大学公開講座のセカンドアカデミー

【講座内容】
『平家物語』には、平安末期の戦乱が続く社会を生きた人々のさまざまな姿が描かれています。いま、私たちはこの物語とどのように向きあえるのでしょうか。この講座は、『平家物語』をこれから読んでみようと考えている方や、少しは読んだことがあるという方を対象とした入門講座です。物語に関する基礎知識を紹介しながら、いくつかの場面を原文で読み進め、物語世界に少しずつ接していきます。この講座で『平家物語』の扉をひらいてみませんか。今期は『平家物語』とその周辺に視野を広げながら、物語を彩る五人の人たちの姿に光を当て、物語への理解を深めていきましょう。

【講座スケジュール】
第1回 9月25日(火) 仏御前の選択――命のあらんかぎり
詳細：清盛のもとに推参した若き白拍子仏御前の選んだ道とその意味を読み解きます。
第2回10月 9日(火) 源三位頼政の名声――文武の達者への道
詳細：文武の達者として名声を得た源頼政。そうした世評を生んだエピソードを読み進めます。
第3回10月30日(火) 大夫房覚明という生きかた――木曾殿の手書(てかき)
詳細：義仲の身近にあってその書記役を務めた覚明の生き方に光を当てます。
第4回11月20日(火) 河原兄弟の高名――討死を語り継ぐこと
詳細：一の谷の戦いで先陣をかけて討ち死にした河原兄弟の言動に光を当ててみましょう。
第5回12月 4日(火) 内裏女房の涙――重衡のいない日々
詳細：いくさで捕らえられた重衡と再会した内裏女房の思いを読み解いていきます。

名前	鈴木 彰
肩書き	立教大学文学部教授
プロフィール	2000 年早稲田大学大学院博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。神奈川大学外国語学部准教授、明治大学政治経済学部准教授などを経て、2013 年度より現職。専門は日本中世文学、軍記物語。主要著書に『平家物語の展開と中世社会』(汲古書院)、『いくさと物語の中世』(共編著、汲古書院)、『平家物語を知る事典』(共著、東京堂出版)、『図説 平家物語』『図説 平清盛』(共著、河出書房新社)などがある。