日(金) はざまの地、アフガニスタン
アフガニスタンは西のペルシア文化と東のインド文化との橋渡しのはざまの地です。音楽的にみても西部はペルシャ音楽、東部はインド音楽との結びつきが深くみられます。共通するのは撥弦のルバーブを手にしたアーシュクと呼ばれる吟遊の歌手が活躍していることでしょう。
第3回 10月21日(金) 栄光のペルシア文化
古代からの文明の地ペルシア。中世のころは世界最高の水準を行く音楽理論・演奏を確立したといわれるだけに、声楽・器楽ともに豊富な蓄積を誇っています。とくに”詩の国”といわれるだけに、10世紀のころから秀れた詩人が輩出し、それを吟唱するタハリール唱法が発達してきました。
第4回 10月28日(金) カスピ海東岸の草原地帯
広大なカザフの草原の西方、カスピ海東岸の一帯は古くからチュルク・モンゴルの諸族が出入りし、今ではトルクメニスタンの西部から北へ、ウズベクのカラカルバク、そしてカザフをこえてヴォルガのバシコルトスタンへと、それぞれに独自の文化を維持していて、いかにも民族の交流の歴史が如実に示されています。
第5回 11月 4日(金) ヴォルガに定着したタタールたち
タタール族は、はるか極東に近い地域にいたモンゴル系民族でしたが、チンギスの征西の折に先陣をきってヴォルガ川畔にまで進出し、この地を支配してきただけに、今もタタールをはじめ、チュヴァシ、マリ・エル、モルドヴァなどの共和国として、伝統の東方文化をかたくなに守りつづけています。
第6回 11月18日(金) 火の国アゼルバイジャン
カフカスの地にチュルク系の民族が東方からこの”火の国”にのりこんできたのは11~13世紀のこと。移動の途上、ペルシア文化を多く吸収したため、楽器や楽曲ムガームはイランに近いものがあります。アゼルバイジャン人は南のイランにも多く、やはり吟遊詩人のアーシュクが活躍しています。
第7回 11月25日(金) 流浪の民アルメニア
”ノアの方舟”以来、アララット山の麓を生活の場としてきた、流浪の民の性格の強いアルメニア人の歴史にも古くからのものがあります。言語的には印欧語群に属する点で、隣のグルジアとは異なっています。早くからのキリスト教国で、単旋律を基本とした語りの性格を強くもった詩が好んで歌われてきました。
第8回 12月 2日(金) ポリフォニー王国グルジア
古くからアルメニアと隣接していながら、グルジアはかなり異なったものをもっています。”ヒッタイトの末裔”を名乗り、カフカス語を話し、なによりもポリフォニーの合唱王国であることを誇りにしています。キリスト教導入前からといわれる太陽讃歌や労働歌の迫力には驚かされます。
第9回 12月 9日(金) カフカスの北麓の地
本来、カフカス山脈の一帯はチェルク系をはじめ、ペルシャ、アルメニア、スラブ等の諸民族が住み分けていましたが、現在はその北側はロシア領内にあって、ダゲスタンはじめ、チェチェン、イングーシからアディゲイへとそれぞれの民族共和国に分割支配されています。山人たちはいずれも民族色が強く、各地でロシアへの抵抗がつづいています。
第10回 12月16日(金) コサック発生の川辺
東方からの民族が乗り出していたカスピ海周辺のステップの地に、相対的に自由な大地を求めて、西方のスラブ系の逃亡農民が、河川流域にそって流れこんできたのは15世紀ごろから。在来の草原の自由民カザフがなまってコサックと呼ばれるようになったこの集団が新しく見開き、身につけていった東方の歌や踊りはどんなものだったのでしょう。
備考
【教材】
レジメ資料
レジメ資料
講師陣
名前 | 江波戸 昭 |
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肩書き | 明治大学名誉教授 |
プロフィール | 1932年東京生まれ。1955年東京大学理学部地理学科卒業。1960年同大学院博士課程修了、理学博士。1965年明治大学商学部専任講師を経て助教授、教授、2002年名誉教授。経済地理学専攻、かたわら民族音楽の研究を続けている。近著に「世界の音 民族の音」(青土社)、「民族音楽CD200-世界の音を聴く」(立風書房)、「世界の音を訪ねて」(リバティアカデミーブックレット)など。 |