大学公開講座のセカンドアカデミー

【講座内容】
『平家物語』は、平安時代の末に起きた全国的な戦乱のありさまと、その時代を生きた人々の姿を描き出した歴史物語です。この講座では、『平家物語』という長編物語がもつ豊かな魅力を、原文を通して紹介していきます。その際、いくつかの観点(テーマ)を設定し、それと関わる複数の場面・表現を結びつけながら読み進めることで、この物語をこれからどのように読み継いでいけるのかについて考えてみたいと思います。ちなみに、「点読」とは本来、漢文を点図にもとづいて訓読することを意味しますが、ここではこうした解読の方法を、『平家物語』の世界に分け入り、理解するための方法として応用し、比喩的におきかえて表現したものです。

【講座スケジュール】
第1回 4月28日(金) 名乗り
詳細：物語のなかに現れる数々の名乗りに注目し、その意味や効果を考えてみましょう。
第2回 5月26日(金) 約束
詳細：さまざまな約束によってつながれた人々のありさまを読み解いていきましょう。
第3回 6月30日(金) 童(わらわ)
詳細：武将や僧侶によりそう童たちの姿を追い、物語内での役割を掘りさげていきます。
第4回 7月28日(金) 心の強さ・弱さ
詳細：「心強き人」あるいは「心弱き人」として造型される人々の姿を追い、これらの言葉の響きを聞き取ってみましょう。
第5回 8月25日(金) 大力
詳細：戦場その他で抜群の剛力を発揮する人々の姿を読み解き、この特別な能力の扱われかたを見渡してみましょう。
第6回 9月29日(金) 形見
詳細：別れた人と自分をつなぐ形見の品に注目し、物語の表現世界を味わってみましょう。

【備考】
オンデマンド配信では事前に収録した講義を受講できます。ライブ講座とは異なり、場所や時間を選ばず、自由に何回でも視聴できます。
※配信された動画は最終講座から1週間後に視聴できなくなります。

ご受講にあたり下記のシステム環境が必要です。各自、環境の準備と確認をお願いします。
1.パソコン・スマートフォン・タブレットなどの端末
2.インターネット環境

名前	鈴木 彰
肩書き	立教大学文学部教授
プロフィール	2000年早稲田大学大学院博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。神奈川大学外国語学部准教授、明治大学政治経済学部准教授などを経て、2013年度より現職。専門は日本中世文学、軍記物語。主要著書に『平家物語の展開と中世社会』(汲古書院)、『いくさと物語の中世』(共編著、汲古書院)、『平家物語を知る事典』(共著、東京堂出版)、『図説 平家物語』『図説 平清盛』(共著、河出書房新社)などがある。