講座詳細情報
申し込み締切日:2022-10-08 / 文学 / 学内講座コード:22B1603300
いのちを見つめる文学(続)_戦争の新世紀のなかで【ハイフレックス講座(録画あり)】
- 開催日
- 10月22日(土)、11月 5日(土)、11月19日(土)、12月 3日(土)、12月17日(土)
- 講座回数
- 5回
- 時間
- 10:30~12:00
- 講座区分
- 後期
- 入学金
- -
- 受講料
- 9,000円
- 定員
- 40
- その他
- 8200(※料金は、神奈川大学生・卒業生等および横浜市交流協議会加盟大学在学生に適用される料金です)
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
関連講座
講座詳細
【講座内容】
私たちの生きるこのグローバル社会は、地球規模のパンデミックなどに加えて、ウクライナ戦争という未来を揺るがす時代の困難に直面しています。
本講座では、前回までの「いのちを見つめる文学」を新たな講座として受け継ぎ、このような戦争の新世紀のなかで、さまざまな戦争の記憶をとどめる日本文学と、同時代の世界の文学の注目作を取り上げ、いのちの問題を見つめます。
日本近代を背景に、「塵戦又た塵戦、都市を荒野に変ずるまでは止まじ」と予言した平和主義者・北村透谷、キリスト教による非戦論をつらぬいた内村鑑三から、第二次世界大戦下を生きた島尾敏雄の愛の極みを描いた代表作『死の棘』、戦後半世紀をかけて書き継いだ存在の物語である埴谷雄高『死霊』、さらに、津島佑子の連綿といのちをつなぐ大作『火の山』(上下)と中央アジアを舞台とした『黄金の夢の歌』、ノーベル文学賞を受賞した、ウクライナで生まれベラルーシで育った女性作家アレクシエーヴィチの『戦争は女の顔をしていない』と『チェルノブイリの祈り』までの魅力に満ちた作品を取り上げ、いのちをめぐる希望の、未来の物語としてともに考えます。
【講座スケジュール】
第1回10月22日(土) 北村透谷と内村鑑三―近代の平和主義、非戦論
詳細:明治維新の年に生まれ、10 代半ばで自由民権運動に挫折し、受洗、結婚のあと、『楚囚之詩』から文学を志し、25 歳で自ら死を選んだ詩人で平和主義者・北村透谷(1868 - 1894)と、明治維新の7 年前に武士の子として生まれ、10 代でキリスト教と出会い受洗、渡米、日露戦争以後はキリスト者の立場から非戦論をつらぬいた内村鑑三(1861 - 1930)、この二人の文学と宗教、平和主義と非戦論を新たな戦争の時代から読み直します。
第2回11月 5日(土) 島尾敏雄『死の棘』―戦争の記憶、愛といのちの極み
詳細:島尾敏雄(1917 - 1986)は、戦時下に奄美群島の加計呂麻島で特攻隊の指揮官として赴任し、出撃を待機した体験をもとに、「出発は遂に訪れず」など多くの戦後文学を発表しました。そこで運命的に出会い妻となる島尾ミホとの夫婦の愛と葛藤の世界を描きだした傑作『死の棘』を、『死の棘日記』などとともに、戦争の記憶、愛といのちの極みの物語として考えます。
第3回11月19日(土) 埴谷雄高『死霊』― 夢と虹、存在といのちの物語
詳細:戦後文学を代表する作家・埴谷雄高(1909 - 1997)が半世紀にわたって書き続けてきた長篇『死霊』(1945 - 1995)には、戦争と革命の記憶がきざまれた宇宙、生命、政治をめぐる存在の物語が展開します。ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』とも比較しながら、その謎に満ちた作品世界を、夢と虹に象徴される希望の文学として読み解きます。
第4回12月 3日(土) 津島佑子『火の山』と『黄金の夢の歌』― 戦争の時代、女たちといのちの記憶
詳細:火の山・富士にまつわる6 代の死者たちの系譜をつづった『火の山― 山猿記』(上下)と、キルギスの英雄叙事詩マナスの歌や、アイヌのユカラなどがちりばめられた、中央アジアを旅する記憶の物語をともにたどりながら、津島佑子(1947 - 2016)の描いた戦争の時代、女たちといのちの記憶と連なりを見つめます。
第5回12月17日(土) アレクシエーヴィチ『戦争は女の顔をしていない』『チェルノブイリの祈り』― 小さき者の声、愛の文学
詳細:2015 年にノーベル文学賞を受賞したスベェトラーナ・アレクシエーヴィチ(1948 -)の戦争で失われた、女性(少女)兵士、民衆、パルチザンたち一人ひとりの「ユートピアの声」を集めた『戦争は女の顔をしていない』と、ウクライナのチョルノービリの原発事故の被災地の人々、子どもたちの声による『チェルノブイリの祈り』から、「人間を愛すること」と小さき者たちの声を聞き取り、戦争の新世紀の希望を考えます。
私たちの生きるこのグローバル社会は、地球規模のパンデミックなどに加えて、ウクライナ戦争という未来を揺るがす時代の困難に直面しています。
本講座では、前回までの「いのちを見つめる文学」を新たな講座として受け継ぎ、このような戦争の新世紀のなかで、さまざまな戦争の記憶をとどめる日本文学と、同時代の世界の文学の注目作を取り上げ、いのちの問題を見つめます。
日本近代を背景に、「塵戦又た塵戦、都市を荒野に変ずるまでは止まじ」と予言した平和主義者・北村透谷、キリスト教による非戦論をつらぬいた内村鑑三から、第二次世界大戦下を生きた島尾敏雄の愛の極みを描いた代表作『死の棘』、戦後半世紀をかけて書き継いだ存在の物語である埴谷雄高『死霊』、さらに、津島佑子の連綿といのちをつなぐ大作『火の山』(上下)と中央アジアを舞台とした『黄金の夢の歌』、ノーベル文学賞を受賞した、ウクライナで生まれベラルーシで育った女性作家アレクシエーヴィチの『戦争は女の顔をしていない』と『チェルノブイリの祈り』までの魅力に満ちた作品を取り上げ、いのちをめぐる希望の、未来の物語としてともに考えます。
【講座スケジュール】
第1回10月22日(土) 北村透谷と内村鑑三―近代の平和主義、非戦論
詳細:明治維新の年に生まれ、10 代半ばで自由民権運動に挫折し、受洗、結婚のあと、『楚囚之詩』から文学を志し、25 歳で自ら死を選んだ詩人で平和主義者・北村透谷(1868 - 1894)と、明治維新の7 年前に武士の子として生まれ、10 代でキリスト教と出会い受洗、渡米、日露戦争以後はキリスト者の立場から非戦論をつらぬいた内村鑑三(1861 - 1930)、この二人の文学と宗教、平和主義と非戦論を新たな戦争の時代から読み直します。
第2回11月 5日(土) 島尾敏雄『死の棘』―戦争の記憶、愛といのちの極み
詳細:島尾敏雄(1917 - 1986)は、戦時下に奄美群島の加計呂麻島で特攻隊の指揮官として赴任し、出撃を待機した体験をもとに、「出発は遂に訪れず」など多くの戦後文学を発表しました。そこで運命的に出会い妻となる島尾ミホとの夫婦の愛と葛藤の世界を描きだした傑作『死の棘』を、『死の棘日記』などとともに、戦争の記憶、愛といのちの極みの物語として考えます。
第3回11月19日(土) 埴谷雄高『死霊』― 夢と虹、存在といのちの物語
詳細:戦後文学を代表する作家・埴谷雄高(1909 - 1997)が半世紀にわたって書き続けてきた長篇『死霊』(1945 - 1995)には、戦争と革命の記憶がきざまれた宇宙、生命、政治をめぐる存在の物語が展開します。ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』とも比較しながら、その謎に満ちた作品世界を、夢と虹に象徴される希望の文学として読み解きます。
第4回12月 3日(土) 津島佑子『火の山』と『黄金の夢の歌』― 戦争の時代、女たちといのちの記憶
詳細:火の山・富士にまつわる6 代の死者たちの系譜をつづった『火の山― 山猿記』(上下)と、キルギスの英雄叙事詩マナスの歌や、アイヌのユカラなどがちりばめられた、中央アジアを旅する記憶の物語をともにたどりながら、津島佑子(1947 - 2016)の描いた戦争の時代、女たちといのちの記憶と連なりを見つめます。
第5回12月17日(土) アレクシエーヴィチ『戦争は女の顔をしていない』『チェルノブイリの祈り』― 小さき者の声、愛の文学
詳細:2015 年にノーベル文学賞を受賞したスベェトラーナ・アレクシエーヴィチ(1948 -)の戦争で失われた、女性(少女)兵士、民衆、パルチザンたち一人ひとりの「ユートピアの声」を集めた『戦争は女の顔をしていない』と、ウクライナのチョルノービリの原発事故の被災地の人々、子どもたちの声による『チェルノブイリの祈り』から、「人間を愛すること」と小さき者たちの声を聞き取り、戦争の新世紀の希望を考えます。
備考
【備考】
ハイフレックス講座とは、対面による講座を、オンライン(Zoomによるライブ)により同じ時間に受講参加できる形態です。受講生の皆様はライフスタイルにあわせて対面、またはオンライン(ライブ)で講座に参加する事が出来ます。
例えば初回は対面で参加して、2回目の講義は自宅からライブで参加する事も可能です。また語学講座や一部講座を除き、講座は収録し、終了後に動画配信します。
※動画配信期間は、最終講座日から1週間です。
◆コロナウイルス感染症の状況により講座内容を変更または中止とする場合がございます。
ハイフレックス講座とは、対面による講座を、オンライン(Zoomによるライブ)により同じ時間に受講参加できる形態です。受講生の皆様はライフスタイルにあわせて対面、またはオンライン(ライブ)で講座に参加する事が出来ます。
例えば初回は対面で参加して、2回目の講義は自宅からライブで参加する事も可能です。また語学講座や一部講座を除き、講座は収録し、終了後に動画配信します。
※動画配信期間は、最終講座日から1週間です。
◆コロナウイルス感染症の状況により講座内容を変更または中止とする場合がございます。
講師陣
名前 | 小林 孝吉 |
---|---|
肩書き | 文芸評論家 |
プロフィール | 1953年長野県生まれ。明治学院大学文学部卒業。博士(学術)九州大学。元学校法人神奈川大学常務理事。著書に、『椎名麟三論 回心の瞬間』(菁柿堂)、『滝沢克己 存在の宇宙』(創言社)、『記憶と文学―「グラウンド・ゼロ」から未来へ』(御茶の水書房)、『埴谷雄高『死霊』論―夢と虹』(御茶の水書房)、『椎名麟三の文学と希望―キリスト教文学の誕生』(菁柿堂)、『内村鑑三―私は一基督者である』(御茶の水書房)、原発と原爆の文学―ポスト・フクシマの希望』(菁柿堂)、『内村鑑三の聖書講解―神の言のコスモスと再臨信仰』(教文館)などがある。 |