講座詳細情報
申し込み締切日:2017-11-13 / 文学 / 学内講座コード:17B1612001
シェイクスピアのまなざし
- 開催日
- 11月14日(火)、11月21日(火)、11月28日(火)、12月 5日(火)、12月12日(火)
- 講座回数
- 5回
- 時間
- 13:00~14:30
- 講座区分
- 後期
- 入学金
- -
- 受講料
- 8,000円
- 定員
- 50
- その他
- 7200(※料金は、神奈川大学生・卒業生等および横浜市交流協議会加盟大学在学生に適用される料金です)
- 補足
※この講座の申し込みは既に締め切りました。
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講座詳細
【講座内容】
芝居は、劇作家が生きる社会への批判的なまなざしがなければ、大衆娯楽で終わってしまう。どうして、観客がシェイクスピアの舞台に感激し、拍手喝采したのか。その秘密は、劇作家が当時の社会を見つめる冷静で批判的な視線にある。観客を笑いの渦に巻き込み、悲劇に感涙させながら、ちゃっかり体制批判をしているのである。シェイクスピア劇に込められた戦術を紐解く。
【講座スケジュール】
第1回11月14日(火) 『ロミオとジュリエット』
詳細:長く反目し合う二つの家の喧嘩騒ぎから始まる。親同士が敵対しあうのを知りながら、互いを愛してしまったロミオとジュリエットの清純な恋の物語。結末は実に悲惨だ。ロミオの友人マキュショーはジュリエットの従兄に、その従兄はロミオに殺され、ロミオは国外追放に。ジュリエットは親の選んだパリスと結婚させらることを拒み、自害。ロミオはパリスを手にかけて自害。次世代の若者は皆無になる。シェイクスピアは「剣社会」に対する鋭い警告を鳴らしている。
第2回11月21日(火) 『夏の夜の夢』
詳細:アテネ公爵とアマゾンの女王は婚礼を控えて準備の最中。二組の若い男女が森に迷い込み、その森では、職人たちが、公爵の婚礼で上演する芝居の稽古中、森を支配するのは妖精の女王と王。四つのグループが巧みに組み合わされ、解けそうもない凝った筋立。それを解決するのは妖精の王が使う恋の媚薬。作者は四組の結婚を祝しながら、愛の幻想、その脆さ、醜さも白日のもとにさらす。
第3回11月28日(火) 『十二夜』
詳細:海難事故にあい、別々に陸に打ちあげられ、互いの生死もわからぬ双子の兄妹。妹ヴァイオラは自活するために男装し、その土地の公爵の小姓となる。公爵は伯爵夫人オリヴィアに求愛中。ヴァイオラは公爵の愛の言葉を伝えるたにしばしばオリヴィア邸を訪ねる。オリヴィアには公爵の求愛に応える気はない。それどころか、若く美しいヴァイオラにぞっこん。ヴァイオラは恋の使者をつとめるうちに、いつしか公爵を愛するようになる。この恋のもつれ。どう進行するのか? 『十二夜』は実は、『ロミオとジュリエット』のパロディなのだ!
第4回12月 5日(火) 『お気に召すまま』
詳細:公爵が弟に追放され、貴族の息子が兄に追放され、その息子を愛するロザリンド(追放され公爵の娘)もシーリア(公爵の弟の娘)も、現体制を厭う者たちが森に逃亡する。彼らは田園生活を謳歌するが、そこで見たものは、田舎でひっそりと暮らす人びとや森の動物たちが、侵入者によって搾取される現実であった。ほろにがい味の喜劇。田舎と宮廷、それぞれの価値観で生きる大切さを問いかける。
第5回12月12日(火) 『リア王』
詳細:老いたらどう生きるべきか。認知機能が破壊されたらどうなるか? 財産はいかに分けるべきか。親の面倒を見るのは誰か? 親と子の不和、きょうだいの不和。今の日本が抱える諸問題を、『リア王』ほど拡大して見せる芸術は他に例がない。身分も財産も失い、無一文になって、着のみ着のまま荒野へ抛り出されるリア王。裸同然の汚い乞食に出会い、「人間とは所詮こんなものか!」と叫ぶ。自分の上着を脱ぎ、乞食にかけてやり、嵐を避けるために、洞窟へ「先にお入りなされ」と言うリア。人間とは何かを知るために、これほど悲惨な思いをせねばならぬのか。
芝居は、劇作家が生きる社会への批判的なまなざしがなければ、大衆娯楽で終わってしまう。どうして、観客がシェイクスピアの舞台に感激し、拍手喝采したのか。その秘密は、劇作家が当時の社会を見つめる冷静で批判的な視線にある。観客を笑いの渦に巻き込み、悲劇に感涙させながら、ちゃっかり体制批判をしているのである。シェイクスピア劇に込められた戦術を紐解く。
【講座スケジュール】
第1回11月14日(火) 『ロミオとジュリエット』
詳細:長く反目し合う二つの家の喧嘩騒ぎから始まる。親同士が敵対しあうのを知りながら、互いを愛してしまったロミオとジュリエットの清純な恋の物語。結末は実に悲惨だ。ロミオの友人マキュショーはジュリエットの従兄に、その従兄はロミオに殺され、ロミオは国外追放に。ジュリエットは親の選んだパリスと結婚させらることを拒み、自害。ロミオはパリスを手にかけて自害。次世代の若者は皆無になる。シェイクスピアは「剣社会」に対する鋭い警告を鳴らしている。
第2回11月21日(火) 『夏の夜の夢』
詳細:アテネ公爵とアマゾンの女王は婚礼を控えて準備の最中。二組の若い男女が森に迷い込み、その森では、職人たちが、公爵の婚礼で上演する芝居の稽古中、森を支配するのは妖精の女王と王。四つのグループが巧みに組み合わされ、解けそうもない凝った筋立。それを解決するのは妖精の王が使う恋の媚薬。作者は四組の結婚を祝しながら、愛の幻想、その脆さ、醜さも白日のもとにさらす。
第3回11月28日(火) 『十二夜』
詳細:海難事故にあい、別々に陸に打ちあげられ、互いの生死もわからぬ双子の兄妹。妹ヴァイオラは自活するために男装し、その土地の公爵の小姓となる。公爵は伯爵夫人オリヴィアに求愛中。ヴァイオラは公爵の愛の言葉を伝えるたにしばしばオリヴィア邸を訪ねる。オリヴィアには公爵の求愛に応える気はない。それどころか、若く美しいヴァイオラにぞっこん。ヴァイオラは恋の使者をつとめるうちに、いつしか公爵を愛するようになる。この恋のもつれ。どう進行するのか? 『十二夜』は実は、『ロミオとジュリエット』のパロディなのだ!
第4回12月 5日(火) 『お気に召すまま』
詳細:公爵が弟に追放され、貴族の息子が兄に追放され、その息子を愛するロザリンド(追放され公爵の娘)もシーリア(公爵の弟の娘)も、現体制を厭う者たちが森に逃亡する。彼らは田園生活を謳歌するが、そこで見たものは、田舎でひっそりと暮らす人びとや森の動物たちが、侵入者によって搾取される現実であった。ほろにがい味の喜劇。田舎と宮廷、それぞれの価値観で生きる大切さを問いかける。
第5回12月12日(火) 『リア王』
詳細:老いたらどう生きるべきか。認知機能が破壊されたらどうなるか? 財産はいかに分けるべきか。親の面倒を見るのは誰か? 親と子の不和、きょうだいの不和。今の日本が抱える諸問題を、『リア王』ほど拡大して見せる芸術は他に例がない。身分も財産も失い、無一文になって、着のみ着のまま荒野へ抛り出されるリア王。裸同然の汚い乞食に出会い、「人間とは所詮こんなものか!」と叫ぶ。自分の上着を脱ぎ、乞食にかけてやり、嵐を避けるために、洞窟へ「先にお入りなされ」と言うリア。人間とは何かを知るために、これほど悲惨な思いをせねばならぬのか。
講師陣
名前 | 石井 美樹子 |
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肩書き | 神奈川大学名誉教授 |
プロフィール | 1974~78 年英国ケンブリッジ大学大学院にて中世英文学を専攻。文学博士。ケンブリッジ大学東洋学部専任講師、静岡大学教授を経て2013 年3 月まで神奈川大学外国語学部教授。専門は中世・ルネサンスのイギリス文学・歴史。主要著書に『聖母のルネサンス』(岩波書店)、『エリザベス ― 華麗なる孤独』(中央公論新社)、『ヨーロッパの王妃』『ヨーロッパ宮廷の愛人たち』『マリー・アントワネットの宮廷画家 ― ルイーズ・ヴィジェ・ルブランの生涯』『マリー・アントワネット――ファッションで世界を変えた女』(以上、河出書房新社)ほか多数。 |